記録ID: 80080
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雪山ハイキング
日光・那須・筑波
男体山
2008年05月17日(土) [日帰り]
oginchan
その他3人
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 698m
- 下り
- 683m
コースタイム
志津登山口7:53〜八合目10:20〜山頂11:15〜志津登山口15:15
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
この一週間というもの宇都宮市から男体山の姿を見ることは出来なかった。週末に男体山登山を計画する身としてはかなりの不安材料。 2000mを超える山をこの時期に登るのは初めての経験。その状況は予想もつかない。 昨年10月から始めた登山SNSのお陰でレジャー登山の在り様から登山を好んでする方々の考え方なども耳にして色々と勉強して来た。自分としてはこれまで経験して来た山岳渓流釣りを視野に入れた登山から、山そのものを楽しむ登山というものを教えて貰えた気がしている。そんな登山SNSの影響もあってのこの時期に挑戦する男体山(2486m)なのだ。 とは言え前述した通りに2000mクラスの春山の経験は無い。その状況を頭に想像する事さえ出来ない。 単純な思いとして「標高が高いから少しは雪があんべなぁ・・・」といったところ。 その雪の具合が一番気に掛るところと自分でも判っているのだが、未経験と言う部分でぼんやりと霧がかかっている。そこに持って来てこの天候だ。木曜日から天気が回復して太陽が顔を覗かせ、気温も20℃を超えていた宇都宮市だったが、出発の朝も相変わらず男体山は見えていない。 もう一つ、不安材料に隊長の存在がある。 私が「登山をする。」と言う時は必ず横に隊長もいる。自分自身が不安を感じる今回の登山に更なる不安材料ではあるが、行く以上は隊長も行くのだ。 今回、現実にこの隊長の存在というものは肩の荷となって私にのしかかっている。何もかも二人分の装備を担ぐ私のザックがそれだ。 隊長の存在もさることながら、今期本格的な登山は初めての自分への不安もあり男体山登山口を志津林道からの「裏」コースに決めた。このコースは二荒山神社中宮祠から登る「表」コースより約1時間短い行程である。 いろは坂を登り中禅寺湖畔に到着。ようやく1週間ぶりの男体山が目に入る。大きく崩れ落ちた薙ぎ跡には雪が張り付き、林間から透けて見える山肌も白く薄化粧している。この時期の里での降雨、高山ではまだまだ雪だったようだ。 戦場ヶ原を抜け光徳牧場方向へと右折し志津林道「裏男体山登山口」に到着。今回のメンバーは清水孝、原豊とぺんぎん隊の二人。清水孝は一昨年の6月初旬にこのコースで登っている。 身支度を済ませての歩き出しが7時53分。 足を踏みいれた途端に登山道は白一色の雪だ。ハッキリ言って予想外ではある。 残雪は標高が上がってからだと勝手に決めていた部分があった。 多少緩んだ雪の登山道をザクザクと歩いて5分。志津小屋前の広場に出る。この周辺だけ日当たりが良い様子で雪が無い。小屋の中に入り込んでの観察に余念が無い。まだまだ余裕のぺんぎん隊だった。 ザクザクと歩く登山道に時折「ズボッ」の音に混ざって悲鳴が上がる。登山道の残雪を踏み抜く音と、太腿(ふともも)まで雪に埋もれる悲鳴である。小屋から僅か5分の一合目までに下半身はしっとりとして「う〜ん、いい気持ち・・・」 一合目を過ぎ二合目、三合目と順調に濡れる。いや、歩く。 心なしか各合目間隔が遠くなった様な気がするのは気のせい? 五合目を過ぎて右に爆裂火口を、左に大崩壊地を眺める七合目で「上にあがれば日当たりが良いので多分雪は無い・・・かも?!」と清水孝が全く根拠の無い慰めを言う。私はこの時点で「もしかしたらシャリバテ?」という倦怠感を感じている。声に出して訴えると原豊も同じだと言う。それを聞いて意味も無く安心する私。 倦怠感と闘いながらカメラを構えて写真を撮る。目の前に大真名子山が、そしてその向こうの雲間から女峰山が顔を出す。目を転じれば太郎山の裾野に戦場ヶ原が広がり湯ノ湖と日光白根山の特徴ある形がそこにある。山登りの途中の至福の時間だ。 先を行く清水孝の「山頂が見えて来た!」の声に元気を取り戻し歩き始める。歩くとすぐに疲れと倦怠感が甦りダラダラと雪道を歩いて行く。 稜線に上がるも雪は消えない。「ちくしょう、しみたか!」と小さく悪態をつく。 山頂に日光二荒山神社奥の宮が見えてから呆れるほど歩いた。徐々に近づいているのだろうが、焦点の定まらない目では一向に近づいた実感が無い。 先を歩いていた原豊が大きく雪を踏み抜いた拍子に足が攣ったと悲鳴を上げている。「大丈夫か?」と近寄る私の足も大きく雪を踏み抜いて二人で大笑い。 ようやく抜け出した二人を出迎えるように先で隊長が待っている。 隊長が私に「お父さん、荷物交代しよう!」と言って来たのでおかしいな?と思ったら目の前10m程に男体山山頂の大剣が見える。 「汚ねぇぞ、いいとこ取りかよ!」と笑いながら山頂に到着! 男体山は昔より2mだけ背が伸びた。「西の端(にしのはし)」と覚え育った男体山の標高は現在では2m増えて2486m。 大剣の足もとにある一等三角点よりも2m高い地点が発見されて標高が改定されたためだ。 お約束のように大剣でバンザイの記念撮影をして・・・ またまたお約束のようにカ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンと鐘をならし・・・ そして日光二荒山神社奥の宮に二礼二拍一礼の参〜〜〜拝・・・ 最後は恒例“山頂ラーメン”なのだ!! 昼食を交えた大休止。生憎と雲が張り出し遠望は利かなかったが、足下の中禅寺湖がよく見えて満足。 宇都宮市から見える高山の象徴「男体山」。今その山頂に自分たちがいる事の不思議さと実感。今日から先きっとこの男体山を眺める自分に「あそこに立ったぞ!」という一つの感慨を感じるに違いないのだろうなぁ・・・なんて思いながら周囲を眺める。 寒気に追われるように下山の支度。マイカー登山の運命ではあるが往路を帰る。登っていた時より気温が下がったのか残雪が締まっている気がする。雪を踏み抜く回数が全然違うところからもそれを感じる。 九合目から山頂を振り返り名残を惜しむ。さあ、ここからはドンドン下るだけだ。 駆け降りる様に・・・とか 飛ぶように・・・とか 色々と言い方はあるけれど 滑るように・・・っていうか 滑りながら・・・っていうか 登山口到着15時10分。 四人とも雪ダルマみたいに転げながら帰って参りました! |
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