笛吹川 東沢 東のナメ沢(大滝登攀&下降)


- GPS
- 11:52
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 657m
- 下り
- 658m
コースタイム
- 山行
- 3:53
- 休憩
- 7:58
- 合計
- 11:51
天候 | 晴れ時々曇り。スラブにいるときは日当たり良く、酷暑。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
スラブ練習最終章として東のナメ沢へ。
フリクションばっちりの広大なスラブをロープをいっぱいに伸ばして気持ちよく登攀できた!
しかし懸垂はかなり手間取り要改善と分かった。
【詳細】
単にスラブ登攀練習だけならマルチルートでも良いかと一瞬思ったがルーファイや本番を想定した懸垂の検証をしておきたかったので選定。
ただ我々にとってはやや難しいレベルと思い、途中撤退を視野にハーケンを多めに持つ。
過去の先輩方の記録を見るとけっこう時間がかかりそうなので、夜明けとともに出発すべくみとみにて前泊。
アプローチは、先週も来ているので鼻歌混じりに行けるわ!と思っていたら早々に間違えかけた。
東のナメ沢には予定時間通り到着、一瞬水流が先週より強く見えて湿っている場所が多かったらやばい…と思ったが見上げると水流以外は濡れていない状態だったので一安心。
1段目は沢タビのままフリーで登る。
1段目とは言え落ちたら止まらないので少し緊張するが、フリクションはばっちりなのでスタスタ行ける。
傾斜が強くなる手前の、残置ハーケン2本と残置スリングのある地点からロープを出すこととしてクライミングシューズに換装、奇数ピッチをtartletさん、偶数を僕で登り始める。
と、初っ端のセカンド登攀からクライミングシューズでのフリクションに懸念。
慣れや足の置き方、岩質もあるかも知れないが、クライミングシューズはソールが硬い分接地面積を出しにくくて沢タビの方が安心な印象…
ということで1ピッチ目終了点で急きょ沢タビに再換装させてもらった。
最初に履き替えた際に確かめておくべきだったが、結果的に最後まで沢タビで問題なかったので好判断だったと思う。
序盤は終了点選択に迷う以外は快適登攀だったが、4ピッチ目でバンドを横移動しようと思ったらちょうどの位置に蜂の巣を発見してしまいルート変更を余儀なくされ手間取った。
5ピッチ目はかなり立った滝横の登攀で、過去記録は水流右を行っているが遠目には歯が立ちそうになく、水流左の方が取り付きやすく見える。
リードのtartletさんも同判断で左から登攀することとし、けっこう厳しそうだったのでセカンドでよかった。
6ピッチ目は最後の数歩を完全にフリクションのみで登るルートを選択。
その手前で#0.75をポケットに決めていたので不安はなかったがアドレナリンを感じたw
無事3時間弱で登攀完了。
滝の上は木陰で風も通りとても気分よく大休止を取る。
登攀全体を通して、残置はそこそこ、ポケットやフレーク等でカムが意外と使える、ハーケンは2人とも使わず、スラブだし落ちてもどこかの支点で止まれば死なないと考えランナウトすること数回、終了点は基本ブッシュ、という感じだった。
さて問題は下降で、今回の主目的の1つである、50mロープ1本で回収用の細引きを併用する方法を検証する。
1ピッチ目は僕がトップで2本ともコイリングして体にかける方法を試す。
が、やってみて初めて知ったが太さ柔らかさの違うロープだと太い方に細い方が絡みつくような感じになり出しにくい…
1ピッチ目はロープスケールもギリ足りず懸垂終了点を右岸に寄せることとなり時間がかかる。
その後は両方を振り分けて腰にぶら下げる形にしてみるも、やっぱり細引きがめっちゃ絡みやすい…
細引きはよっぽど丁寧に束ねたら行けるのかも知れないが今回最適解は見出せず。
ロープバッグに入れたら改善するのか?家で試したい。
ただ、細引きを使って懸垂に時間がかかるのを覚悟するか、50mを2本持って重さに耐えるかはとても迷うところ。
とりあえず今回の検証で細引きの使い方は細心の注意が必要と分かりかなりの収穫だったし、登攀も下降も本番に向けて最適な練習ができたと思う。
本番山行前のプレ本番として、東のナメ沢でスラブ滝登攀と、細引きを使った懸垂下降の検証。時間は大幅にかかったけど、沢山の良い経験を得られた、良い山行になった。
当初は東のナメ沢は本番より難しいのでは?という話もあり、そこまで練習するかは何回か議論していた。が、スラブ沢のマルチの練習、細引きの懸垂の両方が練習できていないのは懸念材料だということで、結局計画することにした。当日は午後から天気が崩れる可能性がある予報だったが、最悪は途中撤退することも視野に入れての入山となった。
釜の沢には前週にも来ていて、東のナメ沢の状況を見ていたが、今回のほうが若干湿り気味?と思ったが、実際に登ってみるとそこまで悪くない。2段目までフリーで上がりつつ途中で濡れたスパッツはデポし(出合で外せばよかったのに、忘れていた)、残置支点があったところでクライミングシューズに履き替え、懸垂は沢靴を使おうと沢靴はザックに入れる。
どっちがどっちのピッチをやるか決めてなかったが、そもそも人によって「核心ピッチ」が6ピッチ目という人も5ピッチ目という人もいて、よく分からない。多分核心は6ピッチ目?ということで、私が奇数、utagが偶数ピッチを登った。
■1ピッチ目(t)
傾斜の弱いスラブ。怖さはないが、途中にランナーを取れるところ皆無。さっさと抜けたほうが良いと判断、一段上がって支点になるところを探すも、見つからず。最初はスラブのフレーク状になったところでボールナッツでどうにかならないか試したがダメで、「ここならまず落ちないし、スラブなら墜落荷重はかからないし」ということで、ニラ束で支点を作る。結果的に、無理にフレークで支点を作るよりも数メートル稼げたので、次のピッチが楽になった気がする(次のピッチはロープスケールギリギリ)
■2ピッチ目(u)
上述の通り、ロープはほぼぎりぎり。ギリギリだと伝えるのが遅くなって、反省。スラブは歩き出すと繰り出すのに必死になって、中央線を出したのを見逃しちゃうのよね。。
■3ピッチ目(t)
草付きを左上して登る。わりとすぐに適切そうな立木があり、ここで切るか相談するも、もうちょっと延ばせないかといわれる。が、その先を見ると残りロープではとても届かないし、ちょうどよく懸垂用の残置があったので、ここでピッチを切る。このピッチでは、立木とカムが使えたかな。
■4ピッチ目(u)
■5ピッチ目(t)
核心ピッチは避けたいという話をしていたのに、何故か一般的に核心ピッチといわれるところで順番が来る(汗)一般的に水流右がルートらしいが、確かに登れそうな弱点があるものの、水流を渡るところがちょっと嫌らしく感じ、左側のクライミング要素のある垂壁を登るルートを選択。垂壁部分を登ったところでいろいろ試した挙句、0.75のカムが決まる。一段上がったところに残置ハーケンがあるもののカラビナ入らず(細いスリングだったら入ったらしい)、危ないところは抜けたようなので、そのまま一段上がる。水流に近いほうの足元のフレークで#3が決まるが、左側にリングボルトがあったのでそれを使い、カムを外す。そこからは左側のフレークがある場所を上手くたどれば登れた。残置があったので、そこでピッチを切る。
■6ピッチ目(u)
フォローで登ったけど、ここが一番怖かった。一瞬、本当に滑った。0.75が入るポケット手前、リーチいっぱいに手を伸ばして、小さいフレークが持てたので、それを使いながら登る。リーチがあったほうが有利そうで、私がリードじゃなくて良かった。。
6ピッチ目で安全圏に到着。そこは広々していて、ゆっくりと休める。ここでクライミングシューズから沢靴に換装。懸垂下降にクライミングシューズは不要だと思うし、なにより足が痛かったから。途中からビレイ中は靴を脱いだりしてたけど。(ロープスケールギリギリのクライミングなので、ロープアップの時間=靴を履く時間が短くて、待たせてしまって申し訳ない)
懸垂下降は、全部で6ピッチくらいやったかな・・・50mダブルと、細引きを連結させて懸垂をするのが今回の大きな目的だったが、検証していろいろと分かったことが多かった。
・太さの違うロープは結構面倒。最初のutagはまとめてコイリングしたが、やりにくいということだったので、普通に振り分けにしたが、細引き側が絡まりやすい。ちょいちょいほどきながらになるので、結構大変。時間がかかる。ロープバックに入れるのが吉か?
・途中で障害物があると引けなくなるリスクが高い。私が降りた2ピッチ目は特に障害物が多く、私ではほとんどロープがひけず、utagに力業で何とかしてもらった状況。
・他の記録にもあったが、カラビナは支点より離れたほうがひくのが楽。セカンドで降りる人がATCに細引きも通し、降りる前になるべくカラビナが自分に近いところになるように位置をずらしてから、細引き側が流れてしまわないように降りていけば、カラビナが支点に戻ることはない。降りながらカラビナの位置を徐々に下げていくこともやってみたが、ある程度安定した場所じゃないと難しい(ロープを引き上げて、送り出してあげる必要があるため)。ただし、このワザで危なそうな障害物の下までカラビナを動かせると、リスクを大幅に下げられる(余長があるときしか無理だけど)。
・なんだかんだ、1本で懸垂するのが一番楽。無理に距離を延ばさず、1本でピッチを切れるときはそのほうが良さげ。
・ルート取りも難しい。過去記録では左岸の例もあったが、今回はオール右岸。
最後のほうは斜度も緩くなってきたので、こわごわフリーで下降し、デポしたスパッツを回収。途中からは右岸尾根に道が付いてたので、そこから下降して終了。
登り始めたのは7:50頃、登り切ったのは10時半頃なので、登りは2時間40分。それに対して下りは11時に降り始めて15時ごろ出合に着いたので、なんと4時間。懸垂下降に時間がかかりすぎてる。。
ともあれ、ネット情報に大幅に助けられつつも、無事に大滝を遡下降できて経験値は上がったと思う。無事に予定していた練習山行がこなせたので、あとは本番の日程で天候と体調が良いことを願いたい。
【備忘録】
・ほとんど濡れることもなかろうと、沢用シャツではなく、Tシャツで参戦。メチャクチャ暑くて、正解だった。テルモスも持参せず。
・水は1L持参。懸垂途中で足りなくなってきて、降りてから浄水器で500ml追加。
・トランシーバーはやっぱり便利。時間がかかるときなど、状況を伝えられると安心。
・カムは、警戒して0.2-3のフルセット持ち込み。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する