五葉山《日本三百名山》
岩手県
山キチどん
- GPS
- --:--
- 距離
- 25.1km
- 登り
- 1,805m
- 下り
- 1,448m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2007年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
下山口：JR釜石線上有住駅 |
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感想
釜石は遠い。京都を夜発ち朝に着くには、東京まで新幹線で行き夜行バスに乗るしかない。福知山の出張から帰宅し、大急ぎで出発した。バスは順調に走り釜石市野田の甲子川沿いにある岩手県交通の釜石営業所には17分早着した。国道283号線を2.3�勸�き返し左に折れて鍋倉峠への林道に入った。舗装道路を3.7�卻發�間、車はまったく来なかった。標高差370m余りを登り鍋倉峠に達すると舗装道路と分れ荒れたダートの林道に分け入った。林道は軈て登山道となるが踏み跡らしきものはない。稜線へと這い上がり西へと進むと真新しい赤テープが頻繁に出て来た。見ると地面には釜石市国土調査の黄色い標識、恐らく今年実施されたものだろう。略稜線に沿って頻繁に出てくるのでよい道標になった。
国土調査とは色々な種類があるが、主に市町村が行うのは地籍調査と云われるもので、最終的には法務局の登記の地図に使われる。今回はこの調査に救われたようだ。地形図には確りと登山道が記されていたが略完璧に笹に覆われ踏み跡も定かでない。藪を漕いで林道を横断し鍋倉山(695m)に至るが展望はおろか山頂を示すものは何もなく人が訪れていない寂しさだけが覆っている。
山頂を越え500m余り進むと、稜線南側に林道が出てきた。鍋倉峠で分れた舗装道路の果てのようだ。林道を見送り稜線を外れずに進んだ。P774を越え700m程進んだ処で左側から明瞭な踏み跡が合流してきた。これが楢ノ木平からの登山道のようだ。鳩ノ峰(943m)も展望はないが、踏み跡があるだけのことはあって、山頂標識もあり嬉しい。ここから北に分岐する道は釜石線の洞泉駅に至る道だ。縦走路をまっすぐ進むと傾斜が増し、岩混じりになってきた。踏み跡があるとは言え結構笹が被っており歩き易いとは云えない。突然出てきた奇妙な木、その名も「七不思木」。なんと七種類（ヒバ、ネズコ、コメツガ、アオタモ、コヨウラク、ツツジ、ナナカマド、ダケカンバ）の木が絡みつくように育ちあたかも1本の木から枝分かれしているように見える、なんとも不思議な木だ。傾斜が急になり乗り上がった処は「稜線」と標識がある。五葉山の北東、山頂域の稜線に達し、岩場で始めて展望が開けた。
山頂域の稜線歩き15分程で日の出岩に達した。ここが五葉山の最高点(1,351m)だが五葉山の文字は見当たらない。大きな岩があるだけで拍子抜けだ。さらに進むと1等三角点「五葉山」のある本当の五葉山(1,341m)山頂に達した。立派な山頂標識が立っており一般的にはここが山頂とされているようだがあくまでも“五葉山”は日の出岩が最高点山頂だ。小広い“山頂”は方向指示板も設置され、高山植物保護のためのロープが張られている。ここは花の百名山に選定されており、春にはハクサンシャクナゲが一面に咲く。
晴れていた空には雲が多くなり、山頂では薄いガスが飛び始めた。遠野市の北方にある早池峰山も判別できなくなった。時折流れてくるガスで目の前の愛染山すら時折姿を隠してしまう。山頂から南西に少し下ったところに日枝神社の社殿があり、一組の夫婦が休憩中だった。初めて出会った登山者で声を掛けたかったがそこまで行くのが面倒で会釈だけで行き過ぎた。日枝神社の先で90°右に折れ荒川の谷へと降りて行った。愛染山に向かうが釜石線の列車の時間、上有住16:25は絶対で遅れるわけには行かない。愛染山から大祝に下り大きく迂回して上有住に達するしか登山道は無いようで時間的に一寸厳しい。そうなると荒川沿いに大松へエスケープするしかない。
五葉山を巻き込むように笹の被った登山道を最初はトラバース気味に進んだ。五葉山を発した沢を幾つも横断し水には不自由しない。沢の中に道が入ったりしながら白樺尾根を下るが倒木が多く通過に苦労した。巨木が完全に道を塞ぎ大きく迂回を強いられる部分もあった。地図では登山道は白樺尾根を離れ北へと振れて行くが愛染山への短絡路は無いものだろうかと探すが無理なようだ。そして「林道」と標識のある箇所に出るが、その道は完全に失われかつて道であったことさえ判別できない状態になっていた。更に下ると小父さんが独り植木剪定用大きな鋏を持って作業中。去年の台風で荒れた登山道修復を行政に言っても見向きもしてくれないので内緒で登山道を整備しているという有難い人だった。愛染山の情報を聞くと北の尾根に箱根峠に下りる明瞭な道があるとのことで愛染山に登り上有住へ下山することができそうだ。そして先程の林道跡から愛染山への鞍部へトラバースする踏み跡があるらしいがこれはもう手遅れだ。
大松への分岐点（標高825m）まで下り荒川の上流の谷を五葉山・愛染山鞍部（標高919m）まで登り返す。最初あった踏み跡も途切れ、それらしい所の藪を漕いで登った。上空の雲は取れすっきり晴れた。暑くてバテてきた。漸く鞍部に達するとへたばり込むように休憩、エネルギーを補給すると少し回復し、気を取り直して愛染山の斜面に挑んだ。この先も踏み跡は全く無く相変わらずの藪漕ぎ。標高差100m余りの急登でP1044に達した。愛染山が円錐形に美しく見えるがまだ遠い。
3つ顕著なピークを越え最後の登りとなるがこれも厳しく藪漕ぎが続いた。漸く愛染山(1,228m)に達すると山頂標識と3等三角点「愛染山」が優しく迎えてくれた。「愛に染まる山」とは何ともロマンティックな名前だ。南側の展望が開け五葉山が素晴らしく望めた。暑さは厳しく、五葉山から3時間弱、悪路で意外に時間が掛かった。列車の時間まであと1時間40分しかない。距離は6.7�甸萃イ辰胴澆蠅茲Α�
箱根峠へはあの小父さんが言ったように明瞭な登山道があり今までで最も歩き易い。道半ばから尾根の西側をトラバースし箱根峠に達した。箱根峠は愛染山登山口の標識もありメインの登山道であるようだ。県道167号線が越えているが随分荒れていた。上有住付近の県道入口にはゲートがあり車は入れない。県道歩き50分で上有住駅に到着。列車の16分前だった。
上有住は滝観洞（ろうかんどう）のあるところとして洞窟マニアには有名なスポットらしい。随分昔に宮古YHに泊まった時、「いいよ」と教えられ名前は覚えていた。今回も立寄る時間は無いが一度は行ってみたい洞窟だ。陸中大橋から仙人峠を越えて花巻行きの2両編成のワンマンカーがやって来た。新花巻の駅レンタカーにお願いして受取って貰った荷物を受取り、明日の森吉山登山口である北秋田市（旧森吉町）のこめつが荘へと167�卅�った。
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