三ノ塔尾根-塔ノ岳-天神尾根
- GPS
- 07:50
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 1,478m
- 下り
- 1,474m
コースタイム
天候 | 晴れ時々小雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
三ノ塔尾根は標高900m前後に植林帯の急登が続く。南斜面のため全般に風がなく、こんな冬型の強い日にも暖かだった。 表尾根は多くの人の指摘通り、霜が解けて場所によって泥田のようになっていた。天神尾根はどこが尾根なのか分からない植林帯の急坂。大倉バス停までは大倉尾根を辿った方が早いと思われる |
写真
感想
ニュースがクリスマス寒波を告げる中、丹沢表尾根を目指した。我ながら寒いのに何を好き好んでと思うが、世に物好きの種は尽きぬと見えて大倉へ向かうバスは立ち客も出る盛況だった。
きれいなトイレに寄って一人風の吊橋を渡る。今日は三ノ塔尾根から表尾根稜線を辿り、天神尾根から水無川伝いに戻るルートを計画した。同じルートを辿る人はいないようだ。
橋を渡って左折すると犬の声が聞こえた。猟銃を持った人が猟犬を従えている。やがて軽トラックの荷台に犬を積んで林道を追い越して行った。分岐を右折し、ジグザグに林道を登る。尾根通しに行く登山道への分岐で、また猟銃を持ったハンターに出会った。誤射されてはかなわないので「どの辺で撃つのですか?」と聞いてみる。「この下の辺り」という言葉に安心し、さらに林道を牛首の終点まで辿った。
パーンという射撃音を遠くに聞きながら檜の植林帯を辿る。寒さはこの南斜面の登山道に限ってはそれほどでもない。風もなく、日当たりでは暖かいくらいだ。尾根筋に出てしばらく行ったところで富士山が見えた。あいにく山頂はすでに半ば雲に隠れている。冬型が強すぎても雲が生じてしまうのだろう。
この尾根を辿る人が全くいないわけではなく、2、3人を追い越した。標高900m前後の胸突き八丁を喘ぎ登り、1000mを越したあたりから少し寒さを感じるようになったが、それでも風はないので登山シャツ1枚で歩き続ける。自分のような暑がりには気温0度・無風くらいが、かえって登山には快適なようだ。
10時前に三ノ塔到着。表尾根に出ると西風が冷たく、さすがに寒い。休憩所の東側、風下にリュックを置いて防寒用にレインウエアの上を羽織った。雪雲があふれてきているため、富士山は頭を雲に隠し、塔ノ岳の上空にも雲が湧いている。遠く都心方向もいささか煙ってすっきりしない。
大豆バーでエネルギーを補給し出発。尾根はところどころ霜柱が解けてぬかっている。休業中の烏尾山荘付近でau携帯でメール送信を試みたが失敗。行者ヶ岳への途中でなんとか送信できた。auは三ノ塔、塔ノ岳とも電波が悪く、かろうじてこの辺りで通信できることがある。
鎖と梯子で整備された行者ヶ岳の岩場を難なくこなし、書策小屋跡で一休み。60歳見当のご夫婦と挨拶し、「表尾根から塔ノ岳ですか」と尋ねると、奥さん曰く、バリエーションから行者ヶ岳へ登り、下りもバリエーションを辿るとのこと。奥さんが旦那さんをリードしているようで、いやはやお見それしました。
5、6人が休憩中の新大日を通り、木ノ又大日小屋へ。ここも休業中のよう。空はいよいよ雲が広がりだし、冷たい西風も相まって寒い。といっても汗をかいたら大変なので、登山シャツにレインウエアの軽装で頑張った。最後の登りの途中で息を整えていると、男性が寒い、寒いを連発しながら下りてきた。手袋もせず、服も軽装で、これは少々準備が悪すぎる。追い打ちをかけるように、とうとう雪雲がかかって風花が舞いだした。
塔ノ岳に着き、かすかな期待を込めて富士の方を見やると、残念ながらやはり山体の上部は雲に覆われていた。それどころではなく、今歩いてきた方角は雪雲で視界が閉ざされている。外でコッヘルを使う元気な登山客もいたが、当方はさっさと尊仏山荘に逃げ込んだ。
熱燗を頼み、鶉の卵の缶詰とおにぎり、カップ麺の昼食を済ます。5歳の男の子が「熊のおじさん、メリークリスマス!」と言って入ってきた。両親と小学校高学年くらいのお兄ちゃんと登ってきたようだが、この寒さの中大したものだ。ちなみに、トイレの前の寒暖計は-5度を指していた。
40分ほど休憩して山荘を辞した。最初はレインウエアだけで外に出たが、日も陰りがちでさすがに寒く、すぐに綿入れのレイヤーを羽織った。遠く真鶴、伊豆半島、大島を遠望しながら花立を下り、天神尾根の分岐に到着。もう寒くはないのでレイヤーを脱いで一休み。60代と思しき夫婦連れと女性3人組が天神尾根へ降りていった。思ったより利用者があるようだ。
ただ、「尾根」という名はあるものの、どこが尾根筋なのかはっきりしない植林帯のジグザグ道というのがその正体。丸太を切った階段がルートを示しているが、とにかく勾配がきつい。女性3人を追い越したものの、腿がきつくなって時々切り株に腰を下ろして休み休み下った。夫婦連れはよほどの健脚とみえて全く休まず一定ペースで下りていく。追いつきそうになるとこちらが休憩する具合で、とうとう二人が風の吊橋下に止めた車に着くまで追いつかなかった。
だんだん下りが嫌になってきたころに沢の音が聞こえ出し、登山口の沢筋に出た。沢を渡れば戸沢で、山小屋などが見える。舗装路に沢水があふれていたので、これ幸いとドロドロの登山靴の泥を落とした。
後は林道伝いに大倉へ戻るだけなのだが、これが実に長い。強い西日が照らす砂利道をひたすら歩いて1時間余、ようやく風の吊橋が見えた。平らな道なら早く歩けるかと思ったのだが、そうでもないようだ。沢登りの人は別として、やはりこの道は暮れかかった時に早く林道へ出るためのエスケープルートと考えるべきなのかもしれない。
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