東海自然歩道 田貫湖(静岡県)〜上佐野(山梨県)ハイキングを舐めるなピエンそしてリタイアで得られたものとは【長者ヶ岳】


- GPS
- 05:01
- 距離
- 10.7km
- 登り
- 753m
- 下り
- 1,022m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
・富士宮駅〜田貫湖南バス停 S6 7:35発猪之頭行き ・本村〜なんぶの湯 南部町営バス なんと100円で乗れてしまう。平日・土曜のみ運行。 ・JR身延線内船駅〜甲府経由帰京 内船駅は無人駅だが「特急ふじかわ」が停まる。切符の購入ができないので(IC改札もない)、車内で購入。 なんぶの湯から内船駅まで徒歩3分くらい 南部町バス https://www.town.nanbu.yamanashi.jp/kakuka/koutsuubousai/bus-nanbu.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
このエリアも記録的な雪の影響を受けたのか、積雪1〜5センチ。新雪。 長者ヶ岳までは危険個所なし 上佐野分岐〜上佐野の6キロ(ダダ下り)は、危険個所だらけ。そもそもこの区間は崩壊が多いらしいがこの日はさらに雪で難易度高く、我々は装備不足(チェンスパなし)のため、ペースダウン&消耗した。 雪に埋まって踏み跡が見つけにくく雪の下が岩なのか落ち葉なのか、安定しているのかしていないのかわからない、土砂崩れ箇所が多い、土砂で桟道が埋まっている、桟道が落ちている、幅員が細い…。危険個所にトラロープはあるけど、歩きなれない人にはおススメできない。 新雪だったのでまだ突破できたが凍っていたら無理だった。 (詳細は感想をご覧ください) |
その他周辺情報 | なんぶの湯 https://www.nanbunoyu.com/ 最高かよ |
写真
感想
記録的な大雪が見込まれるとニュースが伝えていた。
しかし、さすがに静岡県にはその猛威も及ばないだろうと、私たちは一旦は手にしたチェーンスパイクを棚に戻し家を出た。
富士宮は、河口湖に比べインバウンドの姿は少ない。田貫湖へ向かうバスには、地元の方と我々を含む登山客がちらほらと座っているのみだ。
前回の最終地点である、田貫湖北岸の長者ヶ岳登山口から登り始める。登山道にはすでに踏み跡があり、新雪のため、凍結のような歩きにくさはない。木々の間から右手に毛無や竜ヶ岳の姿が見える。あちらの方が少し雪が多そうだ。途中、手袋を片方落としてしまったが、親切な後続のハイカーが拾ってくれた。
山頂に着くと、ベンチがあり小休止。田貫湖ごしに雄大な富士と反対側には南アルプスの稜線が見えた。気温はマイナス一度、思ったほど冷え込んでいないし、風もなかった。
このまま天子が岳に寄るか迷ったが、今日はここからまだまだ先が長い(井出まで行く予定だった)ので、上佐野への分岐をおとなしく下ることにした。
この先の雪の上にはまったく踏み跡がなく、そこそこ急斜面で、スパイクを持たない我々がこのまま進めるのか少し不安になる。おまけにこの区間には、聞くところによれば、崩壊があるらしいではないか。そこまで雪が深くないことと新雪でやわらかいことを考え、どうにか進めるのではないかということになった。
東海自然歩道は、天子が岳の西面を巻きながら上佐野まで約1000mだだ下っていく。ところどころに立っている年季の入った標識だけが、ここが登山道だということを静かに伝えている。おそらく歩く人も少ないのだろう、獣道かと思うような、もともとの踏み跡すら薄そうだ。雪の上からも斜面が崩壊したような形跡があちこちに見て取れる。噂にたがわず、この区間の崩壊は激しい。正直、これまで東京方面から歩いてきた約100キロの東海自然歩道の中で状態は最も悪い。(だが一方で、例えば整備されまくったぴかぴかの道を歩けば果たしてそれは楽しいのだろうか等考えさせられた)
もともと細い道の上に崩れた土砂が乗っかりほぼ足場がないような所や、崩れて桟道が落ちている場所、落ちかかっている場所など、緊張が続く。(チェーンスパイクがあったらもっと楽に越えられただろう)
崩壊地を抜けるのに気を使うが、ルート自体は至って単調で展望といえば周囲の低山(時折南アルプス)、この道を登りで使う人がいれば、心理的につらいものがあるかもしれない。
だいぶ標高が下がり、終わりが近づいていることを感じながら登山道を曲がると目の前に急に茶畑が広がり、歌謡曲が耳に飛び込んできた。暖かい日差しに照らされ、あまりののどかさに一瞬ぽかんとしてしまう。上佐野は山間の小さな集落のようだ。
集落の中心に向かって歩みを進めると、バス停が現れ、JR身延線の内船駅からここまでバスが来ていることを知る。運よく、もうすぐバスが来そうだった。約1000mの下りでだいぶ膝に疲れがたまってしまったし、心理的にも疲労したので、ここ上佐野の集落で途中リタイアすることにした。
まだ少し時間があるのでバスが来る方向にぶらぶらした。集落の中心は坂の上にあった(本村バス停)。そこで、茶箱を掃除していた住民の方と少し話をしているとバス(ワゴン車)がやってきた。
上佐野の人たちは「東海自然歩道」という言葉を知っていた。東海自然歩道を歩いているハイカーもちらほら現れるらしい。東海自然歩道は人気があるのですかと尋ねると、もう終わりの方(下火という意味か)だと言う。バスの運転手さんに聞けば、20歳の頃、東海自然歩道が出来たらしい。モトクロスを持っていて走りに行ったという話を聞かせてくれた。東海自然歩道の生き字引に出会えた。
途中、天子湖(柿元ダム:日本軽金属という企業のダム)のことや、アルミを作るのに大量の電気が必要でダムが建設されたこと、土地の風習(どんど焼きにつかう「やなぎ」という依り代)を教えてくれたり、富士山の見えるスポットでスピードを緩めてくれたり、とても親切な方だった。このバス、山間の上佐野と富士川左岸の内船とを結ぶ南部町営のバスなのだが、なんと利用料は100円。町民でなくても100円で利用できた。タクシーに乗ると5000円するという路線を運んでくれる、申し訳なくなるような町営サービスだ。
最後に「なんぶの湯」という温泉に下してもらい、冷え切った身体を温めた。なんぶの湯には、温泉のほかに広い飲食(美味しい)提供スペースや読書(漫画)スペースがあり楽しめ、上佐野でリタイアせずに井出まで行っていたら、分からなかったことが沢山あった。
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