「スナフキン(弟)と歩く」 黒沢口から御嶽山(摩利支天山)
- GPS
- 08:07
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 1,318m
- 下り
- 1,315m
コースタイム
- 山行
- 7:13
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 8:08
三ノ池乗越〜摩利支天山はソロでピストン
天候 | 曇/晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
トイレ 登山届ポストあり 広い駐車場です |
コース状況/ 危険箇所等 |
【中の湯〜女人堂】 木道と階段で歩きやすい。段差も小さいので助かる 【女人堂〜石室山荘・覚明堂】 傾斜がきつくなり石も多くなるが視界が開け心地よい 【覚明堂〜賽の河原〜三の池乗越】 広々とした御嶽山頂上。危険個所は特にない。 【摩利支天乗越〜摩利支天】 急斜面のトラバース道。細く険しい箇所あり。 |
その他周辺情報 | 木曽温泉 入浴料600円 ※有料コインロッカー100円 http://www.kiso.ne.jp/~onsen/ |
写真
感想
TOKYOから帰郷中の弟と御嶽山ハイクに行くことになった。
山登りに興味ありそうな彼に対し、「これはいいパートナーができたぞ」と喜んだ私は、昨年宇連山へ連れて行った。しかし、少々過酷な山行だったらしく疲労困憊満身創痍になってしまい、数カ月股関節の痛みで苦しむというおまけ付き。若干虚弱体質は否めないのだが悪いことをしてしまった。それでも山登りは楽しかったらしく、その後低山ハイクを数回行っていた。
「お盆の帰郷に山登り行ってもいいなぁ」ということになり、森林限界の絶景を見せてあげたくて色々と物色。「御嶽山なら何とかなるかなぁ」と彼にプレゼンしてみた。山の難易度、美しい絶景の数々、苦労に対する費用対効果、etc。私に騙されまいと疑いで満ちた彼の”氷結ハート”を少しずつ溶かし、無事決済を頂戴する。
しかし、その後も自らで御嶽山レコ調べ、不安から生じる質問を私に浴びせてきた。仕舞には面倒くさくなった私。「ダメなら途中で引きかえせばいいじゃん」と言うと「目的地までいけないなんて格好悪い」と弱気だか強気だかわからない回答が返ってきた。
そして「目標は五ノ池小屋、余裕あれば継子岳、最低でも三ノ池が見えるところまでは行く」という私の提案に対して、「いやいや、目的地を二ノ池にしておけば撤退(という後味悪い結末)の可能性は低くなる」というよく分からない理屈で合点していた。目標設定を落とした時点で十分格好悪いと思うのだが...。
朝1:40頃出発。弟はあまりの早出に不満を言う。仕方ないので、車中で寝て体力温存することを提案したら納得していた。そして、長距離ドライブ&長時間ハイクを行う私の体力を心配(というか不安視)していた。これだから素人さんは困る。(油断禁物だが)こちとら毎度のことですよ、こんなことは”日常ちゃめしごと”なのである。
■スナフキン(弟)、一歩一歩しなやかに登っていく
AM5:20 6合目中ノ湯を出発。今回は黒沢口登山道を選択。覚明行者によって開かれた最も古い登山道で、御嶽教、木曽御嶽本教に最も関わりの深い登山道でもあるらしい。確かに白装束を着られた方々に何人か出会った。
曇空は残念だが気温は低くて助かる。そして木道や段差の低い階段が続き歩きやすい。
弟は登山道具をまだ揃え切れていない。にもかかわらず、虫に対して異常なほどの恐怖心を抱いている彼は、”バグネット”とどこで知ったのか”自家製ハッカ水”まで準備してきていた。”対虫耐性の絶対防御”であるらしい。ちなみに、本日バグネットを使していたハイカーは彼だけだった。
さて、高身長、軽体重の弟はヒョロ長い。ツバの深いハットとグリーンベースの服装は何やら”スナフキン”or”ノッポさん”の体であった(今回は大好きなスナフキンということにしておく)。
スナフキン(弟)はマイペースを保ち、ゆっくりとしなやかに登っていく。私も先導しつつユルリと登った。計画は標準CTの80〜90%。動かなくても汗をかくような私なので、ゆっくりペースでも一般ピープルなみにウェッティーなのだが、いつものような滝汗ではないので快適。直ぐに水没するモンベルキャップの性能を疑った時もあったが、なるほど普通は水没しないのね。始めは慣れないペースに戸惑ったが、慣れれば疲れないし楽ちんだ。
女人堂で小休止をとり、ここからいよいよ本格的な登山道になってくる。
■スナフキン(弟)、奇跡の晴間のぞく森林限界に感動す
いよいよ森林限界らしい雰囲気になってきた。涼しい風も吹くようになり心地よい。まぁ、脂肪の少ないスナフキン(弟)は「寒い」と驚いていたけど。
途中では前日からの宿泊者ともすれ違い始めた。小さなお子様を背負って下山される力強い”山ママガールさん”にも出会った。夫婦で山登りを趣味とし、生まれたお子さんがやっと山に連れてこられる年齢(かなりギリだと思いますが)になり、背負って何とか登山...といったところでしょうか。勝手な想像が膨らみます。
視界が一層開けた辺りで、急にガスが流れ始め、青空と美しい山容、迫力の稜線が姿を現す!これぞ高山ハイク歓喜の瞬間である。「おお!このタイミングで晴れるとは...このスナフキン(弟)持ってるな」と感心する。
頂上に近づくにつれ岩が多くなり、登りづらくなってきたが、絶景に支えられ何とか稜線上まで上がる。そして、そこはまさに”雲上の世界”だった。
■スナフキン(弟)、灰色の世界に佇む
ニノ池に到着。ハイカーは数名。ハイシーズンだと思うのだが、まだまだ訪れる人が少ない様子。
一面灰色の荒涼とした風景の中で、ニノ池の得も言われぬブルーの水面が神秘的で美しくもある。隣には、厳しい表情を浮かべ、何を想うのか一人たたずむスナフキン(弟)。まぁ、ただお腹が減っていただけなのかもしれないけれど。
独りのハイカーさんが、剣ヶ峰を眺め、目に光るものを浮かべていらっしゃったのが印象的だった。
■スナフキン(弟)、自らを見つめこの場所をゴールとす
賽の河原は広大な台地であった。前方には摩利支天山、後方には剣ヶ峰、本当に美しい。ケルンのような小石を積み上げた塔が無数点在する「なるほど、賽の河原っぽいな(行ったことないけど)」
三ノ池乗越まで上がれば三ノ池が見える。急ぎ上り詰める私。一方慌てないスナフキン(弟)はゆっくりと後から登ってくる。
そこに広がる景色はまさに桃源郷。照らされた三ノ池ブルーの水面が光り輝いていた。「どうだ!スナフキン(弟)。感動が怒涛の如く押し寄せてくるだろう!」と内心ほくそ笑む。しかし、スナフキン(弟)の表情は至って平静「う〜ん、凄いねぇ」の一言で味気ない。でも私は知っている。静かなさざ波の如き表情の裏には、深く突き刺さるような感動がじわじわ上がってきていることを。
摩利支天山をどうするか尋ねると、「まだ行けるとは思う。しかし無理はしない。ここが今日の私のゴール」との見解。なるほど。
ということで、ソロで摩利支天山ピストン。急斜面のトラバースは今までの山道とは違い険しかった。彼を連れてこなくて正解だったかもしれない。
■スナフキン(弟)、下山の苦しみを味わう。
登りは思いのほかサクサクと登れた。さて、下山は如何に?
相変わらずのマイペースぶりで足を壊さないように下りてくるスナフキン(弟)。それでも他のハイカーを抜くぐらいのスピードはある。
途中、白装束を着たご年配の女性とすれ違った。なんと、彼女は裸足で登ってきている。度肝を抜かれました。「写真におさめてレコにアップしたいなぁ」などと悩んでいると「プライバシーを尊重しなさい」とスナフキン(弟)にたしなめられる兄。でも、スナフキン(弟)の画像は遠慮なく使われてしまうことを彼は知らない。
次に、シューズの底が剥がれてしまって難儀しているハイカーに遭遇。「おお、人助けチャ−ンス(不謹慎な表現)」とばかりに声をかける私。瞬間接着剤と結束バンドを渡して応急処置を行う。何とか下山できそうな状態になると感謝の言葉をいただいた。
ちょっとキザな言い方かもしれないが、山で困っている人の役に立ててとても嬉しかった。今まで幾度かピンチを救っていただいた経験があるので、いつか恩返しできる日が訪れるようにと応急処置キットを持参していた。やっと使われる時がきた...無駄ではなかった”ただの負荷”と化していた過去の日々よ。
女人堂を超えたあたりから、スナフキン(弟)のペースが落ち始める。足は痛くないようなのでスタミナ切れだろうか。
「今どこ?」「まだ?」「あとどのくらい?」「長い...」「よくこんなに登ったなぁ...」のあるあるセリフのオンパレード。「そうだね、そうだね」と、初めて巣から出る我が子を見つめる親鳥の如き心境の兄。ゴールの駐車場では達成感と安堵感で一杯だったであろう。
■スナフキン(弟)、露天風呂でも格闘す
帰りは温泉に入った。少々濁りの強いお湯だったが心地よかった。露天風呂にハエ叩きがあったので嫌な予感したのだが、虫大嫌いのヌードなスナフキン(弟)はここでも格闘することになった(悲)。
ちなみに、
「今日は虫が少なくて助かったぁ」とは私の感想。
「今日は虫が多くて大変だったぁ」とはスナフキン(弟)の談。
笑える…
つっこみどころ、満載ですが…
ぜひ、スナフキンとの山旅をシリーズ化してほしい…
スナフキン、足は大丈夫だったかな。
akakiriusagiさん こんにちは
スナ(弟)は
次の日筋肉痛で階段下りもしんどそうでした。
年に数回一緒に登る程度ですが、
また機会がありましたら
彼の成長ぶりをご覧ください
引っ張りこまれましたね。
いいことです。
最初はだれでも大変なんですが、だんだんと○○に近づいていくのです
素晴らしきパートナーの誕生に乾杯ですね
御嶽、いろいろ感じることの多かった山ですが、素敵な山ですよね。
そんな山に連れていってもらえたスナフキンさんは幸せです
totok さん こんにちは
スナ(弟)ですが、
彼が○○になる日なんて来るのでしょうか...
でも、
今回の山行で何か感じるところあったような気もします。
御嶽山
本当に良い山ですよね。
登山道も大分通れるようになったと思うのですが、
他の山に比べまだまだハイカーの姿が少ないと感じました。
まぁ、
空いてるうちにちょくちょく登りたいと思います
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する