戸隠山 九頭龍山 南東面 中央ルンゼ(仮) 初滑降


- GPS
- 06:46
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 950m
- 下り
- 878m
コースタイム
天候 | 午前中冬 午後から春 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
写真
装備
個人装備 |
ショベル
ビーコン
プローブ
アイゼン
ピッケル
ポール
スキー
シール
クトー
エマージェンシーシート
行動食
非常食
サングラス
ゴーグル
ヘルメット
ヘッドライト
予備電池
防寒着
コンパス
GPS
ハーネス
ビレイデバイス
長スリング
短スリング
カラビナ
環付きカラビナ
グローブ
予備グローブ
予備下着
エマージェンシーキット
|
---|---|
共同装備 |
ツェルト
バーナー
30mロープ
スノーソー
|
感想
今回滑ったラインは戸隠山九頭龍山南東面中央ルンゼと仮称する。
付近一帯には雪稜の記録はたくさんあるものの、左稜や右稜等リッジの名前が出てくるのみで、ルンゼや谷の名前は見つけることが出来なかった。どうやら定着した呼び名は無い様だ。
朝一、大洞沢は渡渉なしで一不動まで登る。
せいぜいクラストか軽いラッセルだろうと思っていたけれど、山頂までしっかり雪が付いていて、程よいラッセルに期待が膨らむ。
一不動から山頂までは細かいアップダウンや一部板を担いでのクライムダウンがある。
昨年と比べて明らかに雪が多いのはそうだけど、地形こそ埋まっているものの返って起伏の差が顕著になったように思う。尾根筋にあるキノコ雪も特大であった。
クライムダウンしたコルから山頂へ登りあげると、南東ルンゼのドロップポイントがある。こちらは良く滑られるライン。
今回滑ったラインはその隣にある、中央稜やドーム稜と呼ばれる尾根を挟んで、山頂寄りにあるルンゼだ。
ひとまず山頂を往復して辺りを偵察するがどれも中々の斜度だ。パートナーに確保してもらいながらピットチェックを経て、核心の氷瀑も今年の雪の付き方からして行けると判断。
登り返しやクライムダウンを想定してハーネス等を装着し、アイゼンはすぐ出せる場所にしまい、ピッケルを忍者挿しにしてドロップ準備。
昨年の同時期に訪れた際は、手前のルンゼでピットチェックをしようと脚を踏み入れた途端に破断した。
破断面はかなり大きく、引き返した先でも大小3発ほど雪崩を誘発して、生きた心地がしなかった…
その時の記憶が鮮明に甦り滑り出しは少しカット気味にエントリーした。
視界の先に中央稜の岩壁の迫力を感じながらターンを刻んでいくとスラフが滝のように落ちていく。
すぐに氷瀑のあるノドに到達する。氷瀑にはなんとか雪が載っていた。ジャンプを交えて通過に成功すると、安堵と同時に歓喜の雄叫びを上げた。
自分が通過するとあと1人がやっとなくらいの雪の残量になった。定員2名といったところ。
少し脇に逸れてパートナーが通過してくるのを待っていると、まだまだスラフが滝のように落ちてくる。
ノドを通過した後は、しばらく傾斜が強いままのルンゼ滑降を楽しむ。
徐々に谷が出合い地形の緊張が解けていく感覚が少し寂しい。
奇岩やキノコ雪、急峻なルンゼや岩壁を何度も振り返りながらあっという間にボトムまで降った。
帰路は奥社へ立ち寄り、戸隠蕎麦を食べて終了となった。
九頭龍山の東に面するルンゼ群には定着した名前が付いておらず滑降記録も少ない。
中央ルンゼに関しては、2013年に下部から登り上げCo1700から降りた記録はあったが、稜線から通して滑降した記録は今のところ無いので、初滑降ラインとさせていただきます。
もしそのような記録をご存知の方はご連絡いただけると幸いです。
いつも山での行動を共にしている心強いパートナーと共に、厳冬期の最後に滑り込むことが出来て良かった。
やっと相棒と滑りに行く予定を立てることが叶い、何処に行くのかいつものように話し合いが前々日から始まる。中々決まらず、結局前日の昼まで天気と睨めっこし昨年のリベンジ戸隠をチョイス。
昨年は南東ルンゼ滑降を試みたが、撤退を余儀なくされたため、リベンジかと思っていたが、相棒から今回のルートの提案を受け正直行けるのか内心不安もあった。
当日久しぶりに相棒と会い、今年の雪の多さに心躍りながらハイクを楽しむ。昨年とは違い、渡渉することなく詰めることができたので、あっという間に稜線まで出ることができた。因みに、一不動までの斜面も素晴らしく、ゆるふわでも楽しめそうです。
九頭竜山の山頂を踏んだ後、今回のラインのチェックを入念に行う。相棒がロープで核心をチェックするも、見えずドロップするか悩みに悩んだ。笑
登り返せる位置であることと、最悪はアイゼンとピッケルでクライムダウンできると判断し滑り込む。
相棒が先に滑り、無線で連絡が入る。ピッケルを直ぐに出せるようにした方が良いとの連絡を受け、背中にピッケルを忍びこませて滑る。
滑り始め、核心の氷瀑が現れる。斜度に対する恐怖はあまり感じたことは無かったが、流石にビビった。特に飛び越えセクションは気が抜けず、ミスが許されないシチュエーションに燃えた。着地した直後無事に終えられたことに安堵し、岩峰の中で叫んだのが今でも忘れられない。
雪が凄く良かったわけではないが、ルンゼ滑降をとにかく噛み締めた。景色が異次元で、この地に溶けんで、滑っていることがとにかく幸せでした。
最後は随身門で記念撮影をして、観光を楽しみました。戸隠の蕎麦も楽しめました。
今回の山行は兎に角、相棒のおかげでやり遂げることができた。相棒の山への情熱があってこそのラインです。ありがとうございました〜!
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