大菩薩嶺〜大菩薩峠〜玉蝶山〜榧ノ尾山〜大マテイ山

2017年07月16日(日) [日帰り]

• GPS: 05:43
• 距離: 18.6km
• 登り: 976m
• 下り: 1,839m

コースタイム

日帰り

• 山行: 5:16
• 休憩: 0:27
• 合計: 5:43

8:37 上日川峠
8:52 8:56 福ちゃん荘
9:30 9:32 雷岩
9:39 9:40 大菩薩嶺
9:48 9:48 雷岩
9:56 9:56 神部岩
10:08 10:09 賽ノ河原
10:12 10:12 親不知ノ頭
10:20 10:23 大菩薩峠
10:36 10:36 熊沢山
10:46 10:54 石丸峠
11:05 11:08 米代(長峰分岐)
11:21 11:21 玉蝶山
11:48 11:48 榧ノ尾山(川入・ホンゴウ)
12:31 12:31 狩場山
12:37 12:37 ショナメ
12:46 12:47 大ダワ(棚倉)
12:57 13:00 大マテイ山
13:17 13:18 山沢入りのヌタ(小菅の湯方面分岐)
14:20 小菅の湯

天候

曇り

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

行き：JR甲斐大和駅から上日川峠まで栄和交通のバスに乗車（※7:45発の臨時便）
　　　上日川峠バス停から徒歩
帰り：小菅の湯バス停まで徒歩
　　　小菅の湯から大月駅まで富士急バスに乗車

コース状況／危険箇所等

危険箇所：特になし。

その他周辺情報

小菅の湯に隣接する「道の駅こすげ」には物産館とレストランがあります。
また、道の駅の店外ではヤマメの塩焼き（450円）が売られています。

写真

7/16 8:28

甲斐大和駅で下車して、栄和交通のバスで上日川峠までワープ！今日はここがスタート地点です。

7/16 8:30

上日川峠バス停の向かいには、ロッヂ長兵衛がありました。

7/16 8:31

上日川峠の公衆トイレを借りた後・・・

7/16 8:37

まだ登ってもいないのに、ロッヂ長兵衛で大菩薩嶺の山バッジを購入(笑)

7/16 8:39

登りはじめはとても歩きやすい道でした。

7/16 8:48

既にカラマツやウラジロモミなどの常緑針葉樹が多く、見慣れた丹沢や箱根の山とは全く違う雰囲気です。

7/16 8:54

福ちゃん荘に到着。普通の山小屋なので、かつてここに赤軍派が陣取って「大菩薩峠事件」が起きたとは信じがたいです。

7/16 8:58

福ちゃん荘から雷岩へと登る道は、"唐松尾根"というだけあって、カラマツが非常に多いです。

7/16 9:14

唐松尾根の道は、前半は真っ平らな道が続きますが・・・

7/16 9:20

途中からカラマツが消えて、開けた岩っぽい道に変わりました。

7/16 9:22

下からガスが迫ってきた！

7/16 9:26

花期が終わりかけのサラサドウダン。

7/16 9:31

雷岩に到着しましたが、ガスで何も見えません・・・

7/16 9:34

ウラジロモミの葉。葉はモミとそっくりですが・・・ウラジロモミの樹皮は赤みを帯びた灰褐色ですが、モミは灰色なので樹皮で見分けがつきます。

7/16 9:39

コメツガ。トウヒやシラビソなどの常緑針葉樹とともに亜高山帯の林を形成します。

7/16 9:40

雷岩から5〜6分ほどで大菩薩嶺に到着！

7/16 9:40

常緑針葉樹の合間にナナカマドが生えていましたが、この辺りでは高木性の落葉樹は少数派です。

7/16 9:45

葉の裂片の先端が尾状に伸びているので、これはおそらくコミネカエデだと思います。

7/16 9:47

亜高山の林床で広く見られるマイヅルソウ。家紋の舞鶴紋に似ているからマイヅルソウという名になったそうです。

7/16 9:51

カラマツの新芽はフワッとしています。

7/16 9:52

凄いガス・・・雨が降ってもおかしくないです。

7/16 9:54

トウヒ。クリスマスツリーとして売られているのは、実はモミではなく、トウヒの仲間（ドイツトウヒ）です。

7/16 9:57

標高2000m地点。どうやらここが神部岩というところらしいです。

7/16 9:59

ガスが凄くて、まさに先行きが不透明・・・

7/16 10:02

ちょっとした岩場もありますが、高度感は全くありません。

7/16 10:04

岩場で根を張っているこの草は、おそらくウスユキソウだと思います。

7/16 10:08

賽の河原。避難小屋とケルンが目印です。ところで、賽の河原の避難小屋は扉が開かないようですが、これで大丈夫なのでしょうか？

7/16 10:09

常緑針葉樹が散在していて、亜高山帯の尾根らしい景色です。

7/16 10:12

親不知ノ頭の手前からの一枚。ガスっていても雄大さを感じます。

7/16 10:13

親不知ノ頭。晴れていれば、ここからの展望も素晴らしいそうですが・・・

7/16 10:15

オトギリソウの仲間だと思いますが・・・イワオトギリでしょうか？

7/16 10:17

大菩薩峠から、辛うじて大菩薩湖が見えました。

7/16 10:21

大菩薩峠に到着。大菩薩峠は人でごった返していましたが、峠にある介山荘でまたしても山バッジを購入しました。

7/16 10:24

介山荘裏で群生するマルバダケブキ。これも鹿が食べない草です。

7/16 10:24

介山荘裏には公衆トイレがあったので、ありがたく利用させて貰いました。

7/16 10:27

熊沢山に向かって、荘厳な感じがする常緑針葉樹林の間を抜けていきます。

7/16 10:37

熊沢山。ここを過ぎると、石丸峠へ向かって一気に下って行きます。

7/16 10:40

石丸峠への道。ガスが無ければ、小金沢連嶺の大展望が広がっていたはず・・・

7/16 10:42

左手前に見えるピークが天狗棚山。右奥でガスに隠れている山が小金沢山だと思います。

7/16 10:47

石丸峠。この先で休憩できそうな場所がないので、石丸峠の岩に腰掛けて昼食を取りました。

7/16 10:48

今日のお昼はハムタマゴのサンドイッチ。これを食べ始めたら、なぜかマルハナバチっぽい蜂が私の周りをグルグルと飛び回りました。

7/16 10:52

私の中で定番の魚肉ソーセージ。これを食べ始めたら、クロスズメバチ(？)が私の顔をめがけて何度か突っ込んできました(涙)

7/16 10:58

今日は牛の寝経由で小菅へ向かうので、左手の道に入ります。ちなみに、右手の道を進むと小金沢山方面に行けます。

7/16 10:59

コハウチワカエデと思われるカエデ。じっくり観察しようと思ったら、スズメバチが襲ってきたので退散する羽目になりました。

7/16 11:00

牛の寝尾根に入ると、岩っぽい道はほとんど見られず、歩きやすい道が続きます。

7/16 11:07

トウゴクミツバツツジ。ミツバツツジではないことを確認するために、つい葉柄の長さを見てしまいます。

7/16 11:07

"長峰"への分岐点。山と高原地図だけでなく、この標識にも「長峰方面は踏み跡が不明瞭」と書かれています。

7/16 11:08

この辺りは低木や下草も豊富で、良い状態で落葉広葉樹林が残っています。

7/16 11:09

シナノキ。見た目の特徴に乏しい落葉樹ですが、樹皮の繊維が丈夫なので衣服やロープを作るのに使われていたそうです。

7/16 11:20

爽やかな景色です・・・

7/16 11:22

玉蝶山。登山道から少し離れた所に立派な標識がありました。

7/16 11:32

ダケカンバ（右）とウラジロモミ（中央）。標高が下がると、この2種に変わってブナやミズナラが増えてきます。

7/16 11:34

ここは自転車が走れそうです(笑)

7/16 11:37

牛の寝の大ブナ。登山道脇に圧倒的な存在感で鎮座していました。

7/16 11:38

行き先が"山道"になっている標識。ここも山道なんですけどね・・・

7/16 11:46

牛の寝の大ミズナラ。地表近くから萌芽した痕跡が無いので、この辺りは薪炭林として利用されていなかったようです。

7/16 11:49

樹林が途切れた場所にはアカマツが生えていました。

7/16 11:49

ここが榧ノ尾山ですが・・・展望がありそうで無かったです。

7/16 11:55

イヌブナ。葉が生長しきっても葉裏の葉脈沿いに毛が残るだけでなく、ブナと違って葉の両面に光沢が無いのも特徴です。

7/16 12:00

ハウチワカエデ。天狗が持っている団扇に似ていますね。

7/16 12:07

いつの間にか・・・下草が無くなっている！

7/16 12:18

ここも下草が皆無です。10年以上前は、牛の寝一帯の林床はスズタケなどの笹で覆われていた記憶があるのですが・・・

7/16 12:29

スカスカの林床に残っていたフタリシズカ。

7/16 12:32

登山道から少し北に逸れて、狩場山の山頂に到着。

7/16 12:46

スカスカの林床で、鹿が食べないオオバアサガラだけが繁茂していました。

7/16 12:46

大ダワ分岐から、松姫峠方面に向かって進んで・・・

7/16 12:48

1分ほどで着く分岐で、大マテイ山に直登するルートに入りました。

7/16 12:52

明るい林ですが、ここも下草が皆無です。

7/16 13:00

大マテイ山の山頂に到着。ベンチでゆっくり休もうと思ったら、またしてもスズメバチが襲撃してきたので、早々に退散することに・・・

7/16 13:06

大マテイ山から下った所にある標識。この辺りは標識がしっかりしているので安心です。

7/16 13:18

ついに標識に"小菅の湯"が出てきました。ゴール地点はもうすぐです。

7/16 13:20

枯れ落ちたホオノキの花。

7/16 13:26

巨大トチノキが突然姿を現しました！幹の直径は1.5mほどあるでしょうか？

7/16 13:27

すぐ隣にも、別の巨大トチノキが生えていました。

7/16 13:29

土砂で埋まりかけた桟道は、踏み抜かないように慎重に渡ります。

7/16 13:31

アワブキ。「アワブキの枝を火にかけると、切り口から泡を吹く」という話を聞いたことがありますが、本当なのでしょうか？

7/16 13:33

谷間もスカスカで下草がありません・・・

7/16 13:34

谷間で見つけた草。ナス科のイガホオズキっぽいですが、判然としません。

7/16 13:35

沢沿いには20mほどの長い桟道もありました。

7/16 13:37

スギやヒノキの人工林が出てくると、ようやく人里近くに降りてきた感じがします。

7/16 13:47

半日陰の谷間にはワサビ田がありました。

7/16 13:49

猫が大好きなマタタビ。山地では林縁でよく見かけます。

7/16 13:50

小さな沢の冷たい水で、顔を洗ってスッキリしました。

7/16 13:54

タマアジサイの蕾は、まだ固く閉じていました。

7/16 13:56

ここから車道歩きになりますが、車道終点はここから少し下った所にありました。

7/16 13:59

蒸し暑い陽気ですが、沢を見ているだけで涼しくなってきます。

7/16 14:00

ここが車道終点。駐車スペースはありません。

7/16 14:03

鹿よけネットの向こうで、ギンバイソウが花を咲かせていました。

7/16 14:09

小菅の湯14:41発の富士急バスに乗るため、車道を急ぎ足で下りました。

7/16 14:11

谷沿い〜斜面下部に沿って車道が付けられているので、車道脇にはヤマアジサイが沢山生えていました。

7/16 14:13

あれが小菅村と丹波山村の境にあたる鹿倉山でしょうか？

7/16 14:13

ヤマユリは開花直前。

7/16 14:17

小菅の湯までラストスパート！

7/16 14:17

ヤマメの郷として知られる小菅村なので、マンホールもヤマメでした。

7/16 14:19

ゴール地点の小菅の湯に到着！

7/16 14:27

小菅の湯に隣接する道の駅で、名物のヤマメの塩焼きを頂きました。

7/16 16:10

バスで大月駅に出た後、大月駅前の"かつら"にピットイン。

7/16 15:54

締めは、麺ではなくダンゴの入った「おつけだんご」を頂きました。味噌仕立ての優しい味わいです。

7/16 15:58

「おつけだんご」とセットで頂いたのは、餅入りの「大月ギョウザ」。皮がモチモチではなく、中の具が餅でモチモチしていて、未体験の食感でした。

撮影機器：

PENTAX K-5 II s ペンタックス

装備

個人装備

Tシャツ ズボン 靴下 雨具 日よけ帽子 靴 ザック 昼ご飯 行動食 飲料 地図（地形図） GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 保険証 携帯 時計 タオル ストック ナイフ カメラ クマ鈴 ヘッドランプ

備考

唐松尾根の上部〜大菩薩嶺〜大菩薩峠〜熊沢山の間は、岩がゴロゴロしている箇所も多かったので、ストックを持って行って正解でした。

感想

ardisia

[コース]
下界はあまりにも暑すぎるので、涼しい環境を求めて亜高山の大菩薩嶺に行くことにしました。
ですが、上日川峠からのピストンでは味気ないので、牛の寝尾根を歩いて小菅村へ降りるロングコースを設定しました。
実は、ずいぶん昔に小菅から牛の寝尾根経由で石丸峠手前まで登ったことがあるのですが、その記憶がかなり薄れていたので、初めて登ったかのように楽しめました。
富士山の大展望は楽しめなかったものの、大菩薩嶺の針葉樹林や、牛の寝尾根のブナ林などを楽しめて良かったです。

[展望・景色]
・大菩薩嶺：木々に覆われていて、全く展望はありません。
・雷岩：曇り空＆ガスで何も見えませんでした。
・大菩薩峠：辛うじて大菩薩湖は見えたものの、富士山は見えませんでした。
・牛の寝尾根（玉蝶山〜大マテイ山）：木々に覆われていて、全く展望はありません。

[動植物]
・大菩薩嶺：ウラジロモミ、コメツガ、トウヒ、カラマツなどの常緑針葉樹が大半で、典型的な亜高山帯の植生が見られました。低木にはサラサドウダンが多く、林床にはマイヅルソウが多数見られました。
・大菩薩峠：妙見ノ頭近くでウスユキソウを見つけたほか、大菩薩峠近くでルリビタキを間近で見ました。熊沢山手前では、常緑針葉樹林の林床にビッシリとマイヅルソウが生えていました。
・玉蝶山：ウラジロモミ、コメツガ、トウヒ、カラマツなどの常緑針葉樹が多いものの、ダケカンバやナナカマドなどの落葉広葉樹も混生していました。
・牛の寝：ブナ、ミズナラ、カエデ類、ダケカンバ、ウラジロモミなどが混生した林が広がっていますが、鹿の食害で下草がほとんど無い無惨な状態でした。
・大マテイ山：大マテイ山から小菅の湯に下る途中で、巨大なトチノキが2株ありました。
・小菅の集落近く：ヤマアジサイやホタルブクロは満開でしたが、ヤマユリは開花直前でした。

[飲食・お土産]
今日はスタートする前に、上日川峠バス停前のロッヂ長平衛で山バッジ（500円）を買いました。
その後、介山荘でもオリジナルの山バッジ（500円）を買いました。
下山後は、道の駅こすげでヤマメの塩焼き（450円）を頂いた後、道の駅の物産館で「吉田うどん」やお菓子を買いました。
締めは大月駅前の「かつら」で、大月名物のおつけだんご（630円）と餅入りの大月ギョウザ（480円）を頂きました。

[その他]
10年以上前は、公共交通機関で小菅村へ行こうとすると、奥多摩〜小菅間で1日に5本運行している西東京バスに頼るしかなかったと思います。
今は南側の大月駅・上野原駅へ向かう富士急バスも運行しているので、アクセスはかなり良くなったと思います。

コメント

yamaonse

団子汁
こんばんわ！お天気は生憎の眺望だったようですが、渋い峠越えのコースを満喫できたようで何より。木の種類がいろいろと分かるのは、歩いていても楽しくなりそうですね。

そして麓の団子汁。一見ほうとうかと思いきや、郷土食豊かで興味をそそられます。餃子も塩焼きも気になるし、下山後の飲食や温泉は、記憶に鮮明に残るから面白いですね。

ardisia

Re: 団子汁
yamaonseさん、おはようございます。

実は、山梨名物のほうとうを食べようと思って入店したら、メニューにほうとうが無かったので団子汁を頂きました(汗)
最初はメニューを見ながら、「今日は暑いし、冷やし中華でもいいかな・・・」と考えましたが、クーラーの効いた涼しい店内なので、せっかくなら地元の名物を頂こうと思って注文しました。

今回は展望が×だった分、植物を沢山見られた上、下山後に充実した時間を過ごせたので、トータルでは○の山行になって良かったです。