鳳凰三山(オベリスク登攀2016.07.24)



- GPS
- 32:00
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 1,792m
- 下り
- 1,790m
天候 | 23日曇り 24日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
オベリスクのピーク直下までは通常のハイキングレベルでも登れます。 左側からオベリスクの肩まで登り、左肩から裏に踏み後が続いています。 裏に出ると”ホーオー三山”と書かれたプレートがあるのでその横の穴から オベリスク正面のピーク直下に出れます。 オベ登攀に持参したギア類(使用○不使用×) NP Camalot0.75 ×, Camalot1 ○, Camalot2 ○ スリング 60cm×3 ○, 120cm×2 ×, 240cm×1 ○ プーリー ロールンロック×1 ○, フィックス×1 ○ ロープ 20m(ツインロープ)○ クイックドロー 3本 × ヘルメット×1 ○ ハーネス×1 ○, スワミベルト&簡易チェストハーネス×1 ○ カラビナ ロック付5枚○, 通常3枚○、捨てビナ1枚 × プロテクションはハンガーなどが皆無なクラッククライミングなのでカム等の NPデバイスが登攀のキモとなります。上部の鎖までならC2とC1が各1本でOK。 上部の鎖を使わずフリーにこだわるならC2が2本、C1が3本あれば安心。 下降に使う懸垂支点は上部鎖の終了点に残置カラビナがあるのでそれを使うが この終了点はハンガーで固定されていない状態で、太さ5cmくらいの鉄管の中に 鎖が消えており、おそらく鉄管の下でクサビのようなもので固定されているはず。 上方向に加重を架けるとすっぽ抜けの危険性があるので懸垂には十分な注意が必要。 フォローのビレイは上記の終了点ではもろに登攀コース上なのでここでのフォロー ビレイは不可能。向かって左側の岩塔に古いが効いているハーケンがあるので ここでビレイするしかない。 しかし昔のハーケンなのでしっかりとバックアップを取る必要がある。ハーケンの 左奥に浅いがC2〜C3がキマりそうなクラックがあるのでこれを使うか、上に すっぽ抜けの危険性を考慮しながら240cmスリングを岩塔に回してバックアップとし、 固定分散にて支点を構築する。ピークは以外に広く、4人くらいなら入れる。 登攀の長さは約9m弱。グレードは短いことを考慮せずともおそらく5.8程度。 クラックになれたクライマーなら何ら問題ない登攀になると思う。 |
写真
感想
所属する山岳会で100名山ハンターのために鳳凰三山の企画があることを知り、
以前から狙っていたオベリスクの登攀をお願いして今回のトライとなった。
ハイキングと異なりクライミングは1箇所で時間が掛かる。せめてものお礼として
鳳凰小屋のテント場をダッシュでGETすることを他の参加者に約束し、2張分の
テントをザックに詰め込んで青木鉱泉から一目散に鳳凰小屋を目指す。
このドンドコ沢コースは滝の種類が豊富でのんびりと登山するには良い登山道なのだが、
今の私はそのような風流な鑑賞は許されない。イノシシのようにテンバに直行だ。
スタートから3時間半。無事鳳凰小屋に到着するとテンバはガラガラ…。お蔭で
人の往来が少ない良い場所を取ることができた。
小屋番にオベリスクの情報を伺うとクラックに垂れ下がっていたロープは地元の
山岳会が撤去したとのことで現場には何もないと言われて事前に調べた情報が古くて
当てにならないことが判明する。しかし整備するにしても下降する際に懸垂下降する
はずなので何らかの支点になる箇所はあるはず。持参した装備で突破できるはず
だと自分に言い聞かせてその日は眠りについた。
翌朝、予定を1時間早めてクライミングの時間を作ってもらう。
樹林帯を抜け、白砂の登山道を登っていくとオベリスクの巨大な姿が見えてきた。
天気は晴れ。下界は雲海が広がり富士山も顔を出している。北岳、間ノ岳、甲斐駒など南アのオールスターそろい踏みである。それにしてもオベリスクは凄く存在感がある。
あれに登るかと思うと楽しみでしょうがない。いそいそとハーネスを着け準備にかかる。
ロープなどの人工物はなくなっても取り付きの情報は古くならない。情報通りに
オベリスク裏から正面のピーク直下の取り付きに出た。見上げるとロープはないが
鎖がある。あれ?何もないと聞いたけど…。よく見ると鎖は上部と下部に別れており
頼りないロープもクラックに引っかかっている。鎖があるなら終了点で懸垂できる。
心配は杞憂に終わった。
登攀を始める。下部はハンドサイズのクラックでジャミングがバチ効きである。
しかし思ったほど綺麗なクラックではなく、カムをキメる箇所を選ぶ感じだ。
ここではC2を使用して1ピン目をクリップ。
右壁のチッピングされたホールドに足を乗せ、ジャミングをキメながら登ると
下部の鎖が目の前に来る。良く見えないなりに観察すると設置されている印象はなく、
クラックに引っかかって鎖が垂れている状態だ。
これには触らないほうが良い。たとえ静加重であっても崩壊する可能性がある。
ここでC1で2ピン目をクリップ。左手ジャミング&右手パーミングで体を左にプッシュし、
左半身のフィリクションと足のバックステップで体を引き上げると上部の鎖が
目の前にきた。
ここまで来たがカムの残りはC0.75のみ。一度下降してカムを回収し再度登り返す
のは面倒なので鎖からスリング+カラビナでクリップしようかと思うが墜落加重に
耐えられるか怪しいのでなるべく加重をかけないように鎖を引きながら残り2mを
登攀してピークに立った。
ピークで支点を構築して1/5引き上げシステムにてビライヤーのS氏とN嬢を引き上げる。
本来はクライマーにしか眺めることができない光景に両氏とも大満足してくれた。
下降はもちろん懸垂下降。鎖の終了点からの懸垂は慣れていないと危険なので両氏は
私が自分で構築した支点で下降してもらい、鎖の終了点からは私が懸垂下降して
ロープを引き抜き、全員無事に登攀完了となった。
レコ、楽しみに待っていました♪
そうやって登るんですね。
登り方が分かって、スッキリしました。(自分が登ったわけでもないのに)
お疲れ様でした。
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