湯河原幕山

過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
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5509.xls
計画書
(更新時刻:2012/01/29 05:00) |
感想
幕山にて道迷いによる遭難があり捜索にいってきました。
登山関係者 14 名、そのほか消防、警察で捜索を行いましたが当日の発見に
は至りませんでした(後日、事故発生後一週間ほどたって遺体で発見されま
した。)
今回は捜索の難しさを実感しましたので、その点をまとめておきます。
まず、道迷いの場合、どのように捜索すべきか標準的な方法はありません。
雪崩などはそれなりの捜索方法が確立されていますが、もっとも身近な道迷
いについて捜索方法が確立されていないのは驚きではありました。
■捜索側の心得
・いきなり遭難者をピンポイントで見つけるのは難しいので痕跡を見つける
つもりで捜索をしたほうがよい。
ビバーク痕、残したゴミ、雪に残るトレース、ヤブのふみ痕など
・これらを見つけるためには遭難者がどのような場所でどのように行動する
か想像する必要がある
ビバークしそうな場所、滑落しそうな箇所、迷いやすそうな場所など
■捜索側の装備
・拡声器
声が通らないこともあるので、救助要請者への呼びかけに利用。
・双眼鏡
場所によっては役に立つか。
・無線機
警察の無線はデジタル化されており、民生品とは交信できないと言われま
した。とはいえ、捜索隊内部での連絡には必須。
・携帯電話
電波が通じれば有効。
今回は捜索隊で無線機がなかったため携帯電話で連絡をとりました。
・基本的な岩登りレスキューセット
ハイキングでの道迷いであっても、道から外れていればロープを使う必要
はあります。ロープ、ヘルメット、カラビナ、スリングなど懸垂下降、引
き上げができる程度の装備は最低限必要。
■道に迷ってしまった側の心得
・迷ったらまず周囲を見渡し目印を見つける。次に地形を頭に入れる。
目印とは、大きな尾根、岩、沢、滝、電波塔、ピークなど。
できればそれを時間とともにメモにとる。
救助要請する場合、どこをどのように通って現在地にいたったか連絡する
ことが大切です。
捜索隊は、それらの情報をもとに遭難場所を見つけに行きます。そのとき
歩いた道をそのとおりにトレースすることが多いはずです。
・迷ったと思ったら歩いた道に痕跡を残すこと。
痕跡とは、ヤブをかき分けた痕、足のふみ痕、枝を折った痕など。
ボーイスカウトでは、木の幹にナイフで切れ込みを入れたり、木の枝を
折って後続者に行き先を示す方法を教えています。これは有効。
赤テープなどがあればそれを枝などに巻く。
また自然保護の観点から非難されそうですが、ゴミを少しずつ落とす、用
をたすなど人が通ったことを示すのも有効。
・救助要請したらその場を動かないこと
捜索側は尾根、沢をシラミつぶしに歩き回ります。そのとき救助要請者が
動き回ったとしたら、また同じところを探さなければなりません。
動きまわることによる滑落などのリスクも高くなります。
動き回らず、ビバーク覚悟で体力温存することが大切です。
また、山火事に注意して焚き火をたければ、煙、匂いで居場所がわかり易
くなります。
遭難者からの反応が期待できない状況での捜索は、まさに砂浜に落とした
針をみつけるようなもので困難です。救助側、遭難した側ともに相手がど
のように動いたか想像しながら行動することが大切です。
意見、批判などありましたら今後の参考のためにお聞かせください。
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