記録ID: 7268898
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ハイキング
富士・御坂
新倉山【疫病との闘いと祈り】
2023年06月07日(水) [日帰り]


体力度
2
日帰りが可能
- GPS
- 02:55
- 距離
- 4.7km
- 登り
- 449m
- 下り
- 439m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【葭池温泉前駅~新倉山~御殿】 駅を降りて踏切を渡り、高速道路をくぐった先に登山口があります。登り口が分かりにくい場合は、遠回りにはなりますが国福大神宮まで続く舗装道路を通行してください。地元で「お面様」と呼ばれ、疫病から人々を救ったとされる神社です。 祠の裏手から尾根にとりつくと、明確な登山道が新倉山浅間神社からの登山道との合流地点まで続きます。途中に眺めのいいところはありませんが、途中にある山神社のあたりは傾斜が緩やかになり、一息つくのにちょうどいい場所です。 「テレビ塔」と呼ばれる古いアンテナ跡で、浅間神社からの登山道と合流すると、すぐに新倉山の山頂。ここは眺めがよくありませんが、5分ほど先に進むと、御殿と呼ばれる展望台に着きます。狭いながらも富士山は正面に望め、都留市や丹沢、奥多摩方面は広く開けており、木製デッキもあるのでのんびりできます。 【御殿~旧アヤメ群生地~白王社~下吉田駅】 新倉山浅間神社に向かう登山道を下ります。途中にある「ゴンゴン石」は、大きな岩に穴が開いた不思議な形。この穴に頭を入れると、なかで「ゴンゴン」と音がすると言うのですが…。 下り坂は危険な箇所はありませんが、ときどき急な場所があるので、スリップなどに注意してください。送電鉄塔の脇を抜けると、ネットに囲まれた原っぱに出ます。数年前まではアヤメの群生地として、咲き誇るアヤメと富士山の景色を楽しめる場所でしたが、いつしかアヤメは顔を出さなくなってしまいました。鹿の食害のせいとも、盗掘や踏みしめによる土壌の変化のせいとも言われています。 群生地から少し下ると、左手に「白王社」と書かれた分岐があります。分岐を左に下りるとすぐに墓地があります。こんな山の中に墓地?と思いますが、墓石をよく見るとどれも同じ明治の年のもの。この年に富士吉田に蔓延したコレラで亡くなった方々の墓、と言われています。 坂をどんどん下ると、白王社という祠にでます。ここは疫病や農作物を病害虫から守ってくれる神様。祠の前からも富士山がよく見えますが、ここを訪れる人はまれで、静かな富士山を楽しめます。 白王社から麓へは急な下り坂。慎重に下りきると、富士吉田の住宅街に出ます。 下吉田駅まで帰る前に新倉山浅間公園の展望台に立ち寄って、観光客に人気の忠霊塔と富士山の景色を楽しむのもおすすめです。 |
その他周辺情報 | 【葭之池温泉】 営業時間:9:00~21:00(水、年末年始休) 安政3年(1856年)創業の温泉。湯治場なので、シャンプー、ボディーソープ類の設置はありません(販売あり)。小さいながらもむき出しの梁が歴史を感じる浴室、田舎に帰ったようなのんびりとした雰囲気の大広間でいただくうどんがおすすめ。 【コンビニ等】 コース上に買い物できる箇所はありません。 ゴールの下吉田駅にローソンがあります。 【トイレ】 駅を含め、コース上にトイレはありません。 新倉山浅間公園内にトイレあり。 |
写真
御殿からの眺め。展望デッキもあります。広場になっているので長めの休憩におすすめです。新倉山の山頂は木々に囲まれて眺望はありません。
反対側は都留市の街や丹沢、奥秩父の山々のパノラマ。
反対側は都留市の街や丹沢、奥秩父の山々のパノラマ。
山の中なのに、お墓がいくつか集まっている場所があります。日付を見ると、どれも明治19年7月下旬から8月上旬にかけてのもの。
この時期、この地域ではコレラが流行し多くの方が亡くなったそう。当時のコレラは致死率が高く、隣の谷村(今の都留市谷村)では1ヶ月で100人以上が亡くなったという記録もあります。母親と娘2人が一緒に埋葬されたと見えるお墓もあり、疫病がいかに猛威を奮っていたかが垣間見られます。
この時期、この地域ではコレラが流行し多くの方が亡くなったそう。当時のコレラは致死率が高く、隣の谷村(今の都留市谷村)では1ヶ月で100人以上が亡くなったという記録もあります。母親と娘2人が一緒に埋葬されたと見えるお墓もあり、疫病がいかに猛威を奮っていたかが垣間見られます。
感想
【ゴンゴン石】
新倉山の中腹、登山道脇にある穴のあいた大岩。穴に頭を入れると、ゴンゴンと音がするという言い伝えがあります。
名前の由来を地元の人に聞くと、昔は麓の街の機織りの機械の音が反響して、それがゴンゴンと聞こえていたとか、このあたりの訛りで「ゴウゴウ」という音を「ゴんゴゴんゴ」と発音するところから、とか、色々な説があるよう。
ちなみにこの地域では富士山の五合目のことを「ごんごうめ」と発音するので、後者の説が有力?
【葭之池温泉】
江戸時代の1856年から続く温泉。古くから湯治場として賑わっていたそう。毎年1月、下吉田の小室浅間神社において行われる800年以上続く筒粥神事。その際には、温泉の前にある池の葦を使い、様々な農作物や蚕、富士山の登山者数を占います。
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