雨の雪倉岳 敗退、山スキー


- GPS
- 14:57
- 距離
- 29.2km
- 登り
- 1,720m
- 下り
- 2,863m
コースタイム
10:00 栂池ゴンドラ自然園駅 シール登行スタート
11:05 天狗原ホコラ 休憩 -11:20 ※ガスのため白乗山頂ピストンは中止
振子沢のスキー滑降 ※青空が出てきて最高の景色のなかの滑降となる
12:16 林道合流
12:30 蓮華温泉ロッジ 着
●5/4 曇りのち雨
06:40 ロッジ出発(シールなし)
途中でシールをセットして、兵馬ノ平南側をトラバース
08:20 瀬戸川通過ポイントを探してスノーブリッジ通過
沢コース(一般コース)をシール登行
12:10 稜線(2150m)に出たところで風雨により撤退決定、シール解除、スキー滑降準備
12:30 撤退開始
シール登行した同じコースをスキー滑降
13:00 瀬戸川スノーブリッジ通過点、シールセット -13:15
兵馬ノ平南側のトラバース
ロッジの前庭?のミズバショウ観賞
15:10 ロッジ着
●5/5 晴れ時々曇り
07:00 ロッジ出発
ヤッホー平へのショートカットコース禁止のため林道どおし
08:30 角小屋(かくごや)峠への取付き、休憩 -08:45
ツボ足で登る
09:10 角小屋(かくごや)峠(1590m) 休憩 -09:30
快適なスキーツアーコースを滑降
10:45 木地屋の手前100mほど(680m) 迎車タクシー乗車
-
天候 | 5/3 曇りのち晴れ 5/4 曇りのち雨 5/5 晴れ時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
5/3 04:15 栂池スキー場駐車場 到着、仮眠 <500km> 08:30 栂池スキー場第二駐車場 出発 09:10 栂池ゴンドラ乗車 09:30 栂池ゴンドラ自然園駅着 準備 ●復路 5/5 10:50 木地屋にてタクシー乗車 11:30 栂池スキー場駐車場 タクシー下車、荷物整理 (温泉および昼食) 13:45 白馬駅前をクルマで出発 15:10 豊科、長野道ON →中央道 →名神 あちこちで渋滞しまくり 23:00 豊中JCTにて阪神高速へ 23:15 大阪駅高架下 解散 <1,000km> - |
コース状況/ 危険箇所等 |
●5/3 栂池ゴンドラ自然園駅 → 天狗原 → 蓮華温泉ロッジ 天狗原までの登りは特に危険な場所なし。周辺に大きなデブリも見当たらず。 天狗原で白乗山頂が見えないときは、アタックしないほうがよい。 天狗原から振子沢は北方向に降りていくが、風吹大池方面へのツアーのポールフラッグにだまされない様に。 ●5/4 蓮華温泉ロッジ ⇔ 雪倉岳 兵馬ノ平南側をトラバースすれば(スキートレースあり)、登り返しがなくて済む 通常の瀬戸川通過ポイントはスノーブリッジが落ちていて渡るのは無理だったが、少し下流で渡れた。 一般ルートの沢コースはこれからの季節、ブロック雪崩の危険アリ。 沢の北側にある高台(1936m、2237m池)へ取付き、北東側から頂上を攻めるコースが望ましい。 ロッジのすぐ前は、ミズバショウが満開だった。(のに、みんな気づいてなかった。) ●5/5 蓮華温泉ロッジ → 木地屋 (クラシックルート) 毎年状況が異なるので、必ずロッジのスタッフに雪の状況を確認すること。 弥兵衛川のスノーブリッジが危険なため、ヤッホー平へのショートカットは禁止 林道(車道)は、ほぼスキーで通せる。橋など数箇所で雪面が切れているが、短い。 林道上の大きなデブリは一箇所だけで、歩いて越えれる。 角小屋峠は、直下で雪がなくなり、数分ほど板を担いで歩く必要あり。 下りのツアーコースつまり、角小屋峠〜ウド川右岸トラバース〜ワサビ沢〜白池〜木地屋は、 今回、木地屋の直前200mぐらいまで快適に滑り降りることができたが、 途中で交差する細い小川などを滑って渡るのは、もう限界に近そう。。。 ●その他 春山の水分を多く含んだ雪のため、シール面は濡れてベトベトになり接着力がなくなってしまう。撥水効果をだす専用スプレーで事前に処理しておけば、多少はマシだろう。シールの貼り流しは避けたほうがよい。また、グルーも持参したほうが望ましい。今回は、ストックを直角に当てて、しごく様に脱水したり、(チートシートを使わずに)接着面どうしを何度か張り合わせて接着力を回復させたりした。 ロッジ前のミズバショウは満開状態でなごまされた。木地屋へのツアーコースでは、くだるにつれてブナ林に若葉が色づいてきて、大変美しく、このままいつまでも味わっていたかった。春を感じるクラシックルートでおすすめしたい。 もし木地屋へタクシーを呼ぶ場合は、ロッジで衛星電話を借りて掛けておいた方が良い。ルート上の電波状況はどの会社の携帯でも極めて悪い。なお、木地屋から栂池スキー場の駐車場まで、1時間弱で、ちょうど1万円ぐらい(迎車料金含む)。 小谷観光(0261-82-2045)はタクシー台数が少ないが、白馬観光(0261-72-2144)のタクシーも来てくれる。 - |
写真
感想
●天候が悪いという予報のときに青空になったり、天気が回復するという予報の日には、悪化して雨となったり、めまぐるしい天候の変化に悩まされた。白馬で大量遭難があった日(後で知った)、我々は雪倉岳にアタックしていたが、稜線の2150m地点で大粒の雨と強風にやられて、早々に撤退を決めた。一旦、撤退と決めたら山スキーでの撤退はすばやい。足並みも揃っていたので、すぐに風のないところまでスキー滑降し、あたかも戦地から戻った兵士のように平和な環境でホッとしていた。そのあと天候は悪化する一方で、ロッジ周辺でも風が激しかった。ロッジの部屋の二重窓が一晩中ドンドンと激しく揺すぶられていた。
●5/4午前中の天気は、気象予報士などののちの分析によると、”低気圧の通過後から悪天をもたらす寒気の接近まで一時的に青空がのぞく「疑似好天」だった”ということだ。しかも、この「疑似好天」は午前中長く続いたが、午後から一変した。我々パーティと3km強ぐらいしか離れていない場所(三国境)で6人もの遭難死者がでた事は驚きを隠せない。のちの調査によると、彼らはツェルトやダウンウェアも持っていたという。確かに天候の変化は激しかったが、防寒着を着込むこともできなかったほど急だったのか? ツェルトをうまく使えなかったのか? 雪洞を掘ることを考えなかったのか? 竜巻でもあったのか? いったいぜんたい何があったのか? とても残念でやりきれない。今となっては、ご冥福をお祈りするしかない。合掌。
●今後の自分自身のためにも、今回の天候の変化を分析した報道をひろってみる。まず、悪天候をもたらした前線を伴う低気圧が3日夜に長野県内を含む日本の中部を通過する。4日午後に日本の西側から高気圧が近づき西高東低の気圧配置になり、寒気が入り込んだということだ。低気圧が去って気圧の高低差が緩くなってからその後、寒気が入り込むまでに「疑似好天」になったと推測されている。しかも今回は低気圧が時速20キロと比較的ゆっくり進んだらしいので「気圧の谷の発生までの間隔が通常より長く、疑似好天が比較的長かったのではないか」と分析されている。
●蓮華温泉ロッジから雪倉岳、朝日岳方面に向かうスキーヤー、ボーダーの半数近くはビーコンなしで出発している模様だ。おそらく、GPSのみならず、スコップやツェルトすらも持っていないと思われる。この時期、ガスでホワイトアウトになったり、ブロック雪崩が発生しやすいので大変危険だ。いま、中高年登山者が問題となっているが、ここでは比較的若い登山者(スキーヤー、ボーダー)のほうが問題ありそうだ。これらの方々は、遭難予備軍であり、今後、非常に心配だ。
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