記録ID: 840713
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山滑走
白馬・鹿島槍・五竜
杓子岳東壁 CD間ルンゼ
2016年04月01日(金) [日帰り]
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 2,102m
- 下り
- 1,431m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 7:20
- 休憩
- 2:10
- 合計
- 9:30
5:00
100分
スタート地点
14:30
厳冬期に叶わなかった杓子岳登頂と東壁の滑降。これをすでに春のこの時期になってやろうという半ば意地と心のつかえを少しでも取っておくための思い付き山行。これと合わせ技で鑓の中央ルンゼも行っとこう、どうせなら泊まりで。
5:00 二股出発
重い荷物を背負って猿倉林道を歩いてると、すでにやめといたら良かったという悔恨の念がどんどん膨らんでいく。林道にはスキーやモービルの跡と一緒にクマさんの足跡も猿倉へ向かっている。早起きなこって。
そんなことおかまいなしに猿倉荘の前で15分の仮眠をとる。眠すぎた。
7:00 猿倉発
どこに泊まろうか歩きながら考えるつもりで、猿倉台地にしようと速攻決めていた。それ以上は今日は無理。
7:30 猿倉台地テン場
宿泊道具など要らないものをデポして長走沢へ。1回目は追上沢から、2回目はおびなたコルの双子尾根から、今回は長走沢から右へ、直接杓子尾根に乗り上げる。荷物デポしたら随分楽になった。それまではもうやめて引き返そうと何度も思ったのに。
杓子尾根に乗るとトレースがあった。この時期この界隈は賑わいを見せている。2月に来た時は2回とも激ラッセル、そりゃあもうしんどかった。あのラッセルを克服しなければふかふか東壁は滑れないと思うとゲンナリする。ある意味それで延命させられているのかもしれないが。
なんせ今日は過去二回よりルートも短く、時間も短縮、楽?ではないが、憂慮してたより順調にきた。
11:00 JP
少し手前でピッケル、アイゼンに替えた。これで正午までに登頂できそうだ。トレースは先へ続いている。そしてスキーのラインは山頂から尾根をかすめて戻って来ている。
ここから見るに東壁の真ん中を降りるのはどうも厳しそうだ。今年はどこも雪庇の張り出しが大きい。この時点ではABにしようとラインのイメージを作りつつフラフラ歩を進めた。
12:00 杓子岳山頂
無風。
まさかここまで届くとは。スタート直後のあきらめムードから7時間、やればできるものだ。いつも前半が山場で、1/3を越えればもう行くしかないモードに切り替わり気持ちは楽なものである。
さっきまで高度を上げることにあんなにヒィヒィしてたのに、広い山頂に出た途端、元気に動き回る。雪庇の先へ。ムムム、山頂直下はやはり完全な崖やな。
BCルンゼへの降り口には足跡が乱れ、少し切り崩した跡が。這いつくばって覗いて見ると、一本ラインが入っていた。尾根上の登りのトレースはおそらく3人。確保しながら1人だけ雪庇の下へ降ろしたのかな?それとも自力で降りられないこともないが、これは怖い。デッドマンはデポ地に置いてきてハナから使う気なし。しかし斜面に降りてしまえば、やはりココはそれ程恐怖心は感じなさそうだ。雪質のせいもあるだろうけど、地形的にジャンプ台のようなアップ形状で全体が見渡せるし、止まれるポイントも多いせいだろう。ただ、パウダーの時期となると命懸けかな、やっぱり。
もう一つ先の雪庇へ。ここも一人じゃ厳しいが、確保してもらえば降りられそうだ。ちょうどBCルンゼの真上に出れる。パウダーの時、ここからのラインを引くことができれば杓子でもっとも美しいラインになるだろう。
さらに先(南方)へ進むと雪庇の付け根が地面から剥がれそうになって小さな穴が開いている。穴を大きくすれば雪庇の下の斜面に出れそうだ。ピッケルでガツガツやってみる。でも、どうせ怖くていけないのですぐやめた。あとで確認したらここは完全な崖の上だった。
さて、ABルンゼへ戻るかと思いながら視線は反対のCDの方を向いている。CDルンゼの真上は前述の崖だが、その南側を少し下ったところからCDへ繋がる白い斜面が何本かある。2月に尾根から見たときから、あそこは良さそうだなと考えてはいた。しかし、そこへ至る道筋が切り立った岩とガレの尾根の先で、裏側は全くの不明。入り口を探しているうちに進退極まる気配プンプンで補欠候補にもなっていなかった。
見上げると太陽は真上に。そしてこの気温。氷ではなさそうだ。ちょっと探りに行ってみることに。回り込むと裏側への降り口のガリーはすぐに見つかった。誰か来た跡があるが、降りてはいない。ガリーはそのまま杓子沢へ合流していそうなので、エスケープは問題なさそうだ。ABルンゼに未練はなく、迷わずここを降りてみようと決断した。
頂上標に置いてきたザックを取って戻った。慎重に降りる。雪は緩みまくっているが、幸い流れていきそうな気配はない。さて、ここで問題はどこで登り返すかだ。遠くから見た山と実際に立った山では距離感、位置関係が往々にして合わない。登る崖を間違えたら、そこを降りるのは何倍も危険だ。カメラで以前撮った画像を見て後ろの地形やら何やらで当たりを付ける。まあ、行ってみるしかない。ここにしよう。登ってみたら、思ってたのより一つ上の場所に出た。下へ降りるのは際どい。雪は繋がっているのでここから滑り出すことにした。
13:30 ドロップ
狭くアイシーな岩場でかなりビビリながら板を付けてガリガリッとドロップ。よかった、おもったよりは出だし柔らかい。右の緩いとこへ一度逃げてからそのままシュートに突っ込む。雪煙が上がりビックリ、ドラパウです。そのあと1番急なとこはほぼ崖のアイス、トゥーエッジでゴリゴリと下ってCDルンゼに出てあとはブイブイ、BCルンゼからのシュプールと合流して杓子沢をルンルン。樺ノ平へと登り返し、こっからの長走沢がサイコーです。2月はガスの中、雪崩恐怖とデブリ地獄やったけど、今日は長さ、斜度、地形ともにばっちしやね。途中でズッコケてストックが折れて、あーこれでもう今日は泊まらずに帰ろう、満足したし、と内心ホッとしたけど、なんとか修理できてしまったので、デポ地でラーメン食べてツェルト張って宿泊。暖かい夜でした。
5:00 二股出発
重い荷物を背負って猿倉林道を歩いてると、すでにやめといたら良かったという悔恨の念がどんどん膨らんでいく。林道にはスキーやモービルの跡と一緒にクマさんの足跡も猿倉へ向かっている。早起きなこって。
そんなことおかまいなしに猿倉荘の前で15分の仮眠をとる。眠すぎた。
7:00 猿倉発
どこに泊まろうか歩きながら考えるつもりで、猿倉台地にしようと速攻決めていた。それ以上は今日は無理。
7:30 猿倉台地テン場
宿泊道具など要らないものをデポして長走沢へ。1回目は追上沢から、2回目はおびなたコルの双子尾根から、今回は長走沢から右へ、直接杓子尾根に乗り上げる。荷物デポしたら随分楽になった。それまではもうやめて引き返そうと何度も思ったのに。
杓子尾根に乗るとトレースがあった。この時期この界隈は賑わいを見せている。2月に来た時は2回とも激ラッセル、そりゃあもうしんどかった。あのラッセルを克服しなければふかふか東壁は滑れないと思うとゲンナリする。ある意味それで延命させられているのかもしれないが。
なんせ今日は過去二回よりルートも短く、時間も短縮、楽?ではないが、憂慮してたより順調にきた。
11:00 JP
少し手前でピッケル、アイゼンに替えた。これで正午までに登頂できそうだ。トレースは先へ続いている。そしてスキーのラインは山頂から尾根をかすめて戻って来ている。
ここから見るに東壁の真ん中を降りるのはどうも厳しそうだ。今年はどこも雪庇の張り出しが大きい。この時点ではABにしようとラインのイメージを作りつつフラフラ歩を進めた。
12:00 杓子岳山頂
無風。
まさかここまで届くとは。スタート直後のあきらめムードから7時間、やればできるものだ。いつも前半が山場で、1/3を越えればもう行くしかないモードに切り替わり気持ちは楽なものである。
さっきまで高度を上げることにあんなにヒィヒィしてたのに、広い山頂に出た途端、元気に動き回る。雪庇の先へ。ムムム、山頂直下はやはり完全な崖やな。
BCルンゼへの降り口には足跡が乱れ、少し切り崩した跡が。這いつくばって覗いて見ると、一本ラインが入っていた。尾根上の登りのトレースはおそらく3人。確保しながら1人だけ雪庇の下へ降ろしたのかな?それとも自力で降りられないこともないが、これは怖い。デッドマンはデポ地に置いてきてハナから使う気なし。しかし斜面に降りてしまえば、やはりココはそれ程恐怖心は感じなさそうだ。雪質のせいもあるだろうけど、地形的にジャンプ台のようなアップ形状で全体が見渡せるし、止まれるポイントも多いせいだろう。ただ、パウダーの時期となると命懸けかな、やっぱり。
もう一つ先の雪庇へ。ここも一人じゃ厳しいが、確保してもらえば降りられそうだ。ちょうどBCルンゼの真上に出れる。パウダーの時、ここからのラインを引くことができれば杓子でもっとも美しいラインになるだろう。
さらに先(南方)へ進むと雪庇の付け根が地面から剥がれそうになって小さな穴が開いている。穴を大きくすれば雪庇の下の斜面に出れそうだ。ピッケルでガツガツやってみる。でも、どうせ怖くていけないのですぐやめた。あとで確認したらここは完全な崖の上だった。
さて、ABルンゼへ戻るかと思いながら視線は反対のCDの方を向いている。CDルンゼの真上は前述の崖だが、その南側を少し下ったところからCDへ繋がる白い斜面が何本かある。2月に尾根から見たときから、あそこは良さそうだなと考えてはいた。しかし、そこへ至る道筋が切り立った岩とガレの尾根の先で、裏側は全くの不明。入り口を探しているうちに進退極まる気配プンプンで補欠候補にもなっていなかった。
見上げると太陽は真上に。そしてこの気温。氷ではなさそうだ。ちょっと探りに行ってみることに。回り込むと裏側への降り口のガリーはすぐに見つかった。誰か来た跡があるが、降りてはいない。ガリーはそのまま杓子沢へ合流していそうなので、エスケープは問題なさそうだ。ABルンゼに未練はなく、迷わずここを降りてみようと決断した。
頂上標に置いてきたザックを取って戻った。慎重に降りる。雪は緩みまくっているが、幸い流れていきそうな気配はない。さて、ここで問題はどこで登り返すかだ。遠くから見た山と実際に立った山では距離感、位置関係が往々にして合わない。登る崖を間違えたら、そこを降りるのは何倍も危険だ。カメラで以前撮った画像を見て後ろの地形やら何やらで当たりを付ける。まあ、行ってみるしかない。ここにしよう。登ってみたら、思ってたのより一つ上の場所に出た。下へ降りるのは際どい。雪は繋がっているのでここから滑り出すことにした。
13:30 ドロップ
狭くアイシーな岩場でかなりビビリながら板を付けてガリガリッとドロップ。よかった、おもったよりは出だし柔らかい。右の緩いとこへ一度逃げてからそのままシュートに突っ込む。雪煙が上がりビックリ、ドラパウです。そのあと1番急なとこはほぼ崖のアイス、トゥーエッジでゴリゴリと下ってCDルンゼに出てあとはブイブイ、BCルンゼからのシュプールと合流して杓子沢をルンルン。樺ノ平へと登り返し、こっからの長走沢がサイコーです。2月はガスの中、雪崩恐怖とデブリ地獄やったけど、今日は長さ、斜度、地形ともにばっちしやね。途中でズッコケてストックが折れて、あーこれでもう今日は泊まらずに帰ろう、満足したし、と内心ホッとしたけど、なんとか修理できてしまったので、デポ地でラーメン食べてツェルト張って宿泊。暖かい夜でした。
天候 | 快晴 無風 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
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