11歳児とゆく奥多摩から奥武蔵へ急登でもライトな棒ノ折山


- GPS
- 04:32
- 距離
- 6.7km
- 登り
- 675m
- 下り
- 794m
コースタイム
天候 | 曇りときどき小雨(下山後晴れ) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
奥茶屋登山口~山頂:危険個所等なし、まったく荒れていない 山頂~滝ノ平尾根:木の階段が壊れている。下の方は木の根がたしかにすさまじく雨でぬれているとちょっと怖い さわらびの湯周辺:登山口から温泉までの間、ルートにしたがうと「立入禁止」と大きく書かれた坂を通ることになる。念のため大回りして回避 |
その他周辺情報 | さわらびの湯 5年ぶりに来たけどやはり心地いい。大きな休憩スペースがまたうれしい |
写真
感想
10月1日は都民の日。こういう、平日の学校休みはふだん混んでいる山に行くチャンス。
御嶽駅から岩茸石山経由で棒ノ折山まで歩いてみよう。さわらびの湯に入ろう、ということで早起きしておにぎりを作り、ねむい息子を早朝の中央線・青梅線に乗せた。
でも、ちょいと息子さんの調子がすぐれない。山歩きはしたいけど、長いのはつらいかな、という。御嶽→棒ノ折だとヘビーすぎるか、ではもう少し軽いところに変えよう。
と、調べたところ御嶽駅のひとつむこう、川井駅からバスで棒ノ折山のすぐ下まで行けるらしいとわかった。強烈に本数の少ない路線だけど、ちょうど今なら少し待てば乗れるようだ。
川井駅で降りる。小さな集落の高台にあるかわいらしい駅。ここでまず朝ごはんのおにぎりをいただくことにする。
バス停は、駅から国道におりて信号を渡ったところにある。早めに向かってみたけれど、まだ秋になりきらない強い日差しがアスファルトに照り返してやたら暑い。しばらく駅に戻って待つ。
9:44発、清東橋ゆき西東京バス。我々以外の乗客を乗せることなく、小さな谷を山奥へと進んでいく。15分ほどで終点に到着。完全貸切は久しぶりで楽しかったけど、大丈夫なのかなとちょっと心配になった。
清東橋バス停のところには、不釣り合いなくらいにキレイなトイレがあった。OPT(Okutama Pikapika Toilet)というプロジェクトがあったらしい(2023に解散?)。登山道の道沿いにもうひとつキレイなトイレがあった。尊い。
清東橋は目立たないくらいに小さな橋、そこから北、山奥方向に進む。キャンプ場がいくつかある。中茶屋、百軒茶屋、奥茶屋と続くが、気になるのはその名前。こんな山奥に茶屋があったということなのだろうか。それも百軒。
奥茶屋キャンプ場のところに道しるべ、ここが登山口だね。橋を渡って、山登りスタート。
まず目に飛び込んでくるのが、大きなワサビ田。棚のように段々をつけてある。その横を、沢を縫うように登っていく。しばらくはワサビ田の横を歩く。東京都でワサビが作られている、ということにまずびっくり。少しばかり売ってくれないかな。
9月が終わったばかりで気温が高い。空は曇り始め、小雨もパラつく。沢沿いの道が蒸し暑い!!!! 小さな滝なんかがあるので、タオルを浸して首に巻く。
土にたまに白い石が混じっている。拾いあげてみると、どうやら石英っぽい。こんなところでも石英がとれるのね、思いがけずうれしい。
登山道のわきにおじぞうさんがいる。ここで道はほぼ直角に左に折れ、ワサビ田や沢とわかれて高度を上げていく。息子は気になるものを見つけた。オナガグモ、草の枝にしか見えない擬態の達人。ピシッと黄緑色の手足を伸ばし、ちゃんと似た枝をもつ草にくっついている。いろんな生き物がいるねー、とふたりで感動。
道が右に折れると、そこからは頂上までほぼ直線の急登。つづら折れになっていないので角度がけっこうある、こういうところはさすがマイナールート。体をガンガン動かすから、正直めちゃくちゃ暑い。暑さよけ休憩を何度かはさむ。
道端に黄色い棒状のキノコが生えているので息子に「何だろう?」と聞いたところ「ナギナタタケだよ」と即答された。さすがである。
どこからか、ヤッホー!という若い男子の声がする。息子は楽しそうにヤッホーと返す。直線的な急登をたんたんと登る。息子はこういう、斜度のきつい道が得意。やがて空が近づいた。広場に出た、ここが棒ノ折山頂。棒ノ折山に登ったよ。
川井駅を出たときには夏のなごりの強い陽射しが降り注いでいたけど、山頂は真っ白な雲の中。晴れた日には関東平野が一望できるので人気の山、ということだけれど、今日は視界ゼロ。しかたないね、またいつか晴れた日に登ってみよう。
あずまやでスナックをかじる。息子はそんなにおなかがすいてないからお昼ごはんはおりてからで大丈夫、という。同じあずまやには中高生とおぼしき男子、みんなで登ってきたらしくワイワイ言いながらカップ麺を作っていた。あんなふうに友達みんなで山登りできたら楽しいだろうな、と息子。
さて、ふもとでごはん食べるならそろそろおりよう。久しぶりのさわらびの湯も楽しみ。山名の案内板で本当は何が見えるはずだったかを確認し、温泉にむけて下山開始。
権左入峠まではごくゆるやかな下り坂、こっちから登っていたら気持ちよさそう。息子はダッシュで駆け抜けて、あっという間に峠到着。
(本来こっちから来る予定だった)御嶽方面の道とわかれてさわらび方面へ。そこそこ急な下り坂に、丸太の階段がついている。が、これが土砂の流出でかなりメチャメチャになっている。アスレチック感を楽しみながら丸太を飛びながらおりていくと、終点(登る人から見える向き)に「丸太階段は使わないでね」と書いてあった。上にも書いといてよね!!
道にツルツルのチャートが顔を出している。伊豆ヶ岳がチャートの山だったけれど、ここも埼玉側はやはりチャートなのか。チャートということはここはかつて海だったところ、石英(火山活動のしるし)があった東京側とはまた違うんだね。
坂の下に大きなベンチがあるのでひと休み。高度が下がって暑い。
ほどなく、岩茸石の四辻に到着。左に行くと白谷沢コース、滝が見られるというけど次回にしよう。今回は直進して滝ノ平尾根コースへ。
四辻の向こうに大きな岩があり、その横を通り抜ける。これが岩茸石か。今日登る予定だった高水三山のうちひとつが岩茸石山だけど、そこになにか共通点があるのだろうか?
岩茸石からはとてもおだやかな林のなかの道。息子さんは上機嫌で軽快に進む。道は林道とクロスし、少々登りかえす。息子が少し文句を言い出したところに、この日いちばんの発見があった。
山でキノコを愛でてきた息子がいちど見てみたいと願っていた超猛毒キノコ・カエンタケ。そのカエンタケが道端にひょっこり顔を出していた。小さい頃から夢見ていた出会いに、大喜びの息子さん。猛毒の持ち主として有名になってしまったカエンタケが悪い人に折られたりしないようにと祈りつつ進む。
名こそないものの、ここは尾根上の小ピークになるらしく、展望台があった。ただし木造のそれは老朽化でもうダメらしく、立入禁止になっていた。そのわきから眺めると、なかなかいい景色。本来はこのコースのよきひと休みポイントだったのだろう。
このあと林道とさらに2度クロス。そこから、悪名高い「根っこだらけ」ポイントが始まった。猛烈な量の木の根っこが道を埋め尽くしていて、下り坂でもやたら歩きづらい。こちら側に雨は来なかったらしく乾いていたけれど、これで小雨でも降ろうものなら滑って危ない。コケないように慎重に進む。
根っこポイントを通過すると、登山口はもうすぐ。大量に置かれた杖の枝を横目に進むと草地に到着。ここが登山口っぽい、おつかれさまでした。ここで息子がキンモクセイの香りをかぎとる。家族内対抗キンモクセイ香りかぎレース(その年いちばんに誰がかぐか)は今年も息子の優勝となった。
登山口からさわらびの湯はすぐ、、、かと思ったが、ヤマレコのマップで通過ルートになっている温泉直下の坂道には「立入禁止」とでかでかと書いてある。仕方がないので民家のあいだを通り、お寺のほうから回り込む。ちょっと遠回りしたけれど、さわらびの湯に到着。本日の山登りはここまで!
伊豆ヶ岳からおりてきて入って以来、5年ぶりぐらいか。相変わらず気持ちのいい温泉だった。
おりてきたらごはん、と思っていたけれど、息子はもう腹ペコのピークは過ぎてしまったという。温泉から出たら何か食べようか、と言っていたが、気持ちがよすぎて長風呂してしまいバスの時間ギリギリに。バス停までダッシュするハメになってしまった。ごはんはちょっと無理。
「ノーラ名栗・さわらびの湯」バス停に着いたのは発車時刻数分前。息を切らせて待っていたが、バスは結局10分くらい遅れてきた。
前回ここに来たときはバスに乗ったとたん寝てしまった息子だが、もう5年生なので景色をそれなりに楽しんでいる様子。小1時間かけてバスは飯能駅に到着した。
もうお昼ごはんという時間ではないので、駅ビルのミスドでドーナツをいただく。そして。
息子がずっと憧れていた、西武特急LaView。池袋までこいつに乗るのだ。池袋まであまりアクセスのよくない我が家、ラビューに乗る機会を得られずにいた。思いがけず望みのかなった息子さん、すごくうれしそう。
お菓子(とおとうさんにはビール)を買って乗り込む。大きな窓から武蔵野の平地がよく見えて、どこか遠くまで旅に来た気分になれた。
1日かけてぐるっと東京から埼玉を回ってきた都民の日。思ったより、発見と楽しみ満載のアドベンチャーになった。
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