布滝〜西大巓〜西吾妻山〜スキー場


- GPS
- 16:16
- 距離
- 17.0km
- 登り
- 1,355m
- 下り
- 1,352m
コースタイム
- 山行
- 7:11
- 休憩
- 2:28
- 合計
- 9:39
天候 | 8/3 曇り時々晴れ, 8/4 霧のち曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
布滝から西大巓までは何年も手入れされていない様子で藪がかなり煩い。ヤブを掻き分けて進むのに体力が必要だし,ルートファインディングも。赤目印が結構ついているが,隠れていて見つけにくい。 |
その他周辺情報 | 花見屋旅館:中の沢温泉にある。日本庭園風の露天風呂があり,気持ちが良かった。700円。グランデコスキー場からは車で40分ほど。 https://hanamiya-nakanosawa.com/ |
写真
感想
昨年6月に浄土平から東大巓までをトレースしたので,今回は西吾妻山から東大巓までを歩いて,ルートを繋げたいと思った。西吾妻山までのルートは幾つかあるが車のアプローチが短く,周回コースとなるデコ平口を起点とし,西吾妻小屋に一泊して東大巓までを往復する計画にした。
深夜0時半過ぎに自宅を出発し,道の駅 猪苗代に3時半に到着する。最後の林道の状態が分からないので,明るくなってから林道を走るために,少し多めに休憩。広い駐車場に100台以上が停まっていた。3時50分に出発し,グランデコ スキー場までは問題なく走る。そこからはスキー場の中にあるジャリ路を辿って行く。既に明るくなっているので迷うことは無かったが,砂利でスリップしやすそうなので低速で走る。
デコ平口の駐車場に4時50分に到着するが未だ誰も居ない。朝飯を頬張りながら支度を整え,5時20分に出発。よく整備された山道を快適に歩く。熊が出没するようなので,鈴をストックに付け,いつもは聞かないラジオをできるだけ大きな音で鳴らしながら歩く。偶々だが「石丸謙二郎の山カフェ」という番組をやっていて面白かった。毎週土曜の様なので,又,聞いてみよう。周りは樹林で囲まれており眺望は無いが,一部で樹の途切れた隙間から磐梯山が望めた。
1時間ほどで布滝に到着する。想像していたより立派な滝で沢近くに寄って一休みする。さて,登山道はと思って周りを見渡すが,それらしいものが見当たらない。滝の右側が登れなくもなさそうだが,上部の方がどうなのかが分からない。取敢えず行ける処までと思って,10mほどを登ってみるが,その先はぬめっている岩で一寸やばそう。登って来たところを下るのもちょっと厳しそうなので,右側の草付斜面にトラバースする。手掛かりになるものが少なく,折れそうな草の根本を押さえつけながら這う這うの体で安全な場所まで移動。そこから少し尾根に向かう感じでさらに藪を進むこと10分程で,踏み跡に出る。よく見ると赤テープもあったので正規ルートに出たと安心する。どうも滝に見とれて,登り口を行き過ぎてしまったようだ。気を取り直して再度登り始めるが,次第に踏み跡に両側から藪が覆い被さるようになってくるので,踏み跡を見つけるのに一苦労する。時々,出てくる赤テープが安心材料だが,判断に迷うところもあり,ひどい藪を度々経験する。1時間余りで再び沢沿いの路になったので冷たい水で顔を洗って一息入れる。地形図とコンパスで方向を確認しながら,沢を渡渉し,再び,沢から離れる。藪は更にひどくなり,掻き分けるのも大変に。両腕で根本近くを掴んで体を預けるようにして無理やりに隙間をこじ開けて行く。首筋や腕は擦り傷・切り傷だらけ。10m進むのに4,5分かかる所も。この時点で,東大巓まで行くのはあきらめた。後はひたすら西大巓を目指して,何も考えずに登るのみ。
傾斜が少し緩くなったなと思ったら,前方が開けて西大巓山頂に飛び出した。ただ,このルート出口には赤テープが張ってあった。廃ルートなの? 既に数人が寛いでいて,その後も続々とスキー場側からと,西吾妻山側から登ってくる。山頂からは西吾妻山は勿論,小屋も良く見えた。しかし,ガスが少し出始めたので,取敢えず小屋まで行って,どこまで進むかを考えようと,歩き始める。途中の山路の両脇は色々な高山植物が咲いていて,写真を撮りながら進んでいると,えらく時間がかかってしまった。
小屋に着いて,昼食のおにぎりを食べながらデポする荷物を取り出す。この時点で,小屋の外で休憩する人は多かったが,小屋に泊る人はいない様子だった。小屋にデポ品を放り込んで,先ずは西吾妻山を目指す。湿原の中の木道を少し進むと直ぐに山頂に着くが,眺望は全くないので直ぐに天狗岩へと向かう。天狗岩の分岐付近にも大勢の人がたむろしていたので,そのまま,梵天岩へ。ここは眺望が良さそうだったが,雲が出てきていたので遠方は見えなかったが,中大巓が間近だった。12時半と時間はまだ早いので,あそこまで行ってみようかとも思ったが,藪漕ぎで疲れてしまって,この日は更に歩く気力が失せていた。ただ,今夜・明日の水を確保する必要があるので,大凹の水場までは行く必要がある。
梵天岩の大岩を通り抜け,湿原の木道を過ぎ,再び大きな岩がゴロゴロした坂を下り水場に着く。岩の上をチョロチョロと水が流れており,古い竹筒が水を集めている。早速,ボトルに水を集めるが,何せ細いので時間がかかる。結局,4リットルほど集めるのに20分以上かかった。その間も続々と人が降りてくる。多分,天元台の方に下山するのだろう。この頃になると雲量が少しずつ増えてきて,見通しも少し悪くなってきた。雨に合わないうちに小屋に戻ろうと出発する。来た路を戻り,梵天岩を経由して吾妻神社に到着。往路では人が多かったのに,今は誰も居ない。ここまで来れば,小屋まではすぐなので,一休みして景色を楽しむ。
一寸下って,木道を進むと直ぐに小屋に到着した。この日は他に,単独行の人と親子連れの2パーティーだけ。2階もある広い小屋をゆったりと使えた。小屋内にトイレもあり便利だが,汲み取り式で少し匂いは気になった。荷物を整理後,横になって体を休めていたが,予想外に外が明るく天候がもっているようなので,周辺を散策して高山植物などを眺める。戻ってきて18時には本格的に横になったが,マットを忘れたので結構寝づらい。マットの有難みを再確認。とはいえ,いつの間にか寝入ってしまったが。
翌日は日の出を見んとて,3時50分に起床し,他の人を起こさないように小屋を出て,外で支度を整える。しかし,小屋周辺は霧で真っ白。ともかく,昨日,眺めが良さそうだと思った梵天岩まで向かってみる。すると途中から嘘のように霧は晴れ,周囲の山は未だ薄暗い中に,東の方角が既に霊妙なオレンジに染まっている。陽が顔を見せる前のこの時間帯が一番美しい。10分もしない内に雲の一部に朱色の小さな切れ目が現れ,見る間に広がって行く。東大巓の方角だ。太陽が昇るにつれ,周囲の山々が姿を明瞭に現し,一切経山,家形山,東吾妻山などが手に取るようだ。すぐ下の池塘にも光が差しキラキラと輝く。至福の時間を一人で過ごしていると,一人近づいてきた。昨日,一緒に小屋に留まった人だった。昨日は浄土平から来て小屋に止まり,今日は浄土平まで戻るそうだ。タフだなぁ。家形山から東大巓までは藪で苦労したそうだが,東大巓から西は問題ないとのことだった。昨年,浄土平から東大巓までを周回した時のことを思い出し,懐かしかった。
夜明けを堪能したので,ゆっくりと小屋まで戻り,朝食のおかゆを摂る。既に親子二人連れは出発していたので,小屋内はひっそりとしている。後は下るだけなので,のんびりと支度をし7時に小屋を発つ。この時,再び周りは霧に包まれていた。ガスが溜まりやすい地形なのかもしれない。昨日,来た路を逆向きに西大巓まで花を楽しみながら歩いて行くと,モウセンゴケにトンボが捕まっていた。道中,再び霧が取れ,頭上には真っ青な空が広がる。ただ,周囲では雲が結構なスピードで流れており,曇ったり晴れたりの繰り返し。
西大巓に着いたのが,未だ8時なので暫くは誰も来ないだろうと思っていたが,直ぐに白布峠方面から一人が登って来た。藪漕ぎで大分,苦労したとのこと。殆どの人が取るスキー場からのコースの整備で手が一杯で,他のコースまでは手が回らないのだろう。一息ついたところで,スキー場までの路を下り始めると,30分もしない内に下から上がってくるパーティー何組かとすれ違う。ロープウェイを使わずに登って来たのだろう。それから更に30分ほどすると,続々と登山者とすれ違うようになる。岩は少し滑りやすくて注意が必要だが,昨日の登りに比べると遥かに楽ちんだ。1時間ほどでゲレンデ上部に到達する。ゲレンデ内につけられた路を歩いていると,きれいな蝶々が彼方此方を飛んでいる。グランデコがアピールしているアサギマダラらしい。ヨツバヒヨドリに留まっているのを何回も見かけるので写真を撮ろうとするが,近づくとヒラヒラと飛び去ってしまい難しい。ロープウェイ駅の前を通過し,デコ平の湿原を走る木道を辿った後,無事,駐車場に到着した。車が3台駐車してあり,バイクの4人連れが談笑していた。
近くにある日帰り温泉が分からなかったので,来る途中に道の駅で得たパンフレットに記載されていた中の沢温泉街まで車を走らせる。その中で日本庭園大露天風呂を謳い文句にしていた花見屋旅館で湯に浸かる。未だ昼時なので空いていて,明るい空の下でゆったりと体をほぐすことができた。その後,蕎麦屋,土産物屋と立寄った後,母成グリーンラインを経由して磐梯熱海ICから高速に乗った。17時前に帰宅し,2日間我慢していたビールで喉を潤した。
今回は,当初予定していた東大巓までをトレースできなかったが,西大巓までの藪漕ぎも帰ってくると楽しい思い出になった。また,色々な種類の高山植物が見られたし,沢山のアサギマダラが舞う姿を見られたのも嬉しかった。今度は別ルートで東大巓から西のコースを辿ってみたいものだ。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する