No.693 R07.05.11 国見岳

過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
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感想
山行記録693 令和7年5月11日 (日)
雨の合間に 〜ヤシオ尾根から国見岳
単独 地図:御在所山
30日の雲母尾根が少々オーバーワーク気味になったようで、連休後半はヒザがギクシャクしていた。少しずつトシを考えないといけないような…。というわけで、5日の予定を今日に持ってきた。
ところが金曜日の午後からまとまった雨が降り、土曜日は一日中ショボショボとなかなか止まず、県の武平峠観測点で160mm降った。
日曜日、予報には雨マークが出ているがこれは夜になってからのものらしく、分布予報では午前中は晴れ間もあるらしい。高層の予想天気図では、AM9時の段階で700hPaの空気はまあまあ乾燥。850hPa(1500m)の気温は6℃で、風は西北西10m/s程度。低気圧の後ろに寒気が流れ込むパターンみたいなので、スッキリとは晴れないかもしれない。
午前中が勝負というわけで、朝早くに入山するつもりでいたが、朝寝坊してバタバタと家を出る。明るくなるにつれ、御在所の山頂にガスが掛かっているのが見えて来た。雲底高は約1200m。雲に隙間は多く、気象用語で言う「晴(雲量8)」ギリギリぐらいである。
蒼滝大橋に着いて、サッサと足ごしらえ。5:25出発。慌てていたので入山届も忘れてきてしまったが、5日に提出予定だった届がウェストポーチに入っていて、日付を書換えて投函。年末以来、久しぶりの裏道である。
北谷の流れの音もなかなか賑やか。まだ踏んだところから水が染み出すぐらいに水分を含んだルートをゆっくりと登る。
5月ともなれば、ツバキなど常緑の葉が世代交代の時期で、ルート一面に積もって滑りやすい。
6:00藤内小屋。水だけ飲んで出発。裏道を外れ、いかにも水が流れましたよと言わんばかりのルートを三岳寺跡へ。鐘撞堂跡の鞍部から尾根に乗る。見上げれば、二次林に朝陽が射し込む緑の空間が垣間見える。しかし、今日は限りなく曇に近い晴。陽射しも長くは続かない。雲を見上げながら尾根を登り始める。
このヤシオ尾根、回数を重ねてきたせいだろうか、「もう腰越峠の分岐」、「もう藤内小屋が見えるコブ」といった感じで、距離感がつかめてきている。南面をヘツリ気味に抜ける斜面を過ぎ、広々とした窪地状の斜面を抜けると二次林の斜面に入っていく。
ルートの把握ができてきた反面、「ヤシオ尾根」とは、ハライドの尾根との分岐の前なのか後なのか、どちらを指すのか未だに知らない。
急登が一段落して見晴らしのいいコブに到着。雲の切れ間から陽が射し込んで、おそらく下界は「晴」ともいえる天気の所も多いんだろうと思う。田植えが終わったばかりで、四角い水鏡が並ぶ景色を見下ろす。
ハライドの尾根が近づいてきた。その間の斜面に、深いピンクがひと固まり。「シャクナゲや!」。そろそろ時期である。アカヤシオが終わって落ちた花びらが散らばっているが、シロヤシオはどうなんだろう?。
森にブナが混じり始めるころ、近くで「ツーツーピョロロロ、ツーツーピョロロロ」。誰かな〜?。声を目で追うと、シジュウカラ。「めずらしい鳴き方やな」。目で追うと、視線を感じたのか、サッと飛び去った。
7:27ハライドの尾根分岐を通過。季節風のようなハッキリした北西の風が吹き、時々暗い雲が広がることもあるが、流れていくのも早い。雲の切れ間から太陽の姿が見えることもある。この尾根にはだいたい天気が好い日に来るが、こんな天気も味があっておもしろい。
ヌタ場にさしかかる。いつものブナの樹を見上げる。今年の葉っぱが芽を覚まして枝先に広がりつつある。曇り空では緑の光を楽しむことはできないが、逆に空のモノクロと新芽の緑との落ち着いた彩りも悪くない。楽しみながら通り抜ける。
7:53、風に吹かれながら縦走路に出た。アカヤシオの花びらが散らばる山道を登る。青岳を越えて国見岳の北面を見渡す。ポツン………、ポツン………、アカヤシオが咲く樹が、ポツン………。何年か前に目にしたピンクの饗宴が脳裏から離れないから…。花だけが山ではないが、どうしても比べてしまう。…ウムム。
シットリした風を感じながら国見岳への登路を辿る。あっちこっちにシャクナゲがあるが、まだツボミのようで…。ということは、シロヤシオもまだなのかな。実は密かにシャクナゲとシロヤシオが重なる時期をねらってみていたが、今日はそんな彩りはない。もう咲いてしまったということもなさそうな…。けど、どちらかと言えば終盤に咲くヤマツツジが咲いていたり…。今年は花の時期がよくわからない。
ルート脇に、スギゴケか?。直径1mm、長さ数mmのたぶん胞子嚢がたくさん立ち上がっている。形がおもしろいので、少し道草。
国見岳を通過。いつもの場所へ移動して、岩の上に陣取る。岩の脇に立つそれほど細くない枝が、分かれ目近くから折れている。2月の雪の影響だろう。折れ方から積雪を想像してみると、1m程度ではなさそうな…。吹き溜まりや、もしかすると雪庇ができたかもしれない場所だから、分厚く積もった雪が融ける過程で押しつぶされたか。
向かいの御在所はまだロープウェイの始発が来る前。天気もよくないから静かである。山頂部に懸かっては吹き払われるガスを眺めながらメシにする。
8:55、下山開始。シロヤシオのツボミを確かめながら、「来週もういっぺん」などと考えつつ国見峠へ。裏道に入ると、ボチボチ登りの人とのすれ違い待ちで立ち止まることが多くなる。連休が明けて天気もそれほどよくないから、もう少し人は少ないと思っていたが、やはり御在所の裏道ともなると、他の山とは違う。
六合目前後の悪場から一番やらしいところへさしかかる。
「おっ!」、ルートがロープで塞がれている。見回すと左の斜面に目をやると、「お〜〜〜〜〜〜」。ルートが付け替えられた。まだそれほど踏まれていない様子。連休に開通していたのかどうかわからないぐらいに土が軟らかい。いつも杉の植林?の奥に見上げている岩場の際に向かって、丸太で緩いスロープのような階段が組んである。少し滑りやすいので気を遣うが、丸太と丸太の間の隙間は狭く、ハシゴのようではない。造作もシッカリしているから、比較的長持ちするのではないかと思う。その下はジグザグが切ってあり、突き出た岩を伝って歩いていた場所の下あたりにつながっている。
従来ルートの鎖場の前後は近いうちに崩れるだろうと思っていたから、「間に合ってよかった」、ぐらいのタイミングだと思う。鎖場をかわして行くことができるようになったから、子供や入門編としての裏道の難易度は少し下がったと言えるかも知れない。
9:54、藤内小屋に到着。大将にあいさつすると「もう降りてきたん?」。まだ10時である。久しぶりなのでしゃべっていると、歩荷のおっちゃんが到着したので奥へ入って行って、そのあと「朝メシ」だというので、ワシも長居しないで出発とする。
おそらく登りのピークなんだろう、何パーティーかとすれ違いながら下る。天気のせいか、降りてきてもそれほど暑くはない。来たるべき「毎年一回山でバテる日」がいつになるかを思いながら、蒼滝大橋へ帰還した。
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