【日本三百名山】熊伏山 ~青崩峠からピストン~


- GPS
- 03:46
- 距離
- 5.9km
- 登り
- 703m
- 下り
- 703m
コースタイム
- 山行
- 3:20
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 3:47
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
◆青崩峠 駐車場 ◇駐車料金:無料 ◇駐車台数:10台程度 ◇トイレ:なし ◇電波状況:圏外(登山届は事前に申請を) ◇特記事項 ・近くで道路工事をしており、この場所に工事車両が駐車します。駐車の際は邪魔にならないように注意。(連休中は休工) ・長野、静岡のどちらからもアクセス出来ますが、長野県側はかなり山道を走る必要があります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・山頂まで片道3km程度ですが、傾斜はキツめです。特に青崩の頭までは激登です。 ・崩落箇所がありますが、迂回路が付けられています。 ・踏み跡が分かりづらい箇所がありますが、目印テープは多めに付けられています。 |
その他周辺情報 | ≪日帰り温泉≫ ◆天龍温泉 おきよめの湯 ◇利用料金:600円(JAF割引500円) ◇種類:内湯、露天風呂、サウナ、水風呂 ◇泉質:アルカリ性単純温泉 ◇無料休憩所:あり(別途食堂あり) ◇特記事項 ・本来は道の駅遠山郷に隣接した「かぐらの湯」が最寄りでしたが、ポンプ落下事故により数年前から休業中です。 ・料金は安いですが良いお湯です。源泉掛け流しだそうです。 ・駐車場は広いですが、かなり混んでいます。昼時でほぼ満車状態でした。 |
写真
感想
日本三百名山の一座である熊伏山(1653m)。熊でさえ近寄りがたい峻険な山であることが、山名の由来だそうです。また、日本構造線の影響で地盤が脆弱で、崖崩れが起こりやすい一帯でもあります。熊伏山は、東の赤石山脈、西の木曽山脈、北の伊那山地に囲まれた山深いエリアですが、地質学的には構造の違いがあるようで、独立峰という位置付けになっています。
この日は夜中に強めの雨が降っていましたが、朝方には止んでおり、天気は問題なさそうだったので、予定通り登ってみることにしました。道中には、落ちたら這い上がれないような崩落地もありますが、近付かなければ問題ありません。濡れた木の根や岩に気を付けながら、無事に歩き切ることができました。
連休中にも関わらず、登山者は他に6名と静かな山行になりましたが、今年(2025年度)、青崩峠トンネルが開通すれば、長野方面からのアクセスが良くなるので、もう少し登山者が増えるかもしれません。
なお、登山口である青崩峠は、1572年に武田信玄が西上作戦を行った際に通った峠として知られています。重臣の山県昌景に5千の軍勢で三河に向かわせた後、信玄は3万の大軍(人数は諸説あり)を率いて、この青崩峠から遠州(徳川家康の本拠である浜松)に侵攻しています。
遠州と信州を結ぶこのルートは「塩の道」と呼ばれ、古くから交易ルートとして利用されていましたが、標高が1082mもある上に地形的に険しい青崩峠は最大の難所で、大軍を移動させるには厳しいルートでした。
単に甲府から西を目指すのであれば、赤石山脈の東側を富士川沿いに南下して東海道に合流する街道を通った方が楽ですが、東海道(旧今川領)からの侵攻は家康も警戒しているので、備えが手薄なこの方面から侵攻したとされます。
武田軍は只来城、天方城、一宮城、飯田城、各和城、向笠城と破竹の勢いで攻め落とし、家康も自ら迎撃に向かいますが、「一言坂の戦い」で大敗し、浜松城まで撤退しています。
信玄が青崩峠で休憩したのが10月10日ですが、一言坂の戦いが10月14日なので、武田軍は僅か4日でこれだけの戦果を挙げたことになります。徳川軍が一方的に敗れたのは、武田軍の侵攻スピードが予想以上に速く、応戦体制が整わなかったことが原因とされますが、やはり『疾きこと風の如く』は伊達ではありません。
その後、家康は匂坂城や要衝である二俣城を落とされ、三方ヶ原の戦いでは生涯最大の惨敗を喫することになります。
信玄も通ったこの「塩の道」ですが、信州の塩尻と遠州の相良を結ぶ、約200kmのルートとなっています。塩の販路としては遠州から信州に運ばれるので、塩尻という地名は「塩の道の終点」であることが由来となっています。
舗装路を200kmも歩くのは厳しいですが、機会があれば起点から終点まで歩いてみたい気もします。
コメント
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熊伏山お疲れ様でした。
武田信玄が青崩峠通って三方ヶ原へ攻め込んだこと、初めて知りました。
塩尻という地名は「塩の道の終点」であることに由来も初めて知りました。
以前から、”塩”の字が何で付いているのかなあと少し疑問に感じていました。
以前登った時、登山道崩壊場所は無かったような、写真のような迂回路に行った記憶が無いため、急速に崩壊が進んでいますね。
また、GW中の200/300名山連続登山は、野球なら集中打の猛攻という感じです。
これで、奈良〜浜松間の200/300名山は、踏破完結されましたでしょうか。
コメントありがとうございます。
熊伏山(青崩峠)は以前から行きたいと思いつつも、アクセスの悪さから、なかなか機会がありませんでした。下調べばかりしていたので、色々と知識が身に付きました。
登山道の崩壊は、かなり前から進行しているのかと思っていましたが、崩壊ペースが早いようですね。痩せ尾根ではないので、通行できなくなることは無いと思いますが…。
天気にも恵まれて、これで奈良〜浜松の200/300名山は一通り登ることが出来ました。もっとも、遠方を中心にまだまだたくさん残っているので、先は長そうです。
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