藪漕ぎ撤退・桴海於茂登岳
- GPS
- 05:53
- 距離
- 6.3km
- 登り
- 487m
- 下り
- 480m
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
テープはあるが看板はほとんど無し。 ヤシ林からのルートはガレ場、渡渉あり。 荒川からのルートは、登頂できていないので何とも言えないが、分岐を間違えやすい。テープ踏み跡あるが、藪が濃い。 |
その他周辺情報 | 荒川カンヒザクラ自生地の碑がある駐車場 ヤシ林側は知花食堂が目印 |
写真
感想
今回来島のメインイベントである桴海於茂登岳。
順調にいけばウマヌファ岳(馬の鞍岳)も踏もうという予定です。
YAMAP地図ではヤエヤマヤシ群落あたりからのコースがあります。
しかし、石垣のオヤジであり親友であるyoshitakaさんが途中まで経路を把握されていて、その分岐まで案内してくださるということなので、荒川のカンヒザクラ自生地の碑があるパーキング横から登り始めることに。
少し胸騒ぎを抱きながら、パーキング横の階段から登山道に入る。ヤマビルやハブ、ムカデやヤスデ、イノシシなど冬だからといって危険な生物に遭遇しないとは限らない。
ただ気温は20℃前後と低いので、そのようなリスクは少なそうではある。
しかし余り情報がないために、下手をすれば道迷いの危険は大きい。低山だからといっても様々なリスクが想定されるので注意深さが求められる。
ドキドキしながらyoshitakaさんの案内で歩く。早速想定外のリスク、イノシシ捕獲用の罠にyoshitakaさんがハマってしまった。
手で外すことができ、怪我をするようなものではなかったが、気分的に歩きづらくなる。
その後いくつかの罠を回避しながら、分岐点に辿り着く。
沢の方へおりる直進ルートと、さらに登って行く左ルート。
案内してくださったyoshitakaさんは体力的に自信が無いとのことで、周囲の森を探検してくるとのことで、ここでお別れ。下山するまで定期的に連絡を取りながら進むことに。
さあここから単独での山行き全くの未知の世界。こまめにテープが巻かれていて、なんとか行けそうな感じ。
順調に歩いていると、何となく重要そうな分岐点。
看板はない。
迷ったが真っ直ぐなルートをとる。
しかし少し行くと下りになっていて、テープはあるが何となく道が荒れているような気がして不安になり、先ほどの分岐まで戻り、誘導ロープが張られていて道が良い左ルートに軌道修正。
渡渉したり藪漕ぎしたり岩を潜りながらもテープはあった。その先にたどり着いたのは足がすくむような露岩の展望ポイント。
おそらく余り知られていない絶景に出会えたことに喜びが込み上げる。於茂登岳から川平、米原方面が高い位置から一望できる。しかし強風で撮影しながら立っているとふらついて落ちてしまいそうで恐い。
yoshitakaさんに電話して、素晴らしい景色に出会えたことと、順調にいっていることを伝えた。
ここから山頂に道は続いているはずだと思い込んでいた。
しかし、少しテープを追いかけながら進むが、テープを見失ってしまった。リュウキュウチクとアダンとイバラの薮をかき分けながら進まなければならなくなる。
足元が見えない。
GPSを頼りに山頂の方向へひたすら藪漕ぎかなり進んできてしまったので、引き返すこともできず薮をかき分ける。岩の周りはアダンが足の踏み場もないほど茎が張り巡らされている。
"あきらめたらアカン"と心の中で呟きながら藪を漕ぐ。時折身体やザックに柔軟なリュウキュウチクやアダンやツルが絡みつき前進が困難になる。
無駄な力を使って疲労を増し加えないように丁寧に束縛を解く。
下の方で拾った木の枝を杖にして、藪をかき分け、山頂の方向を見失わないようにGPSで見ながら、藪の密度の比較的濃くない方向を選んで進みます。
谷が見えたのでそこに下りればどこかの道に当たるかもしれないし、比較的進みやすくなるのではないかと判断して、やっとの思いで下りてみる。
しかしその希望は打ち砕かれた。
谷には巨岩がゴロゴロで、まともに通ることができる道は無いようだ。岩の隙間から下を覗き込むと3、4メートル下に水の流れを確認。そこまで下りてしまうともう上がれなさそう。転落のリスクもあるので岩を渡りながらもう一度尾根を目指す。
拾った杖があって良かった。
あとで軌跡を見て気づいたが、そのままもう少し下っていれば、道があったようだ。
相変わらずひたすらの藪漕ぎにだんだんと疲労の色が濃くなってゆく。
"いや、あきらめてはいけない"と自分を奮い立たせながら進む。
"遭難なんかしてたまるか"
心配や迷惑をかけてしまう。あきらめるわけにはいかない。
藪をかき分け、アダンが蔓延っていない岩の上で、リュウキュウチクに囲まれ、まったく視界が閉ざされながら水とおにぎりを食べて少し休憩。yoshitakaさんに電話をかけてみるが、繋がらない。岩の上に立つと左斜め前に桴海於茂登岳のピーク、右後方にはウマヌファ岳。
"あそこまで藪漕ぎでは行かれへんなぁ…"
ここで、登頂をあきらめる決意をする。
ヤマレコでヤシ林からの軌跡をダウンロードしていたその方の軌跡に合流するため、少し傾斜のきつい谷を下りた。
するとそこにあった細い木に赤と黄色のテープが巻いてあった。
何とも言えない安堵感に包まれる。
ここを左にいけば山頂。右に行けば下山ルート。
そこから山頂を目指す気力は無かったので、迷うことなく下山ルートへ。
ずっとテープがある。
"ありがたい"
狭い道だが藪漕ぎよりは数十倍マシである。
少し行くとウマヌファ岳とヤシ林下山ルートの分岐の沢。
次に来た時は問題なく二つのピークを登頂できるだろう。
人を待たせていることもあって、迷わず下山。
ここからは迷うこともなく、知花食堂前までたどり着き、yoshitakaさんと連絡をとりピックアップしていただいた。
壮絶な藪漕ぎで登頂はあきらめ、目的は遂げられなかった。しかし、大袈裟かもしれないが無事に下山できたことで、すべてをポジティブに受け入れることができる。
まず体力や精神力が鍛えられた。また貴重な教訓も学べた。
あきらめずに忍耐して歩き続けること、慎みをもって登頂をあきらめること。
とても印象深い山行きとなりました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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久々に桴海於茂登岳を検索してみましたらtakoponさんの記録が検索でしました。
とても難しルートから挑戦されましたね。
桴海於茂登岳とウマヌファ岳の間は沢とも沼地ともつかぬいやらしいところだったことを覚えています。
かつては床材としてもてはやされたリュウキュウチクのやぶが桴海於茂登岳山頂直下では手ごわく、空をめがけて強引に上りました。(笑)
下山してみたら腕も下半身も蚯蚓腫れで漆にやられたのかとも思いました。
整備されてしまう前に再挑戦できますとよいですね。
私も荒川側から吉原方面の海を見下ろす絶景ポイント(少し傾いた巨石)迄は行きましたが其処から撤退しました。
琉球竹を屋根や床下に利用していた頃は行けるルートが有るとは聞いていましたが今はトゲトゲのアダンのジャングルと化してよくぞあのルートで知花食堂まで戻って来られましたね!
知花食堂からのルートからは未だスマホを持っていない頃にガーミンで軌跡を取りながら現地の友達の案内で4回桴海於茂登岳とウマヌファの巨石群に登りました。
もう10年近く前の遠い思い出です。
友人がサルの前栽でお知り合いにお会いしたようで、懐かしく思い
コマネズミさんの山行記録を拝見させていただいてました。
桴海於茂登岳の山行からもう2年以上経ちましたが、まだリベンジ出来ていません。
リュウキュウチクは建材として活用されていたんですね。建材としての活用がされなくなって、とうとう廃道化しまったのでしょうか。
大変でしたが楽しかったです。
またコマネズミさんの石垣島の山行記録を参考にまだ踏み入れていない山に挑戦したいです。
前から気になっているんですが、玉取崎の裏にある金武岳には登山道は無いのでしょうか?いつも指をくわえて眺めているのですが…
毎年1月末に開催される八重山地区対抗リレーマラソンの日に国道390号線玉取崎を走り抜ける選手に見えるよう、金武岳山頂近くの大岩の上に登って旗を振っていました。
国道からも見える大岩の上には時々野生のヤギが居ます。
玉取崎の駐車場に車を置いてそこから山頂にも行けますよ。
スマホを買いたてで未だ山レコをしていない頃、ジオグラフィカで軌跡は取ってあるのですが此処に貼り付け出来たら良いのですがやり方分かりません。
先程、「金武岳から大浦ダム」と言うタイトルで山レコに投稿しました。この時は山頂すぐ下まで行っていますが大浦ダムの方に下山しています。
金武岳も登っておられたんですね!
いつか機会を見つけて金武岳を登頂したいと思います。
ありがとうございます😊
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