岡山県和気町 岡山県自然保護センター＋ガガブタの池＆馬牧場
岡山県
Machapuchare
その他1人 
体力度について
- GPS
- 02:32
- 距離
- 4.1km
- 登り
- 74m
- 下り
- 75m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 2:11
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 2:32
歩行距離4km、歩行時間2時間、歩行数4800歩、消費カロリー380Kcal
| 天候 | 曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2024年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
危険箇所やヤブコギはありません。今回歩いたコースは雨の日に傘を差して運動靴でも歩けます。なお、平成池からいっぷく広場の間はナラ枯れにより通行止めになっています。HPの「みつけろーどマップなう」で見頃の植物の場所などと合わせて確認できるほか、園内の東屋でもマップが入手できると思います。 |
| その他周辺情報 | 岡山県自然保護センターの西南西、自動車で数分の所に「ハッピーホースファーム」＜写真15〜22＞があります。営業時間は基本9〜17時（熱中症対策のため12〜15時は休止の場合あり）、不定休なので見学以外は訪問前に予約したほうがいいでしょう。見学は無料で自由、乗馬体験（小さい子供も可）はコースにより料金が違います。 |
写真
01ガガブタ群生…昨年も訪問した池です。今年は意外にも水量が多く、池の端には下りられませんでした。土手から見下ろすと、白い花がたくさん見えました。午前8〜9時頃に咲き、14〜15時頃には閉じて水中に沈んでしまいますので、限られた時間にしか見られません。
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02逆さガガブタ…風がないので暑いですが、水面にガガブタの花が映っていました。2020年の岡山県のレッドデータブックでは絶滅危惧�粁爐忙慊蠅気譴討�り、2018年の調査では、確認できた池は県内に4ヶ所のみだったそうです。
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03池一面ガガブタ…一面とは言えませんが、かなり奥のほうまでびっしり生えていました。和名は、鏡蓋（かがみぶた）からきているとされます。江戸時代頃の鏡は普段は箱に入れられていました。丸い葉と葉柄の様子が柄のついた鏡（柄鏡）の箱の蓋に似ているというのが、名前の由来だといわれています。また、葉が水面一面に繁茂している様子が鏡に蓋をしているように見えるということで、「鏡蓋」とされたという説もあります。動画は引きと少しズームと両方撮りました。
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04ガガブタ…直径2�冂�の花の内側には白色の細毛が密生しています。ミツガシワとは違い花の中心部は黄色く、ヒメシロアサザよりも花は大きく毛深いです。今回は池の中には空き缶やペットボトルがなく、きれいでした。昨年よりも増えていたのはそのためでしょうか。
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05ガガブタ花…花にはめしべの柱頭が突き出た長花柱花と、突き出ない短花柱花があり、両方がないと結実しません。ただし、両方そろっていることはまれで、通常は夏から秋に葉柄の基部に太く硬い根がバナナの房状となった殖芽を形成し、これにより栄養繁殖します。今回は真上から見下ろせなかったのでよくわかりませんでしたが、昨年確認できたのはすべて長花柱花でした。栄養繁殖のみを行う集団では、一度消滅すると休眠種子からの再生は望めないため、姿を消してしまいます。以前、岡山県自然保護センターで池の攪拌をしたところ、生えなくなってしまったそうです。
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06ツリガネニンジン…池の畔に2株咲いていました。長さ2cm程の花はサイヨウシャジンに似ていますが、花の裾は広がりめしべの突き出た部分の長さが短いです。県南はサイヨウシャジンのイメージがありましたが、そうでもないようです。岡山県自然保護センターでも見かけました。
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07アレチヌスビトハギ…直径1cm程の花の中心部には黄緑色の斑点が2つあるのでわかりやすいです。もう実ができており、ズボンに引っ付かれました😅群生していたので動画も撮りました。岡山県自然保護センターでも見かけました。
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09メリケンムグラ…北米原産の帰化植物で、1969年に初めて岡山県で発見されました。現在は東海・近畿以西に分布しています。直径1cm程の花は毛深く、ツルアリドオシなどに似ていますが、葉がより細長いです。
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10ホソバウンラン…大正時代に持ち込まれ野生化した帰化植物です。キンギョソウをひとまわり小さくしたような花は中心部の色が濃く、先端が細長く突き出た形でキバナウンランに似ていますが、葉は線形です。昨年は両方見られたのですが、今回気づいたのはこの1株だけでした。
13メドハギ…ネコハギ＜写真11＞よりも微妙に大きい花は直径1cm近いです。葉は細長く、明らかに別種です。岡山県自然保護センターでも見かけました。
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14ヘクソカズラ…葉や茎などを傷つけると、屁でも糞でもなく正露丸のようなにおいがします。かなりきついのですが、嫌なタイプのにおいではありません。直径1cm程の花は可愛いので、サオトメバナと呼ばれることもあります。
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15「ハッピーホースファーム」ユキエ…見学自由の牧場で、メインは馬です。餌やり（HPでは220円、いただいたパンフレットでは無料と記載）ができるので、ここのボスで最も気が強いユキエが歯をカチカチ鳴らしておねだりしてきました。無視していたら、しまいには連れの手首をパクッ😅もちろん、長袖の上からわずかに歯が当たる程度なのでケガはしませんし、馬も大丈夫な相手をちゃんと選びます。
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17主水（もんど）…ポニーたちの親分だそうですが、それほど小さくはありませんでした。一瞬ですが筋肉がピクピクしたので、緊張しているのかと思い、連れはしばらく視線を逸らしていました。動画にはユキエ＜写真15＞の隣で顔を突き出している様子が映っています。
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19元気…小屋から顔だけ出していましたが、怖がっている様子はありませんでした。しかし、小さい子供たちを含むファミリーが乗馬体験（30分の里山のお散歩コース）を終え戻ってこられると、前脚を真下に下してドスンドスンと踏み鳴らし、威嚇していました😅子供は苦手なようです。
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23イタドリ越しに田尻大池…ここからが岡山県自然保護センターの写真です。まだ実はできていないイタドリ越しに田尻大池を望みました。たまにカイツブリやヌートリアが見られますが、この日はいませんでした。
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24シラヤマギク…直径2cm少々の白い花です。花弁のように見える舌状花はまばらで、下のほうの葉がハート形なのでわかりやすいです。この周辺に数株並んでいました。
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26オニヤンマ♀…複眼の上に鬼の角のような突起があるのが名前の由来です。コオニヤンマに似ていますが、胸部側面の黒い筋模様は二股にならず、こうしてぶら下がるように止まることが多いのも特徴です。また、メスは腹部の先端に長く突き出た産卵弁が目立ちます。
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27ヒシ…丸みを帯びた三角形の葉には粗い鋸歯があります。直径1cm程の花はまだ水面にたくさん咲いていました。水鳥観察小屋からズームして動画も撮りましたが、上池北のデッキからは間近に見られます。
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28テングタケの仲間…大きいものはカサの直径が15cm程でした。つぼとつばがあり、カサの表側の縁に条線があります。一列に並ぶように群生していたので動画も撮りました。
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30羽繕いするツバサ♂…動画を撮りました。岡山城主の池田氏が後楽園でタンチョウを飼っていたため、岡山県内にはタンチョウ飼育施設がいくつかあります。ここでは上池でつがいを放し飼いにしており、その西のケージ内にもたくさんいます。後で以前に放し飼いにされていたマッハ♂に会いに行きました。
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31餌を探すミドリ♀…動画を撮りました。タンチョウの雌雄を見分けるのは難しく、オスのほうが少し大きいくらいだそうです。頭頂部の赤い部分がオスのほうが大きいという説もあり、今回はそれも参考に判断しました。
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35キンミズヒキ…直径7〜10mmの花はヒメキンミズヒキよりもおしべの数が多く、花弁は少し太めです。この株の花弁は細く見えますが、おしべの数で判断しました。群生していました。
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37ミソハギ…直径1cm少々の花はエゾミソハギに似ていますが、萼の付属体が横向きに開きます。散った花も多いのですが、まだ花数はありました。動画も撮りました。
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40ビッチュウフウロ…2020年の岡山県のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定されており、ここのは植栽です。直径2cm程の花には網目模様が目立ち、イヨフウロを小さくした感じですが、毛深くはありません。この周辺で数株見ただけですが、見落としたのかもしれません。
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42サワヒヨドリ＆オオハナアブ♀…体長1.5cm程の花が大好きなアブです。人を刺すことはありません。複眼が離れているのでメスです。動画も撮りました。
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44セトウチホトトギス…ヤマジノホトトギスやヤマホトトギスに似ていますが、花の中心部は黄色です。たまたま近くにおられた方に教えていただきました。もう1か所は自力で見つけました。
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45ナンバンギセル…これも同じ方に教えていただきました。長さ3cm程の花は横から見るとタバコの喫煙器具の煙管（きせる）に似ています。ススキなどの植物の根に寄生するので、茂みに埋もれていることが多く、見つけにくいです。この1輪だけでした。
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46ウシガエルを捕まえたヤマカガシ…ガーデンパラソルのあるデッキで休憩していると、ミウと猫に似た聞き慣れない鳴き声が聞こえてきました。しばらく探してやっと茂みの下に見つけましたが、衝撃シーンでした。声の主は片足をヤマカガシに飲み込まれて動けないウシガエルでした。
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47ウシガエルを丸呑みするヤマカガシ…ウシガエルは両足を飲み込まれてなすすべがなく、時折鳴いています。動画を撮りました。こういうとき、なぜ助けなかったという批判がよく起こりますが、これは自然の摂理で人間ごときが手を出していいわけはありません。残酷なシーンでかわいそうという感想は持ちたくないです。
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49ミズオオバコ…2020年の岡山県のレッドデータブックでは絶滅危惧�粁爐忙慊蠅気譴討�り、ここのは植栽です。直径3cm程の花が水面に突き出ます。白っぽく写ってしまいましたが、淡いピンク色です。花茎にヒラヒラの翼があるのが特徴です。この1輪だけでした。
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53オニバス越しにタンチョウつがい…少し遠かったのでズームして動画も撮りました。左がミドリ♀＜写真31＞、右がツバサ♂＜写真30＞です。手前のオニバスの紫色の花には帰宅後に気づきました。オニバスは2020年の岡山県のレッドデータブックでは絶滅危惧�粁爐忙慊蠅気譴討�り、ここのは植栽です。毎年秋に開花して枯れ、翌春に発芽しますが、発芽率が悪いので毎年同じ場所で見られるとは限りません。
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55イヌタヌキモ？…ヒシ＜写真27＞に交じって黄色い花が2輪咲いているのに気づきました。キンギョソウに似た花の形と濃い色の模様でイヌタヌキモではないかと思いました。写真左下のほうに細い糸状の葉が見えています。
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56ミズトラノオ…2020年の岡山県のレッドデータブックでは野生絶滅種となっており、赤磐（あかいわ）市産の株がここで栽培されています。花穂は長さ4cm程、葉の幅は5mm程でした。ここは3株くらいでした。後で群生地＜写真62＞を見ました。
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57ミナミメダカ…カダヤシとは違い、尻びれが平行四辺形で尾びれの先端は丸みを帯びません。背中に筋状に白っぽく光る部分があることから判断しました。水深はごく浅く、潜って餌を探しているようでした。動画を撮りました。
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58ハッカ…ニホンハッカともいいます。花は葉の付け根に球状につき、段々になります。葉の長さは6〜7cmとシソ科にしては大きめでほっそりしています。この1株だけでしたが、よく咲いていました。
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59ヘラオモダカ＆イトトンボの仲間…直径1cm程の花はマルバオモダカに似ていますが、水中には生えません。また、葉はへら状です。ピンボケですが、背後に葉が写っています。イトトンボの仲間は色合いからすると、モノサシトンボやグンバイトンボのメスのようです。ここでは両方見たことがあります。この写真からは判断できませんでした。
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60シロオニタケ？…イボだらけのカサの直径は10cm程、高さ30cm程のビッグサイズで、つばは見当たりませんでした。カサの大きさやつばが落ちてしまっていることから、シロオニタケではないかと思いました。
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61シロオニタケ幼菌？…カサの直径3cm程、高さ10cm程でした。＜写真60＞のキノコの近くに生えていたので、同じくシロオニタケの幼菌かもしれません。
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63ノアズキ…直径2cm程の花はヤブツルアズキによく似ています。葉は丸みを帯びた三角形で3裂することはなく、表側に毛はありません。群生していました。最初に訪問した某池の畔で動画を撮りました。
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64ミズアオイ…2020年の岡山県のレッドデータブックでは絶滅危惧�砧爐忙慊蠅気譴討�り、ここのは植栽です。対岸からズームしました。直径2〜3cmの花はここだけでした。
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下（厚手）
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子（フード付き）
雨用帽子
登山靴（防水加工）
靴ひも予備
ザックカバー（防水用）
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水（スポドリ＆茶）
水筒（保温）
非常食（栄養補助食品）
スマホ（地図アプリ使用）
eTrex22x（GPSナビゲーター）
虫よけスプレー
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感想
この日は、天候が不安定だったこともあり、登山よりも純粋に自然を探索することを目的としたコースを設定しました。
最終目的地は「岡山県自然保護センター」ですが、その前に超貴重な花が満開となった池や馬とふれあえる「ハッピーホースファーム」を訪れました。そして、最後に訪問した自然保護センターでは、国の特別天然記念物に指定されているタンチョウや予想以上のたくさんの動植物を見ることができました。そして、生き物語も・・・
以下に特に印象に残ったシーンを回顧します。
【ガガブタ満開！秘密の花園】
ガガブタは本州、四国、九州の湖沼やため池に生育するミツガシワ科の浮葉植物で、白い星が散りばめられたような花弁と一面に毛が生えたようなその容姿はとてもかわいいです。
しかし、多くの地方自治体で絶滅危惧種となっており、2020年の岡山県のレッドデータブックでは絶滅危惧�粁爐忙慊蠅気譴討い泙后２�山県には農業用ため池だけでも9,500余りもありますが、2018年の調査では、確認できた池は県内に4ヶ所のみだったそうです。
昨年も訪問しましたが、今回もガガブタ保護の観点から具体的な場所は伏せました。ちなみに、この後訪問した岡山県自然保護センターでも以前、ガガブタが植栽されていましたが、池の攪拌をしたところ、生えなくなってしまったそうです。この池では昨年よりも数が増えており、ほっとしました。
【馬とふれあえる「ハッピーホースファーム」】
岡山県自然保護センター近くまで来ると、赤磐（あかいわ）市と和気町の境にハッピーホースファームという牧場がありました。ここには穏やかでやさしそうな馬たちが11頭もいます。このファームの特徴は、小さな子供でも外乗ができるということです。例えば、「里山のお散歩コース」ではファームを出て、周辺を約30分かけて馬に乗って散歩ができます。実際に入園する前に乗馬体験中のファミリーとすれ違いました。もちろん、有料（同コース平日4,400円、土日祝日4,900円）ですが、単なる乗馬というよりも、セラピーとして馬とふれあえると考えれば、なかなかいいアイデアだと思いました。馬以外にも、犬、ヤギ、アヒルなどの動物もおり、見物だけなら無料でした。
入園すると、早速、ここのボスで最も気が強いユキエが近寄ってきました。餌やり（HPでは220円、いただいたパンフレットでは無料と記載）ができるので、期待したようです。ただし、隣にいた主水（もんど）は一瞬ですが筋肉がピクピクしたので、緊張しているのかと思い、連れはしばらく視線を逸らしていました。どの馬も耳は明らかに前向きで、近寄ってくるわりには緊張しているように思えました。小さい子供を相手にすることも多いので、気を遣いストレスがたまっているのかもしれません。
食いしん坊のユキエは歯をカチカチ鳴らしておねだりしてきましたが、無視していたら、しまいには連れの手首をパクッ😅もちろん、長袖の上からわずかに歯が当たる程度なのでケガはしませんし、馬も大丈夫な相手をちゃんと選びます。よそでは袖口をくわえてグイグイ引っ張られたこともあるので、ここの馬はかなりおとなしいほうでした。
おそらく、嚙まれるのは連れだけだと思いますが、万が一、噛まれたら手を引っ込めると歯と皮膚がこすれて出血する可能性があります。意外にも、無抵抗が最も安全なのです。微動だにせずごめんと謝った連れは、袖口が少し汚れただけですみ、ユキエ姐さんもすぐに放して諦めてくれました。
ユキエ姐さんによれば、見学と餌やりはセットだそうです。皆さん、入園後はすぐに餌やりしましょう。コイツ、なかなかエエ奴やんと、すぐに気を許してくれるでしょう😊
【国の特別天然記念物タンチョウのツバサ＆ミドリ】
岡山県自然保護センターの名物といえば、タンチョウです。タンチョウは世界的に大変希少な種で、自然界での生息数は、現在、日本では北海道に約1,650羽、中国とロシアにまたがるアムール川流域周辺に生息している数を合わせても世界中の総個体数は3,050羽程だといわれています。このため、日本では国の特別天然記念物及び国内希少野生動植物に指定され、捕獲等が禁止されるなど法による個体や種に対する保護措置が講じられています。
岡山城主の池田氏が後楽園でタンチョウを飼っていたため、岡山県内にはタンチョウ飼育施設がいくつかあります。現在、県内で50羽以上のタンチョウが飼育されており、その6割以上は岡山県自然保護センターにいるといわれています。上池ではつがいのツバサ♂とミドリ♀が放し飼いにされており、運が良ければ水浴びする姿などが見られます。今回は羽繕いと餌探しの様子が観察できました。
【岡山県自然保護センターで起きたリアル民話「カエルを食べるヘビ」】
昭和62年5月にTV放映されたアニメ「まんが日本昔ばなし」で、大分県の民話「蛇と蛙」が紹介されました。
神様が生き物を作ったばかりの頃のこと、動物たちはみな朝ツユを飲んで暮らしていました。しかし、朝ツユに飽きたカエルが不満を口にし始めると、そのうちにみんな同調するようになりました。すると、神様はそれぞれの食べ物を決めようと提案。足の遅い虫やヘビたちは、まだ暗いうちに神さまのところへ出発しました。
寝坊して出発が一番遅くなったカエルでしたが、途中で足の遅いヘビに追いつくと蹴ったり踏んだりし、「俺の尻を舐めてみろ」とさんざん馬鹿にしました。＜カエルちゃん、性格悪っ！＞
全員集合すると神様はそれぞれにふさわしい食べ物を決めていきました。カエルは簡単に食べられるものを望んだので、虫を食べることになりました。
ヘビの番になると、カエルは「ヘビは役立たずだから、役に立たない物がいい」と発言。すると、神様はヘビはカエルを食べることに決めました。＜カエルは役立たずだからヘビに食われちまえって、神様怖っ！＞そして、「生き物を食べて生きるという事は、自分も食われるということだ。食べ物に感謝の気持ちを忘れるな」と言い聞かせました。
以来、ヘビはカエルを見つけると、からかわれた時のように尻から飲み込むようになったとさ。
この日、まさにこの民話通り、ヘビに尻から飲み込まれようとしているカエルの衝撃的なシーン＜写真46,47＞が展開されていました。最初、姿は見えませんでしたが、まるで猫のような鳴き声のカエルが近くにいるようだということで探していると、リアル民話が繰り広げられていたのでした。
こういうとき、なぜ助けなかったという批判がよく起こりますが、これは自然の摂理に従った食物連鎖の日常の光景です。人間ごときが手を出していいわけはありません。残酷なシーンでかわいそうという感想は持ちたくないです。
よく考えてみると、「ご飯を食べる」ということは、「生物（動植物）の命をいただく」ということです。改めて、ご飯を食べる前の「いただきます」や「ごちそうさま」という言葉の意味合いをかみしめ、食材となったものに対し、敬意と感謝の気持ちを込める必要性を感じた瞬間でもありました。
ウシガエルの最期を見届けることなくその場を離れ、「まあ、自然の摂理やからな。」と言うと、ほっとしたのか、連れが話し始めました。
子供のころ、動物番組でライオンがインパラを捕らえて食べるシーンが放送され、出演者たちがかわいそうだと泣いているのを見て、そう思わなければならないのかと驚いたことがあったそうです。捕食シーンで食べるのはひどいとか、食べられるのはかわいそうだとか思えないことをずっと黙ってきたといいます。
「人としては間違ってんねん。でも、かわいそうとは思いたない。アタシ、人である前に生き物でありたいねん。」
神様もおっしゃいました。「生き物を食べて生きるという事は、自分も食われるということだ。」と。人間は食べられて死ぬことはほとんどないためか、食物連鎖の外にいると思いがちです。食肉用の家畜は人間が食べるために神様がお作りになったのだという主張を耳にしたことがありますが、誰かに食べられるために生まれてきた生き物はいません。みんな生きるため必死に他者を食らい、相手への同情は持ちません。それが生きるということだからです。また、いつか自分が食われても、それを運命と受け止めて死んでいくのです。
食べるのは残酷で自分が生きることしか考えていないえげつない行為だと思うのは、人間だからです。連れによれば、人間は「自然界のはみ出し者」なのだそうです。片足を自然界に突っ込み、もう片方は人間社会に突っ込み、ともすれば人間社会に大きく傾いて自然界から足を引っこ抜く寸前までいってしまうバランスの悪い生き物。人として生きることと生き物として生きることが合致しないことも多く、この自己矛盾を自覚してしまうと、生きるとは何なのかと悩み苦しむことになります。
山に行くのは、そこが故郷だから。自然界に足を突っ込み直し、バランスをとるため。そして、改めて自分が食物連鎖の一員であることに気づき、食事の前には「あなたの命をいただきます。その代わり、あなたの分も精一杯生きます。」と約束するのです。
精一杯生きるとはどういうことなのか、食べられた生き物たちが納得してくれる生き方ができているのか、悩むことも多々ありますが、とにかくこの日、この時間、生きていること、それが生き物として最低限果たすべき務め。あのヤマカガシも、我々も、天寿を全うすべく今日もこうして生きています。みんな、ありがとうと思いながら。そして、死ぬときにこう思いたいです。誰かの命になれてよかったと。
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