金剛山 高天谷 右俣・左俣横断ルート 懸垂下降捨て縄編


- GPS
- 04:24
- 距離
- 6.6km
- 登り
- 789m
- 下り
- 798m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
トイレは高天彦神社の右横にあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
高天谷 右俣・左俣横断ルートは普通に高天滝(写真59)から高天谷右俣左俣分岐(写真32)を経由して右俣、左俣を登るルートではありません。 先ずは橋本院ルートでダイヤモンドトレールの高天橋本院分岐(写真16)まで登り山頂方向へ向かってダイヤモンドトレールの白雲岳分岐(写真18)へ行きます。 次にその分岐の進行方向から見て左斜下の谷は高天谷右俣になっているので、そこから沢下りします。 もちろん谷のため激下りになっているので滑落、転落に注意が必要です。 しばらく沢を下って行くと高天谷右俣最後の大滝(写真26)が現れます。 危険なため普通に下っては行けないので、ロープを使って懸垂下降してその滝を下りて行きます。 滝上の右岸に先を切り取られた大きな太い木(写真22)があるので、それを懸垂下降の支点にしておきます。 前回その木を使って懸垂下降をしたのですが、撤収時にうまくロープを回収できなかったので、捨て縄と捨てカラビナを使って懸垂下降の支点を構築します。 その後しばらく慎重に沢を下って行くと、高天谷 右俣左俣分岐の滝(写真31)が現れます。 この滝は滝全体が倒木で覆われているので、左側(左岸)から倒木を持って下りれば、ロープを使わなくても下りることができます。 高天谷 右俣左俣分岐(写真32)から左俣の沢を少し登り進むと、今度は高天谷左俣最後の大滝(写真33)が現れます。(小滝はまだあります。) この滝は左側(右岸)に以前にはなかったロープが張られているので、自信のない人、沢登り初心者の方はそれを使って登った方がいいでしょう。 無理をしてフリーソロで登らないように! 僕みたいに途中で立ち往生して後悔することになります。 後は分岐があればひたすら右側の水のある沢、あるいは水のない谷を登って行くと、やがて郵便道に合流します。 左俣ルート最後の方の分岐は左へ行くと、たぶん郵便道とショートカットで合流します。(未確認) 危険箇所は橋本院ルートの先の尖った倒木の所(写真15)、高天谷右俣最後の大滝(写真26)、高天谷右俣左俣分岐の滝(写真31)、高天谷左俣最後の大滝(写真33)です。 倒木の所は怪我に滝はそれぞれ転落と滑落に注意が必要です。 |
その他周辺情報 | 下山後はどこにも行っていません。 |
写真
実はこの倒木の先の下に別の木の根か段差があります。
前回はそれに気を取られ顔を上げた瞬間、倒木の先が額にほんの少しだけ突き刺さり流血しました。(痛)
今回は駐車場からヘルメットをかぶり注意していたので、流血は免れました。
やったー!
危険回避、小リベンジ完了です♪
黄色のテープが巻かれている木の所から激下りで下りられるようになっています。
っていうかこんな所、誰も普通下りませんよね。(笑)
でも、Let's Go!です♪
この先すぐは断崖絶壁です。
ロープを持っていなければ、その高さで絶望感と遭難感を充分味わえます。(笑)
ここで懸垂下降の支点構築とその準備をしたのですが、アブとブヨとその他の虫の大群で咬まれないようにするのが本当に大変でした。(泣)
携帯用森林香を2つも焚いていたのに、なんで?
この木は右側(右岸)にあります。
この写真で見ると、支点構築しやすそうですが、実際は90度近い崖で高さもあるためこの木の上まで登らないと、支点構築できません。(泣)
また、懸垂下降しやすいようにロープの途中にバタフライノットで捨てカラビナを付けて置きました。
これで次回からはすぐに懸垂下降できます♪
そのため1本のロープを2つ折り(バイト)でマスターポイントの捨てカラビナと連結しました。
これでロープ回収時にロープの連結部分が滝の岩等に引っ掛からないようになり、またマスターポイントが幅の広い木本体ではなくカラビナであるため摩擦もうんと減りすんなりとロープを回収できるはずです。
下降のみ成功して下りられましたが、回収はまた失敗。
また、ロープがどこかで引っ掛かっているようです。
原因を探しに登り返すと、ロープが滝最上部の岩角で少しだけ屈折していました。(泣)
この写真でも一番上を見るとよく分かります。
先程の岩角のロープの屈折を直したら、あらら不思議、すんなりとロープ回収できました。
やったー!
第一の目的達成です。
これで遭難は免れました。(笑)
しかし、喜びでこの時の僕は第二の遭難危機が待っていることを知らずにいました。
何て、きれいで登り応えのある滝なんだろう♪
うっとり。
今回は親切にも左側(右岸)に固定ロープが張られています。
さて、どうしたものか?
滝の左側は前回にはなかった固定ロープが張られているため登っても面白くなさそうです。
今回も前回と同様に滝の右側からフリーソロで登ります。
→この判断の誤りが第二の遭難危機になります。(泣)
写真では分かりませんが、相当な高さです。
いやぁ〜、ロープ無しのフリーソロで登攀経路を誤ったため死ぬかもと思いました。
もう、滑落死寸前の遭難危機、いや遭難未遂です。(泣)
達成感よりも生きてて本当に本当に良かった!
もう二度とこんな事は止めます。
早く家に帰って対策を考えねば。
詳しい事は長くなるので感想の所に書きます。
高天谷左俣ルートと郵便道との合流地点はこの赤ペンキの「中」のある木が目印です。
ついに高天谷 右俣・左俣横断ルートを初めて完登しました。
やったー!
このまま、山頂へ向かってもいいのですが、もう疲れたので山頂へは向かわず郵便道で下山します。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
沢用靴下
グローブ(軍手)
日よけ帽子
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
携帯
時計
タオル
ヘルメット
沢靴
クライミングシューズ
シットハーネス
チェストハーネス
スリングロープ120cm×2
スリングロープ180
カラビナ×6
プルージックコード
下降器(反転防止機能付きカラビナとエイト環)
登高器(スポックとシャント)
懸垂ロープ50m
捨て縄
捨てカラビナ
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---|
感想
今回の高天谷 右俣・左俣横断ルート 懸垂下降捨て縄編は、実は前回の高天谷 右俣ルート 懸垂下降回収失敗撤退編のリベンジで、再挑戦してみました。
高天谷右俣最後の大滝は、ただ懸垂下降して下りるだけなのですが、滝の上での懸垂下降の支点にする木の位置が悪いので前回と異なり捨て縄と捨てカラビナを使って懸垂下降の支点を新しく構築しました。
構築時は携帯用の森林香を2つも焚いているのにもかかわらす、沢風が吹いているせいか効果があまりなくアブとブヨその他大勢の虫が何回も寄ってきて咬まれないようにするのが大変でした。
実際に耳、腕、脚に数か所咬まれました。
特に右脚下部が2つも咬まれて無茶苦茶腫れています。(泣)
これは虫除けスプレーを体に吹き付けても滝や沢の水で殺虫成分が取れてしまうため虫除けスプレーを最初から体に直接吹き付けていないのが原因です。
それか、もしかしたら駐車場から着火していた森林香が2つとも右俣最後の大滝で燃え尽きていた可能性もあります。(未確認)
これも次回からの対策としては森林香がいつ燃え尽きていてもいいよう直接肌に塗ることができる安全な虫除けクリーム(アンチバグバーム)を考えています。
また、森林香の着火を再確認します。
さて、肝心の高天谷右俣最後の大滝の懸垂下降ですが、新しく構築した懸垂下降支点も大丈夫だったようで前回と同様に懸垂下降自体は無事にできました。
ここからが無事にロープを回収できるかが問題です。
一回目はやはりロープが引っ掛かってなぜか回収できません。
滝のどこかで引っ掛かっているのかと思い滝の下から上へ登り返すことにしました。
ロープが絡まっているような致命的な引っ掛かりはどこにもありませんでしたが、ロープが最上部の岩角で少し屈折しているのを発見、これが実は原因でした。
これをできるだけ真っすぐに直すと、二回目は懸垂下降してから無事にロープをスムーズに回収することができました♪
やったー!
懸垂下降のロープは本当に真っすぐにしないと回収できないのですね。
やっとロープ回収のコツが掴めました。
今まで何回も懸垂下降してるのにコツを掴んだのが今頃かいって自分に突っ込みを入れておきます。(笑)
次は楽しみにしていた高天滝左俣最後の大滝です。
この滝は高天谷右俣最後の大滝で手こずったため疲れていたので、最初は左側(右岸)に張ってある固定ロープを使って素直に登ろうかと思いました。
が、しかし高天谷右俣ルート最後の滝を懸垂下降でただ単に下りただけでは物足りなかったので、最後くらいは大きな滝を直登したいなあと思ったのと以前にフリーソロで登ったこともあり滝のフリーソロに再度挑戦してみました。
この判断が実に誤りで滝の登攀経路を間違えてしまい途中で上にも登れない、下へも下りれないという困難な状態(立ち往生状態)になりました。
これは落ちたら確実に打撲による滑落死か骨折による遭難死間違い無しの究極の選択、うわぁー、どっちも絶対に嫌だああ!
ここで自分の体から見て左側にある滝右側の流芯に行くしかないと判断して草付きを持って左へトラバースしました。南無三。
本当に運が良く草付きが滝の岩肌から抜けたり、また途中で切れたりすることなく無事に滝右側の流芯に移動できました。
その後、流芯から滑らないよう力尽くで滝の上へ登攀しました。
無事に登攀できたから良かったものの、これは本当に反省です。
フリーソロでは滝や崖の登攀経路を間違った時の対策を考えておかないといけないです。
今、対策として頭の中ではフリーソロでもスカイフックあるいはクリフハンガーを付けた1mぐらいのスリングロープを2本チェストハーネスのギアラックに付けておき、立ち往生地点から自己確保し、そこからトラバースして更に上へ登攀するかロープを使ってゆっくり下りるかを考えています。
究極の対策方法は最初からロープを使ったアルパインソロクライミングになると思っています。
このような危険なことをしないよう早くアルパインソロを習得しようと思っています♪
でも、生きて帰れて本当に本当に良かったです!
正直言って左俣最後の大滝の登攀は達成感もありましたが、生きてる感の方が強かったです。
いやぁ〜、本当にフリーソロは止めとこ!
次回の右俣最後の大滝は支点になるロープを滝上から少し垂らしたこともあり巻き道を使わずに高天谷右俣ルートを普通に登りたいと思っています。
ちょっとズルですが、ソロクライマーに取って滑落しない事が前提で凄く重要です。
次回が本当に楽しみです♪
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