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Yamareco

記録ID: 7078695
全員に公開
沢登り
奥秩父

西上州 神流川水系 大神楽沢

2024年07月28日(日) [日帰り]
 - 拍手
JetUpper その他1人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
10:54
距離
9.7km
登り
1,055m
下り
1,053m
歩くペース
ゆっくり
1.21.3
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
10:39
休憩
0:09
合計
10:48
7:35
514
16:09
16:18
53
17:11
72
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
諏訪山登山口駐車場(無料) 20台程度のキャパあり。簡易トイレあり。
コース状況/
危険箇所等
本コースは駐車場から入渓点が近く、秘境感に満ち溢れた景観を堪能しながら遡行できます。
随所にアクセントとして魅力を引き立てる滝も、後半に現れる5mハング滝と大滝以外は全て水流を直登できる等、登攀も適度に楽しめます(滝は全体的にヌメリが強く、フェルト推奨)。
また詰めの藪漕ぎがない点もこのコースの魅力と言えます。
下山の諏訪山への登山道は一般道とはいえ、急峻な岩場の登下降が続く西上州のトレイルらしいアトラクション満載の楽しいコースです。

今回、特に危険と感じたポイントは、本コース最大の核心部となる25m大滝の高巻きです。
大滝手前の右壁よりルンゼを直登し、そこからリッジ伝いに大滝の落ち口直下まで直上。細いバンドを回り込んだ先の二人分が立てるスペースのテラスから立ち木を使い、10mほどの懸垂下降をして、ちょうど落ち口に降り立ちました。
あまり大高巻きをしたくなかったのもあって、大滝を観瀑していた地点から直ぐ右手の壁からリッジに伸びるルンゼが登れそうに見えたので取付きましたが、これが著しく脆い岩質で残置はもとより、見上げる登路には十分な支点となる立ち木も見当たりません。取り合えず取付き、慎重に5mほど登ったところの二人分のテラス状でハーケン、カムの3点から支点を取り、ホッと一息。そこからリッジ末端の十分な太さのある立ち木まで達すれば最大の核心部は終了ですが、続く2ピッチ目も1ピッチ目ほどの危険度はないものの、触れるもの全てが脆く信用がおけない中で緊張感を緩めることは全くできません。特に加重に慎重になりつつ、終了点となるリッジに生える立ち木へ。
左岸のリッジに立ったとき、右手にリッジと並行して伸びる泥ルンゼが目に入りました。おそらく大滝からしばらく下流へ戻り、このルンゼを大高巻きする形が最も安全なルートと思われますので、これを推奨します。
その他周辺情報 浜平温泉しおじの湯 600円
諏訪山登山口駐車場から下流にある神社を通り抜け沢に入渓。
2024年07月28日 07:32撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 7:32
諏訪山登山口駐車場から下流にある神社を通り抜け沢に入渓。
左岸は道路の擁壁で、これに沿って進む。
2024年07月28日 07:34撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 7:34
左岸は道路の擁壁で、これに沿って進む。
しばらくで堰堤が現れる。ここは左岸側から巻く
2024年07月28日 07:44撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 7:44
しばらくで堰堤が現れる。ここは左岸側から巻く
しばらく綺麗なナメが続く
2024年07月28日 07:53撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 7:53
しばらく綺麗なナメが続く
どの滝も大抵流心から直登可能
2024年07月28日 08:30撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 8:30
どの滝も大抵流心から直登可能
2024年07月28日 08:51撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 8:51
ヌメリは強い
2024年07月28日 08:53撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 8:53
ヌメリは強い
2024年07月28日 08:57撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 8:57
左岸からロープが垂れているヌルヌルのスラブ。水流のなかの細かいスタンスを拾えば左程苦労せず登れる。
2024年07月28日 09:05撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:05
左岸からロープが垂れているヌルヌルのスラブ。水流のなかの細かいスタンスを拾えば左程苦労せず登れる。
出だしヌルヌルのトイ状滝。腰までの水位がある釜に入り、正面から取付く。まともに足を置くと難しいが、水中の細かいスタンスを使いハイステップで離陸できる。
2024年07月28日 09:05撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:05
出だしヌルヌルのトイ状滝。腰までの水位がある釜に入り、正面から取付く。まともに足を置くと難しいが、水中の細かいスタンスを使いハイステップで離陸できる。
ここもヌメリが強いが、水流に細かいスタンスがある。
2024年07月28日 09:08撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:08
ここもヌメリが強いが、水流に細かいスタンスがある。
庭園のような景色に感嘆する。
2024年07月28日 09:27撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:27
庭園のような景色に感嘆する。
2024年07月28日 09:36撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:36
突っ張りを織り交ぜながら登る。
2024年07月28日 09:38撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:38
突っ張りを織り交ぜながら登る。
2024年07月28日 09:50撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:50
二ノ沢との出合。ここは左へ
2024年07月28日 09:54撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:54
二ノ沢との出合。ここは左へ
2024年07月28日 09:56撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:56
7mほどの滝。直登可能
2024年07月28日 09:59撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 9:59
7mほどの滝。直登可能
これも流心を直登
2024年07月28日 10:11撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 10:11
これも流心を直登
流心を直登
2024年07月28日 10:56撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 10:56
流心を直登
2024年07月28日 10:57撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 10:57
ハング滝直下の7m滝。容易
2024年07月28日 10:58撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 10:58
ハング滝直下の7m滝。容易
5mハング滝。釜は深く、2m以上はあった。これは登れないので右岸から巻いた。
2024年07月28日 10:57撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 10:57
5mハング滝。釜は深く、2m以上はあった。これは登れないので右岸から巻いた。
8m滝
2024年07月28日 11:18撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 11:18
8m滝
8m滝はヌメリが強い。倒木が邪魔だが、突っ張りで登れる。
2024年07月28日 11:20撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 11:20
8m滝はヌメリが強い。倒木が邪魔だが、突っ張りで登れる。
25m大滝に到着。登れないので観瀑のみ。
2024年07月28日 11:22撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 11:22
25m大滝に到着。登れないので観瀑のみ。
同行者が取付き登っているフリ
2024年07月28日 11:25撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 11:25
同行者が取付き登っているフリ
直ぐ右手の壁を見上げると、ルンゼからリッジへ上がれそうに見える。正面はボロボロの岩で上部もランナーが取れないため、やや右手に移動して取付く。
2024年07月28日 11:26撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 11:26
直ぐ右手の壁を見上げると、ルンゼからリッジへ上がれそうに見える。正面はボロボロの岩で上部もランナーが取れないため、やや右手に移動して取付く。
フォローが居る位置が先の画像の中央辺りに位置するグズグズのテラス。このテラスまでが最大の核心部。テラス正面の岩壁にハーケン×2とカムの3点で支点を取れたので、安心してリッジへ向かう。
2024年07月28日 12:50撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 12:50
フォローが居る位置が先の画像の中央辺りに位置するグズグズのテラス。このテラスまでが最大の核心部。テラス正面の岩壁にハーケン×2とカムの3点で支点を取れたので、安心してリッジへ向かう。
ただし触れるもの全てが脆いため、緊張は緩めることができず、慎重に立ち木まで登攀。ここで後続をビレイする。残置もなし。ランニングも取れずこのルートはお薦めできない。
2024年07月28日 12:50撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 12:50
ただし触れるもの全てが脆いため、緊張は緩めることができず、慎重に立ち木まで登攀。ここで後続をビレイする。残置もなし。ランニングも取れずこのルートはお薦めできない。
大滝の釜はもう遥か下に。ビレイを解き、ここからはフリーで。
2024年07月28日 13:24撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 13:24
大滝の釜はもう遥か下に。ビレイを解き、ここからはフリーで。
2ピッチの終了点とした立ち木からリッジを直上し、切れ落ちたバンドからトラバースして大滝落ち口の直下に位置するテラスへ。テラスから落ち口を見下ろす。
2024年07月28日 13:43撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 13:43
2ピッチの終了点とした立ち木からリッジを直上し、切れ落ちたバンドからトラバースして大滝落ち口の直下に位置するテラスへ。テラスから落ち口を見下ろす。
岩場突端の立ち木を使い約10m強の懸垂下降で大滝落ち口へジャストで降り立つ
2024年07月28日 14:05撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 14:05
岩場突端の立ち木を使い約10m強の懸垂下降で大滝落ち口へジャストで降り立つ
付き出た岩の上部から懸垂した。
2024年07月28日 14:14撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 14:14
付き出た岩の上部から懸垂した。
大滝落ち口から直ぐにこの美しい小滝。これも直登できる。
2024年07月28日 14:12撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 14:12
大滝落ち口から直ぐにこの美しい小滝。これも直登できる。
8mトイ状滝。滑りは強いが直登可能。
2024年07月28日 14:13撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 14:13
8mトイ状滝。滑りは強いが直登可能。
倒木が非常に邪魔だが直登可能。
2024年07月28日 14:20撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 14:20
倒木が非常に邪魔だが直登可能。
2024年07月28日 14:21撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 14:21
大滝を越えてもまだまだ続く深山幽谷の世界
2024年07月28日 14:37撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 14:37
大滝を越えてもまだまだ続く深山幽谷の世界
絶景の連続に全く飽きさせない
2024年07月28日 14:38撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 14:38
絶景の連続に全く飽きさせない
やがて伏流となり、詰めの様相になっていく
2024年07月28日 14:55撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 14:55
やがて伏流となり、詰めの様相になっていく
稜線へ向け最後の詰めへ。藪漕ぎは一切なし
2024年07月28日 15:43撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 15:43
稜線へ向け最後の詰めへ。藪漕ぎは一切なし
両手足をフルに使って登り込む
2024年07月28日 15:50撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 15:50
両手足をフルに使って登り込む
登山道へ
2024年07月28日 15:56撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 15:56
登山道へ
三笠山
2024年07月28日 16:10撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 16:10
三笠山
梯子や鎖の設置された切れ落ちた稜線の登下降が連続し、標高がなかなか下がらない。
2024年07月28日 16:25撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 16:25
梯子や鎖の設置された切れ落ちた稜線の登下降が連続し、標高がなかなか下がらない。
下部では登山道が崩落していた。この橋は危険で使えないため、山側を巻き気味に通過。
2024年07月28日 18:05撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 18:05
下部では登山道が崩落していた。この橋は危険で使えないため、山側を巻き気味に通過。
駐車場へ帰着。18時を回っていたが周囲はまだ明るい。シオジの湯へ急ぐ。
2024年07月28日 18:22撮影 by  SC-51B, samsung
7/28 18:22
駐車場へ帰着。18時を回っていたが周囲はまだ明るい。シオジの湯へ急ぐ。
撮影機器:

装備

共同装備
ロープ(30m) カム ハーケン

感想

大神楽沢は沢情報を検索した中でたまたま目に留まったルートでした。
群馬県西部の最深部は神流川源流の諏訪山に流れる沢で、かつて登頂した経験から、遡行においてもその秘境感を存分に堪能させてくれるであろうことは容易に期待できましたので、逸る気持ちを抑えながら当日を迎えました。
入渓すると、やはりそこには想像した通りの素晴らしい異世界が広がっており、様々な滝の登攀や沢沿いの下降路もアクセントとなって、魅力満載のルートでした。
次に訪れる機会があったならば、右俣もぜひ遡行してみたいと思います。

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