立岩・荒船山(線ヶ滝〜荒船の湯BS)
- GPS
- --:--
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 1,050m
- 下り
- 1,300m
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
写真
感想
1998年版以来、18年ぶりに山と高原地図の「西上州」を購入し、御荷鉾山に登って以来18年ぶりくらいに西上州エリアに足を踏み入れた。
行き先は荒船山。臼井儀人先生が命を落とした山ということから、危険な山というイメージが強かった。休日に公共交通機関を利用して登るのであれば、三ツ瀬から登って羽根沢に下るのが唯一とり得るルートになる。しかし、立岩の鎖場は、より安全性の高い登りで通過したかったことと、荒船の湯で汗を流したかったことから、往路を線ヶ滝までタクシー利用、復路は荒船の湯からバスを利用することとしてプランニングした。
下仁田駅からタクシーで35分ほど、線ヶ滝の登山口の少し手前に、車道から滝への道がある。滝壺へは、古い螺旋階段と梯子で下る。落差35メートルの優美とも豪快ともとれる貫禄のある美しい滝である。
登山口に入ってすぐに、中級コースと書かれた立岩への分岐を右に入る。最初は新緑の中の気持ちのよい道だが、やがて前方にルンゼとその中に連なる鎖を見上げる。見た目ほど危険ではないが、谷筋を音を荒げて吹き上げる強風が怖い。鎖場を過ぎ、更に上り詰めると、俄かに南西側の眺めが大きく開け、八ヶ岳の白い頭が見えるようになる。断崖の下では木々の緑が手招きをするかのようだ。
「ヤッホー」と発声練習をしたくなる立岩の頂からは、北側の浅間山の遠望や、御岳、大ローソク、兜岩といった荒船山塊の岩峰群の近影が広がる。山頂から少し進むと、今度は南側が大きく開け、両神山や奥秩父の山々が見渡せる。立岩山頂周辺からの眺めを合わせると、360度くまなく見渡せたことになる。
さらに鎖場を通過しながら進むと、壊れた道標のある分岐点が現れる。ここは、壊れた道標に彫られた「艫岩」の表記を頼りに直進し尾根を登っていく。さらにその先、地図上で立岩分岐とあるポイントで、道標なく道が左右に分かれる。両側とも木段が整備されているが、ここは左に星尾峠方面に進む。巻き道を見送って直登していくと、祠の立つ経塚山山頂に出る。樹木に遮られ、展望はあまり利かない。
ここまではほとんど人に会わなかったが、経塚山から艫岩までは多くの人とすれ違う。現在、内山峠からの道が崩落で通行止めとなっており、マイカー利用の場合は荒船不動からのルートが最も利用されているようだ。
荒船山の甲板に当たる台地は、草原と疎林が広がる別天地。自然の造形の不思議を思う。平坦な道を歩いていくと、すぐに艫岩にたどり着く。正面に神津牧場や浅間山が大きい。佐久平の奥行きも眺められる。足元の断崖に近づかなくても雄大な眺めは十分に得られる。東屋の横から少し歩いて艫岩の東端まで行くと、妙義山や下仁田の街、関東平野の眺めがよい。
来た道をわずかに戻り、相沢への分岐を左に下っていく。最初は階段の急坂。さらにジグザグの急坂が続く。地図に「胸突八丁」と書いてあるだけはある。巨岩の下に鎮座する中ノ宮からは下りも緩やかになる。ツツジが多く咲き、目を和ませる。
相沢登山口には、車は1台も止まっていなかった。舗装路を下り、国道が近づいてくると、荒船の湯への近道を示す道標が見える。近道で屋敷川を渡った先がちょうど荒船神社の前になる。神社から荒船の湯までは歩いて3分ほど。露天風呂のある小ぢんまりとした温泉施設である。
温泉からの帰りはトラブル続きで、帰宅は予定より1時間以上遅れてしまったが、山行自体は展望に恵まれ、危険を冒すこともなく変化に富んだ充実した道のりを楽しめた。
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