日登へ導かれた恩師とジョウゴ沢2級(�検銑�+)
jazzy
その他1人 コースタイム
| 天候 | 沢に入った辺りからガス 風が粉雪を舞い上げ寒かった |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2010年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
赤岳鉱泉までは新雪が踏まれアイゼン無しでも大丈夫でした。 F2は穴の開いた氷の中で沢が中で流れていた。 |
写真
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感想
日登にて代表を務めたことも有り、一度引退したがまた現役復帰したS氏と八ヶ岳ジョーゴ沢へ。
現在はアイスクライミングに傾倒しているようだ。とても安定した堅実な登りをされると聞いていたので
とても楽しみだ。
小渕沢ICを下りて道の駅小渕沢で車中泊。5時に起きて美濃戸口駐車場へ移動し準備を整え出発する。
白銀の月光に照らされながら雪の解けて地肌の現れている林道をゆっくりと歩いていると、すぐに
周りは薄明るく視界が開けてきた。
赤岳山荘まで50分位の林道を歩いていると、その横を4輪駆動の乗用車が何台か通りぬけていく。
赤岳山荘にて朝食の蕎麦を食べることにする。何度かここを通り過ぎているが食事をするのは初めてだ。
S氏は山荘にいつも居るおばちゃんとは当然長い付き合いで顔見知りだろう。
このおばちゃんとは挨拶をしたりほんの片言の立ち話はしたことはあるが、結構人見知りする人なのか
余り感情を表に出さない人だったが今日は今までとは少し違うようだ。
なかなかボリュームの有る山菜蕎麦で腹を満たし赤岳山荘までの道のりを再び歩き始める。
一昨日の夕方、本州では結構強い雨が降り続いていたので山道には真新しい雪が降り積もっている。
ただやはり人気の八ヶ岳、すでに2人くらいは新しい踏み後が見られるようだ。
赤岳鉱泉へ到着すると人口アイスクライミング練習場のアイスキャンディーが凛とした風貌で佇んでいる。
2週間前に訪れたときよりは凍りも大分発達し大きくなっている。これならちょっとしたオーバーハングを
体感した登りを練習するラインもいくつか取れるだろう。
風の当たらない休憩スペースでハーネスを付けたりしながら装備を整える。赤岳鉱泉からジョーゴ沢までは
15分位で到着することができるとガイドブックには書かれていた。
硫黄岳への分岐を越え大同心稜への分岐、裏同心への分岐を越え一般登山道の目印のロープを跨ぎジョーゴ
沢へ向かって入っていく。この辺りから自分達が先頭を歩いているらしく踏み後が所々消え始めている。
膝下くらいのラッセルも交えつつまず最初の氷爆F1へと到着した。踏み後は右を巻いて上がっている。
ここで初めてアイゼンをつけアックスの出番がやってきた。
見た目の傾斜も緩く長さも無い。一応「ロープを出しますか」と声をかけると「いや、どお、登れる?」
と聞かれたので「ハイ」と応えそのまま登っていく。問題は無い。
F2へと到着する。今度は先ほどと違い凍った滝が立っているし長さもそこそこ有る。しかも下の方に穴が
空いていて見ると沢が勢いよく流れている。その辺りの氷は明らかに薄そうだ。ここですぐにロープを出し
ビレイの準備を始める。S氏は淡々とスクリューを決めながら登っていく。続いてフォロー。スクリューを
回収しながら登っていく。やはり回収している間の身体への負荷が大きい。慣れていないので今ひとつ
スムーズにいかない。上まで抜けロープをしまうと再び歩き始める。前回の好天とはうって変わり空は
雲で覆われ降り積もった新雪は風に巻かれて舞っている。
ナメ状の滝をいくつか交えながら脛くらいのラッセルで登っていくとS氏は「こりゃあ正月のガイド登山の
ラッセルを付けてやってるみたいだなぁ」と交代でラッセル。。
両脇を岩稜に挟まれた渓谷を登っていく。所々風の抜け道になっているので動いているときは寒さはそれ程
感じないが止まっていると身体の末端から体温を取られていく。
最初の大滝へと到着するとその見事な景観に見入ってしまう。上部に有る笠状の氷の張り出しはどうやって
できたのだろう。モノクロの世界の中に立ち上がる大自然の息ぶきを目の当たりに感じているようだ。
ロープを出しビレイの準備を始める。滝の左側は穴が開き、直上だと氷の笠にぶつかる。少しトラバース気味に
左上していき上部に支点をとり下りてきた。初め上でビレイして引き上げようと思ったそうだが余りの寒さに
下りてきて下でのビレイにしたそうだ。自分もビレイしている間ジッとしていると身体が硬直するので殆ど常に
身体を動かしていた。
次は自分がトップロープで登っていく。見た目は90度は無くスタンスも有りそうなので十分いけそうだ。
しかしビレイ中に身体が冷えて動きづらくスクリュウの回収がうまくないのでだんだんと効いてきた。先程
S氏はトラバースを少し窮屈な姿勢でやっていたので自分はもう少し上まで上がろうと垂直の部分を登り始める。
しかし柱上に氷が立っているので、アックスを強く決めようと強く打つと氷が割れてしまう。少し浅めに
アックスを決め身体をゆっくりと持ち上げていると、ここでアックスが2本とも抜けた。。フォール。。堕ちた。。
大ショック。。そこから気お取り直しゆっくりと上まで登り凍えた手で支点を回収し懸垂で下りる。支点は
人気のゲレンデだけ有りガッチリとしたボルトが岩に打ち込んで有った。
ここで新たに3人ご登ってきたが大滝をスルーしていった。自分達もロープを回収し先へと進んでいく。
少し左上した所に小さな氷バクが現れた。どうやらこれがナイアガラと呼ばれている滝らしい。正直小さい?
このナイアガラで自分はリードをとらせて貰う事になっていたが、S氏は「どうする。やる?」と。
ただこの先自分のリードを取れる場所は無い。ここで初リードをとらせてもらう。長さ的にはスクリュー1本で
十分な高さだ。先程の3人パーティーも取り付いている横で挑戦してみる。初め垂直に立った状態でスクリュウを
試してみようとするが、これがつらい。2本爪のアイス岩兼用だが、とても前爪が効いて立っている感じではない。
やばくなってきたので、そのまま傾斜の緩いところまで登りスクリューを取り出す。氷を平らにならしスクリューを
片手で刺そうとするがなかなか入らない。落としそうになりながらも何とか回し込んでロープをかけ上まで抜けた。
スクリュー1本でこれほど苦労するとは。。リードはまだまだだな。。
ナイアガラを撤収し右へとトラバース気味に進み最後の大滝へと進む。ここでもラッセルを強いられ風も強い。
壁に近く風当たりの弱いところで行動食をとることにする。この時点で13:20。当初の予定の硫黄岳まで登り赤岩の頭
経由で赤岳鉱泉へ戻るには時間が無くなってしまった。
最後の大滝もS氏リードで自分がフォローする。先程と同じく上は風ビュービューなのでトップロープで登ることに
なる。今回は安定した登りをしようと一つ一つ丁寧にいく。がスクリューの回収でどうしても消耗する。ここでスリップを
してしまい思わず「チキショ〜」と声が。。凍える指先で支点を回収し懸垂で下りる。
そのまま懸垂を交えつつ来た道を下山。他に2パーティーが途中まで登ってきていたが下見?赤岳鉱泉ではガイドの
渡辺篤夫さんと遭遇。2週間前にもお客さんを連れていらしてた。ここで装備を入れ替え下山。赤岳山荘はまたもや蕎麦を
食べ腹を満たしたところで暗い中美濃戸口駐車場へ。寒波の中、冬山の厳しさを肌で感じることのできる充実した山行
になりました。同行させて頂いたS氏には感謝です。
今回は前回にもまして多くを得ることができた。氷爆の見た目は十分いけそうだったが、その他の条件により困難さが
はるかに増してしまう。まず装備をもう一度見直さなければダメだ。今回左手のアックスに緩めのワンカーブのアックス
を使っていたが、これだと氷に手をぶつけ易く、又一度アックスから手を放し持ち直すと表面から少し持ち上げてしまい
アックスの効きが甘くなってしまう。またスクリューを操作するのに左手だけで身体を支えるのにリィーシュが有った
方が弱冠楽になる。あと落とし防止のアックスのバンドの見直し。それとハーネス周りをもっと効率の良い方法を考え
なければ。
正月山行としてS氏にはるかに難度の高い氷爆へと連れて行って頂く予定だが多くの不安を残す内容となった。残る時間
できる限りの準備はしておこう。
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