二の谷〜小秀山〜三の谷
長野県
岐阜県
yukicchi7
体力度について
- GPS
- 15:29
- 距離
- 35.0km
- 登り
- 1,738m
- 下り
- 3,016m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 5:29
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 6:08
- 山行
- 4:03
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 5:10
当初は北陸のブナの森を・・・と考えていたが、どうも天気との折り合いがつかない模様。
高速バスのチケット予約間でしていたが、いたし方あるまい。
目的地を変更、舞台を北陸から岐阜へと移し、目指すは御嶽の好展望の山として知られる「小秀山」へ。
何でも、今年その山頂に避難小屋が新たに新築されたそうだ。
そこに泊まって、雄大な御嶽山の姿を拝むとしようか。
のんびり歩くにはちょっと急峻な気がしないでもないけれど、バスを乗り継ぎ、舞台峠から
深まる紅葉を期待して、小秀山へと歩き始める。
| 過去天気図（気象庁） | 2010年11月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
|
感想
小秀山に登って、山頂の山小屋に泊まろう
山のニュースで、今年の夏、小秀山の山頂に新しく避難小屋が建設された事を知った。
何でも、小秀山から眺める御嶽山はまた格別のものがあるらしい。
ならばその小屋に泊まって、朝の御嶽山を眺めてみようではないか。
ところで、「小秀山」ってどこにあるの？
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小秀山は阿寺山地にある標高1982mの山。
岐阜県の旧加子母村（現中津川市）と長野県の大滝村にまたがっている。
旧加子母村の最高峰である。
主な登山ルートは、加子母の乙女渓谷キャンプ場から変化に富んだ二の谷ルートと、
キャンプ場の更に奥からの平凡な三の谷ルートがあり、大滝村側からも登山道があるそうだ。
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フムフム。ならば、二の谷ルートでのぼりを楽しんで、帰りは三の谷ルートで余韻を楽しむとするか。
では、登山口にはどうやって行けばいいのかな？
調べてみるとJR中津川駅から加子母行きのバスが走っている。
さらに登山口のキャンプ場に向かうためには、そこから下呂行きのバスに乗り換えて、
下呂と加子母の境界の「舞台峠」まで行かなければならない。
舞台峠からキャンプ場までは徒歩約一時間。思ったより遠いなあ。
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名古屋駅7:00発の「ワイドビューしなの」に乗り、中津川到着は7時48分。
ここで7時53発の「北恵那バス」に乗り、一路、加子母を目指す。
辺りは霧に包まれていて、肌寒い。道路に表示されている外気温は「8度」と表示されている。
走り続けていくうちに霧は晴れ、色づき始めた山々の木々が目に入ってくるようになる。
8時54分、加子母総合事務所（旧加子母村役場）に到着。約一時間のバスの旅。
ちなみにここまで乗車人数は片手に余る程でした。
ここで、下呂行きのバスに乗り換えるのだが、時間がまだずいぶんとある。しばらく散歩をするとしよう。
ここの道路の気温表示は「7度」 寒いねえ。
のどかな雰囲気漂う中、写真を数枚撮り歩き。
そうこうするうちバスの時間がやってきた。
9時33分、今度は「濃飛バス」で舞台峠を目指します。
加子母から10分とかからず、舞台峠についた。峠の向こうはもう「下呂」である。
ここにも道路に気温標示板が設置してある。ただいまの気温は「6度」だ。また一段と冷えたものだ。
さて、キャンプ場まで歩くとするか。
途中、「加子母の大杉」を見学。でかい杉の木だ。
「高さ30.8m 目通り13.0m 根回り20m」と説明されている。
安産祈願に前掛けがいくつも奉納された木像が置いてあったりするが、
僕はいつもの如く安全登山の祈願をしておこう。
11時、ようやく乙女渓谷キャンプ場に着いた。
駐車場には車はなく、しんと静まり返った中に、沢のせせらぎだけが響いている。
さて、着替えて準備運動。遅い登り始めだけど、今日は山頂まで。のんびり行こう。
「デッキウォーク」で滝めぐり
キャンプ場の管理棟下の本谷にかかる橋を渡り、二の谷ルートに入る。
まわりは紅葉真っ盛りのようであるが、空に雲が増え、日差しが消えた。
道自体は道幅の広いデッキウォークが続く。
次々と現れる滝や渕を、横から、はたまた上空から眺めてみてまわることが出来、快適。
ただし、濡れた落ち葉に足を乗せてしまうと、するりと足が滑る。
デッキには滑り止めがつけてあるが、もっとデッキ一面に金網を貼り付けるといいかもしれない。
「乙女渕」や「ねじれ滝」、「和合の滝」に「天狗岩」と次々見所が現れる。
まだ木の香りの残る「避難小屋」が現れる頃、時刻は12時近くになった。
そろそろお昼にしようか。空を見上げると、むう〜、雲が厚くなってる。雨が降りそう。
それでも、閉塞感いっぱいの小屋の中よりは、自然を眺めながらの食事のほうがおいしくなるだろうと、
二の谷最大の見所である「夫婦滝」までがんばることに。
夫婦滝は男滝と女滝とで出来てるのだが、その男滝を見上げる流れに降りて昼食に。
男滝の落差は焼く80m。なかなかの迫力。それを見上げながらの食事は乙なもの。でも寒い。
朝、握ってきたおにぎりもずいぶん冷たくなってしまって・・・
食べる姿勢もヤンキー座り。ぜんぜん寛げてません。
二の谷ルートは甘くない
夫婦滝から先は木道はおしまい。いきなり急な斜面を登ります。
夫婦滝上部で「子滝」を上流に見ながら丸木橋で沢を渡り、少し巻いた後、
再び沢に出ると、今度は橋もなく、沢伝いに上流へと向かいます。
「孫滝」を見ると、ここで沢歩きはおしまい。
また急な道を登ります。それこそ枝やら岩やら根っこやらを掴みながら・・・
なお、ここ孫滝が最後の水場。避難小屋で夜を明かすのだという人は、ここで水を汲むが吉です。
「第一〜第三展望台」と眺めのよいらしい岩場や「鎧岩」と名付けられた大岩の脇を通ったりしますが、
このときすでに天気は下り坂。
展望台の上では真っ白なガスの中で、おまけに空から何か降ってきました。雨ですか？霙ですか？
まわりは笹と針葉樹林となり、色合いも益々少なくなってきました。
第三展望台を過ぎ、ようやく傾斜が緩んだかと思ったら、実は今ルート最大の難所が待っています。
「カモシカ渡り」
何ですか、いじめですか？
もう垂直です。
岩や枝やらを掴みながら、細い尾根を上るのです。
なんだか見えない梯子を上っているようです。
もし、こんな天気で、間違って下りにルートを取ってしまった日には、泣いてしまうかもしれません。
御嶽山はどこへ
難所のカモシカ渡りを過ぎるとようやく傾斜も緩みました。
笹と樹林の中をようやくのんびりと歩いていけます。
「国有林境」（境界に切り開きがあるが登山道ではない）を過ぎ、三の谷ルートと合流します。
ここからまた急坂が現れますが、ロープも張ってあり、先ほどの難所を越えた身には驚くことはありません。
そして・・・
急に空が広がりました。（と言っても、今は乳白色の空ですが・・・）
目の前には大きな岩場。「かぶと岩」です。
嗚呼、今日の天気が恨めしい。
何も見えません。おまけに寒いです。（時おり白いものが舞うのです）
先に進みましょう。
丘のような小ピーク「第一高原」
天気が良ければ伊勢湾まで眺められると言うそうですが・・・
次に行きましょう。
緩やかな高原上の尾根は、針葉樹の森の中。
道にはぬかるみが多いですが・・・
「第二高原」は最も高原らしく、針葉樹の森の中にある、笹原の庭です。
その笹や針葉樹の葉先には、白いものが積もりつつあります。
「第三高原」は小さな丘をいくつか越え、いよいよ小秀山の最後の登りに差し掛かる所にあります。
でも、空から落ちてくるもの、「雪」は止みません。
山頂の避難小屋を目指しましょう。
15時53分、避難小屋に着きました。小屋に入りザックに積もった雪を払います。
真新しい避難小屋は明るく、清潔で、快適そうですが、今現在（そしてその後も）小屋にいるのは自分ひとり。
広々とした空間は寒々しいです。（実際、小屋内の温度計を見ると0度を示してます）
マットを膨らませ、寝袋にもぐりこみ暖をとります。
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夕食の準備も終わり、ためしに徒歩1分の小秀山山頂に行って見ましたが、天気はまったく変わりません。
ラジオを忘れた静かな室内に、パサパサと小雪が小屋に当たる音が聞こえます。
明日の天気は、果たして・・・
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嗚呼、無情
目が覚めたのは6時半。しかし寝袋を抜け出さない。
だって、寒いから。だって、天気が悪いから。
枕元に置いた腕時計の気温表示は-2度を示している。
トイレのついでに、ためしに外を覗いてみた。
積雪はほんの1cmほどではあるが、立ち込めるガスの効果もあり、白一色の冬景色。
この天気では、御嶽山を望むのはやっぱり無理か・・・
天気は回復傾向なんだけど。
帰りのバスの時間を考えると、8時半には出発したい。
予定のバスを逃すとその次は夕方になってしまう。
時間は刻々と近付いている。
小屋の後片付けをして、ザックに荷物をまとめ、山頂で粘ってみたが・・・
やっぱりだめか。
ジャスト8時30分。しぶしぶと山頂を後にする。
まあ、気分を入れ替えよう。今年初の雪景色。いいじゃないか。
木々には樹氷が育っていて、新雪の上に残すのは自分の足跡。
冬の風景を写真に撮りながら下山を進めていくうちに、ひとり、また一人と登山者が登ってきた。
「はやいねぇ」「へ〜、山頂に泊まったの？」「寒かったでしょ？」
はい、そのとおり。急な冬の到来に、僕の体は追いついてない。
かぶと岩もずいぶん近くなった時、急にガスが取れはじめる。
あっ、青空だ。
それは実に急展開。白い雪は太陽の光に輝き、麓の紅葉が黄金色に燃え始めた。
秋と冬が同居した不思議な風景。
何枚も何枚も写真に収める。こんな風景が見たかった！
劇的な展開にいささか僕は興奮気味。しかし、振り返ってみて、更に僕は衝撃的な光景を目にしてしまう。
小秀山の向こうに御嶽山の裾野が現れはじめている！
あぁ、もう一時間、粘っていたら、山頂で御嶽山が見れただろうに・・・
すれ違った登山者は、御嶽山を眺めて悦に浸っていることだろう。
なかなか計画通りに事は進まぬものである。
バスは下呂へと突き抜ける
また何人かの登山者とすれ違いつつ、二の谷と三の谷ルートとの分岐へ着いた。
下山は当初の予定通り、三の谷ルートを選ぶ。
こちらの道は急坂もなく、その代わり見所も少なく、淡々と登山道を下ってゆく。
「三の谷」ルートと名前がついているが、こちらの道はまったくの尾根道だ。
「休憩適地� 廚魏瓩�ると植林地の中の道に。
やがて、沢音が聞こえてきて、「山の神」の祠に出ると、登山道はおしまい。
結局三の谷へは沢音だけで、このあとは林道歩き。
今まで見下ろしていた山腹の紅葉を、今度は見上げながらキャンプ場へと歩いてゆく。
また、今度来るときはあるだろうか？
もし来れるなら、今度こそ、山頂から御嶽山を望みたいものだ。
途中にあった「秀宝泉」で、お土産用の水を汲む。
家でこの水を飲みながら、山中の出来事を思い返すといたしますか。
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舞台峠まで歩いて戻り、再びバスで、今度は下呂まで向かいます。
下呂温泉で汗を流そうかと思いましたが、今日は祭日。JRのイベントと重なり、町はすごい人手です。
今朝見た山上の風景は正に夢のよう。
結局、30分後の臨時快速で家路につく、人込み嫌いな僕なのでした。（おしまい）
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