記録ID: 8146750
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積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科
初冬の阿弥陀岳中央稜(2805m)
2006年12月16日(土) [日帰り]



体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 31:15
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,382m
- 下り
- 1,382m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 8:07
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 8:19
日時:2006年12月16日(前夜発日帰り)
場所:長野県八ヶ岳阿弥陀岳(2805m)
ルート:舟山十字路−広河原沢二股−中央稜取付−摩利支天−阿弥陀岳−御小屋尾根−舟山十字路
メンバー:清水山岳会(3)、藤枝山岳会(1)、私
行動距離:約12.0km
行動時間:8h-10m(休憩含む)
12月半ばになっても雪が降らず、予定していた山スキー山行も延期といった状態でなかなか山に入れずにいたが、ふとスキーでなくても登山にすれば・・・と発想の転換やないけど、清水のHさんに電話をかけ、今回の山行に同行させてもらうことになった。
12/15
今回は清水山岳会でお世話になった堀さんとの山行で白馬大雪渓以来何と6年ぶりの登山である。韮崎駅で待ち合わせ、堀さんの車で22時前に出発する。メンバーは「H」さんと「A」さんという女性で今マラソンに凝っているとか・・・でちょっと体力的について行けるかとう不安がよぎる。コンビニで酒と行動食を調達、八ヶ岳美術館のPAでテントを張り、軽く一杯やって12時過ぎにシェラフに潜り込んだ。
12/16
06:30 少し遅い起床で朝食を取って身支度を整える。夜中に来て駐車していたパーティが出発したが突然ウィンドウが開き「Hさん!」と声を掛けてくる。何と同じ会のIとEさんである。2人は阿弥陀南稜を登るという。こちらが中央稜を登るというと「何それ?そんなところあるんですか?・・・」そんな会話をしているうちに合流することになった。
07:57 舟山十字路出発(1640m) ゲート前には既に結構な数の車があり、皆それぞれ準備をしているが登山ではなく、アイスクライミングのようである。こちらも準備を整え出発する。道路に雪はなく11月中旬くらいの様相だ。
08:38 車道終点(1832m) このあたりからうっすらと雪が付き始めるがまだ晩秋といった感じだ。左岸に渡り樹林帯の道を進む。
08:54−09:10 二股(1910m) 出発から丁度1時間で大休止。ここはアイスクライミングのBCらしく、数パーティーのテントがあったりと賑わっている。皆は出発から冬山完全装備であるが自分はまだハイキングスタイルでようやくスパッツを付ける。これでも暑くて1枚しかないシャツを脱ぎたいくらいだ。
09:10 引き返し地点(2010m) 二股からも尾根の取り付きがあったが他のパーティーから右股にあると言われ右股を進む。しばらく行ったところに作業道のような取り付きがあったがガイド本の通り進むが、別のパーティーに中央稜の取り付きはもっと下だと言われ戻ることになった。
09:37 中央稜取付き地点(1980m) 大した時間ロスではなかったが、取り付いてから道は赤印が至る所にあり、作業道が交錯し少し不明瞭であった。結局取り付きは3カ所あるようだ。(どれも正解)
急坂の途中で凍結し出てきたのでアイゼンを装着。ジグザグ道で一気に高度を上げる。5年ぶりに履いた革靴に慣れていないのか?急斜面では歩きにくい。他は皆プラブーツで普通に急登をこなしている。傾斜も緩くなり尾根上に出るともう一本の取り付きからの道と合流した。右側には立場山とそれにつながる南稜が望まれ奥壁もチラリと顔を覗かせる。雪も30cmくらいになり自分はようやくオーバーズボンを履く。
11:35 下岩壁通過(2486m) 広い尾根から正面の岩壁帯に差しかかる。ここからが本日の核心なのか?Iを先頭に基部を右側から巻ながら進みルンゼ状の急斜面をこなす。日差しもあり南斜面ということもあり、雪が腐ってアイゼンに付きだしたようである。尾根に出たところで大休止をとる。日差しも強くなってきたので日焼け止めを塗ったり、軽い昼食を取ったりとゆっくりと過ごす。
12:00 上岩壁通過(2545m) 先頭交代し自分がトップを行くが突然グラニュー糖のような雪質になり、股下ラッセルとなる。久しぶりの雪はラッセルであっても楽しい!上岩壁の基部からは左側にトラバースして回り込んで急な雪壁をこなして稜線上に出た。さすがに風が強く、シャツ1枚では耐えられずジャケットを着る。
展望は一気に開け、南稜とつながる奥壁の間には富士山がポッカリと現れる。写真ばかり撮っているうちに最後尾になってしまい追いつこうとするが既にふくらはぎがパンパンである。しかも朝からの頭痛がさらにひどくなってくるし、息もあがってくる。呼吸を整えてゆっくりゆっくり自分のペースで展望を楽しみながら歩くと少し楽になった。
12:16 御小屋尾根分岐(2763m) 分岐を過ぎてすぐに摩利支天に差しかかり、ここの登りで皆がもたついている間に追い付く。広河原左股から来た2人組が頂上から下山して来てすれ違う。この日の登頂は自分たちを含め2パーティであろうか?
梯子を越えるとあっけなく頂上に到着した。
13:18−28 阿弥陀岳(2805m) 頂上からの展望は申し分なく、正面の赤岳から富士山、南ア、中ア、御嶽、乗鞍、北ア、北八ヶ岳まで360度雄大な景色を楽しんだ。雪は白馬方面はもちろん白いのだが南アがひとしきり白く、穂高方面は少ないようだ。朝あれだけ青かった空はみるみるうちに雲がかかり、高曇りとなってしまった。明日から天気は下り坂で少しは雪は降ってくれるであろう。
Iは展望を楽しむことなく滑れそうなルートをしっかり偵察していた・・・
自分は今日中に横浜に帰らなければならないので速攻で下山を開始!いっぱいいっぱいだったのに懲りずに先頭を歩く。
13:35 御小屋尾根分岐(2763m) ここから御小屋尾根を下るがこの長い尾根を見ただけでいやになる。中央稜は短くていい尾根だ!斜面は急だが雪の状態はよく一気に下り降りる。スキーならパフパフで気持ちいいだろう。
15:05 不動清水(2153m) 斜度がなくなり平坦な樹林歩きで疲れがでたところで一息入れる。ここでAさんから「うなぎパイ」と「おにぎり煎餅」を配給があり元気を取り戻す。更にだらだらとアップダウンのある樹林歩きが続き、下りになったところで美濃戸口との分岐が現れ御小屋山(御柱山)を通り過ぎたことに気付く。雪が少なくなったところでアイゼンを外すがその後2回もスリップして転倒しまう。
16:15 舟山十字路(1640m) 何とか日没15分前に下山することが出来、期待された「ヘッデン」の登場は免れた。しかし下りが長かった!このあとHさんに小淵沢駅まで送ってもらい「スーパーあずさ30号」に乗り帰宅の途についた。いつもなら車内で一杯といきたかったが疲れと今朝からの頭痛が尾を引いていて飲む気になれなかった。
場所:長野県八ヶ岳阿弥陀岳(2805m)
ルート:舟山十字路−広河原沢二股−中央稜取付−摩利支天−阿弥陀岳−御小屋尾根−舟山十字路
メンバー:清水山岳会(3)、藤枝山岳会(1)、私
行動距離:約12.0km
行動時間:8h-10m(休憩含む)
12月半ばになっても雪が降らず、予定していた山スキー山行も延期といった状態でなかなか山に入れずにいたが、ふとスキーでなくても登山にすれば・・・と発想の転換やないけど、清水のHさんに電話をかけ、今回の山行に同行させてもらうことになった。
12/15
今回は清水山岳会でお世話になった堀さんとの山行で白馬大雪渓以来何と6年ぶりの登山である。韮崎駅で待ち合わせ、堀さんの車で22時前に出発する。メンバーは「H」さんと「A」さんという女性で今マラソンに凝っているとか・・・でちょっと体力的について行けるかとう不安がよぎる。コンビニで酒と行動食を調達、八ヶ岳美術館のPAでテントを張り、軽く一杯やって12時過ぎにシェラフに潜り込んだ。
12/16
06:30 少し遅い起床で朝食を取って身支度を整える。夜中に来て駐車していたパーティが出発したが突然ウィンドウが開き「Hさん!」と声を掛けてくる。何と同じ会のIとEさんである。2人は阿弥陀南稜を登るという。こちらが中央稜を登るというと「何それ?そんなところあるんですか?・・・」そんな会話をしているうちに合流することになった。
07:57 舟山十字路出発(1640m) ゲート前には既に結構な数の車があり、皆それぞれ準備をしているが登山ではなく、アイスクライミングのようである。こちらも準備を整え出発する。道路に雪はなく11月中旬くらいの様相だ。
08:38 車道終点(1832m) このあたりからうっすらと雪が付き始めるがまだ晩秋といった感じだ。左岸に渡り樹林帯の道を進む。
08:54−09:10 二股(1910m) 出発から丁度1時間で大休止。ここはアイスクライミングのBCらしく、数パーティーのテントがあったりと賑わっている。皆は出発から冬山完全装備であるが自分はまだハイキングスタイルでようやくスパッツを付ける。これでも暑くて1枚しかないシャツを脱ぎたいくらいだ。
09:10 引き返し地点(2010m) 二股からも尾根の取り付きがあったが他のパーティーから右股にあると言われ右股を進む。しばらく行ったところに作業道のような取り付きがあったがガイド本の通り進むが、別のパーティーに中央稜の取り付きはもっと下だと言われ戻ることになった。
09:37 中央稜取付き地点(1980m) 大した時間ロスではなかったが、取り付いてから道は赤印が至る所にあり、作業道が交錯し少し不明瞭であった。結局取り付きは3カ所あるようだ。(どれも正解)
急坂の途中で凍結し出てきたのでアイゼンを装着。ジグザグ道で一気に高度を上げる。5年ぶりに履いた革靴に慣れていないのか?急斜面では歩きにくい。他は皆プラブーツで普通に急登をこなしている。傾斜も緩くなり尾根上に出るともう一本の取り付きからの道と合流した。右側には立場山とそれにつながる南稜が望まれ奥壁もチラリと顔を覗かせる。雪も30cmくらいになり自分はようやくオーバーズボンを履く。
11:35 下岩壁通過(2486m) 広い尾根から正面の岩壁帯に差しかかる。ここからが本日の核心なのか?Iを先頭に基部を右側から巻ながら進みルンゼ状の急斜面をこなす。日差しもあり南斜面ということもあり、雪が腐ってアイゼンに付きだしたようである。尾根に出たところで大休止をとる。日差しも強くなってきたので日焼け止めを塗ったり、軽い昼食を取ったりとゆっくりと過ごす。
12:00 上岩壁通過(2545m) 先頭交代し自分がトップを行くが突然グラニュー糖のような雪質になり、股下ラッセルとなる。久しぶりの雪はラッセルであっても楽しい!上岩壁の基部からは左側にトラバースして回り込んで急な雪壁をこなして稜線上に出た。さすがに風が強く、シャツ1枚では耐えられずジャケットを着る。
展望は一気に開け、南稜とつながる奥壁の間には富士山がポッカリと現れる。写真ばかり撮っているうちに最後尾になってしまい追いつこうとするが既にふくらはぎがパンパンである。しかも朝からの頭痛がさらにひどくなってくるし、息もあがってくる。呼吸を整えてゆっくりゆっくり自分のペースで展望を楽しみながら歩くと少し楽になった。
12:16 御小屋尾根分岐(2763m) 分岐を過ぎてすぐに摩利支天に差しかかり、ここの登りで皆がもたついている間に追い付く。広河原左股から来た2人組が頂上から下山して来てすれ違う。この日の登頂は自分たちを含め2パーティであろうか?
梯子を越えるとあっけなく頂上に到着した。
13:18−28 阿弥陀岳(2805m) 頂上からの展望は申し分なく、正面の赤岳から富士山、南ア、中ア、御嶽、乗鞍、北ア、北八ヶ岳まで360度雄大な景色を楽しんだ。雪は白馬方面はもちろん白いのだが南アがひとしきり白く、穂高方面は少ないようだ。朝あれだけ青かった空はみるみるうちに雲がかかり、高曇りとなってしまった。明日から天気は下り坂で少しは雪は降ってくれるであろう。
Iは展望を楽しむことなく滑れそうなルートをしっかり偵察していた・・・
自分は今日中に横浜に帰らなければならないので速攻で下山を開始!いっぱいいっぱいだったのに懲りずに先頭を歩く。
13:35 御小屋尾根分岐(2763m) ここから御小屋尾根を下るがこの長い尾根を見ただけでいやになる。中央稜は短くていい尾根だ!斜面は急だが雪の状態はよく一気に下り降りる。スキーならパフパフで気持ちいいだろう。
15:05 不動清水(2153m) 斜度がなくなり平坦な樹林歩きで疲れがでたところで一息入れる。ここでAさんから「うなぎパイ」と「おにぎり煎餅」を配給があり元気を取り戻す。更にだらだらとアップダウンのある樹林歩きが続き、下りになったところで美濃戸口との分岐が現れ御小屋山(御柱山)を通り過ぎたことに気付く。雪が少なくなったところでアイゼンを外すがその後2回もスリップして転倒しまう。
16:15 舟山十字路(1640m) 何とか日没15分前に下山することが出来、期待された「ヘッデン」の登場は免れた。しかし下りが長かった!このあとHさんに小淵沢駅まで送ってもらい「スーパーあずさ30号」に乗り帰宅の途についた。いつもなら車内で一杯といきたかったが疲れと今朝からの頭痛が尾を引いていて飲む気になれなかった。
天候 | 晴れ後曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2006年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
|
写真
感想
久しぶりの雪山は準備で手間取り(いろんな道具が出てこない等)、途中の衣類の着脱に手間取ったりしてかなりの時間のロスがあった。これが厳冬の本チャンならどうなるか?最近山スキーばかり出かけ雪山登山を全くおろそかにしていた事に反省!
今回は皆さんにはお世話をかけましたがまたよろしくお願いします。
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