混んでる涸沢回避して横尾本谷右俣〜氷河公園
- GPS
- 32:00
- 距離
- 34.7km
- 登り
- 1,508m
- 下り
- 1,509m
コースタイム
- 山行
- 0:15
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:15
- 山行
- 6:02
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 7:17
天候 | 10/6 曇りのち晴れ /7 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
/5最終バスで上高地入り |
コース状況/ 危険箇所等 |
・本谷橋から直接入渓した方がわかりやすい。 ・涸沢に左へ90度曲がる手前に、旧道と思わしき補助ロープが沢に向かって伸びているので、ここを下ってからは歩きやすい所を選んで進むと、たまたま赤ペンキで『ヨコオ』と書かれた大岩に出た。 ・沢自体は難しいことはなくトレッキングシューズで登れた。滝と思しきところは3か所、水流付近はヌメが強いのでうまく巻くこと。 ・水はモレーンに出てしまうと涸れるので、その手前の草地に幕営可能ポイントが数張点在する。 ・焚火は先人の努力を使わせていただきました。開けたカールだけに薪は大きいものはありません。 ・横尾尾根へのガレは落石に注意しながらうまく踏み跡を拾う。 |
その他周辺情報 | 竜島温泉 ¥520 結構好きです。 お土産はリンゴを求めて下島駅付近の『きろろ』へ。18時まで。米は10月下旬から。 |
写真
感想
やっと緊急事態宣言が明けた。さすがに5000人オーバーの県に居住してれば、でかけるのは遠慮してしまう、というのが常識だろう。仕事仲間がコロナ患者搬送で大変な思いをしているのを身近で見ていれば、『自分は平気』とはならない。
天気も悪いことが多く、ラッキーな面もあったけれど、だから今夏の山は最低限的な感じで終わった。沢登りも結局1本だけ…
腐っていても仕方なく、素敵な紅葉が見られればという思いから、30年以上の登山歴にもかかわらず、初の涸沢方面に出かけることにした。でも、混んでいるのはいやだし、急激に値上がりしたテント場代を浮かせたい等の諸条件から、以前『岳人』バックナンバーで見た横尾本谷に行くことにした。このルートはウェストンが初めて槍ヶ岳に登ったルートの一部とのこと。黄金平なる場所がどのくらいいい所なのかが気になっていた。さらに涸沢隣のカールなら紅葉もそれなりだろうと見込んでいた。
10/5 普段仕事が終わってから直後に出かけることはない。眠いことが多く、車で移動中にどこかのSAで寝てしまって、そのまま眠りが中途半端なままどこのも登らずに車中泊してしまうことがほとんどだ。でも、2か月山不足は小梨平泊ということもあり、確実に現場入りしてやるというやる気で満ちていた。
沢渡に到着した時はシャトルは終わってしまい、定期便の最終で上高地入りとなった。バス停で降りて15分も行けばテント場というのはとても気楽だ。営業期間中の小梨平泊は初めてで、川沿い明神・穂高の眺めがよい『J』サイトはいっぱいだったので少し内側に幕営したのだが、単独キャンパーが重低音で音楽を流しており、この低音というのがものすごく響いていて、管理人が注意していたにもかかわらず、少し時間がたつとまた音楽を流すといった感じになっていた。ここはもう山ではなくただのキャンプ場になってしまったんだろうか?いい所なんだけどな…
ちなみに¥1200。食料は就寝前にクマ対策として、別に設置されたコンテナに収めなくてはならない。北海道か?
/6 結局、予定地もそれほど遠くないしと油断していたこともあり、前日の寝不足から寝坊を誘発。8時過ぎに出パ、しかしこれがいい眺めを逃すことになろうとは…平日なのでそれほど人がいない退屈な林道を進む。明神手前の白砂広場はもう鬱蒼とした林になって雰囲気がまるで変ってしまった。
徳沢は相変わらず良いところ。昨日ここまでくる元気はなかったな。桂が黄葉するころに一度泊りに来たい。マンガの『岳』で黄葉後、一気に葉が落ちる桂の大木が出てきたと記憶しているが、自分はここの桂と思っている。
冬前ということもあるのか林道のサルの数が多く、かなり人が近づいても逃げやしない。クマも危険かもしれないけれど、自分はサルの方が厄介だと思っている。ボス猿はやばいんだよ。
横尾に着くとなんだか人が増えている。いつの時期も涸沢コースは混んでいるイメージ、避けてきたが今日は目的のためには途中までは仕方ない。屏風岩の絶景を眺めながら、まだ紅葉には少し早い登山道を歩く。それでも薄く黄緑色に色づいたダケカンバと岩壁のコントラストがきれいだ。写真も目的だったけれど、あまり写真ばかりになると自分の記憶に残らないことが多い。わかっていながら携帯&カメラと交互に構えるので、なかなか足が進まない。
本谷橋から水線通しと思っていたけれど、結構休んでいる人が多く、目立ってしまうことを嫌って、ルートが涸沢に90度曲がる手前で旧道と思われる残骸ロープが設定された踏み跡を下る。ロープがなくなった後は歩けそうなところを、上流側へ斜めトラバースのように下ってゆくと、流れから一段高い所に『ヨコオ』とペンキで書かれた岩が出てくる。下りられそうなところをたどり河原到着、横尾本谷・涸沢の二俣はすぐ目の前だった。
おおむねガレ沢で水流は少なく、飛び石で渡れる程度。河床を歩き始めてびっくりなのはダケカンバの量。黄色が上品な色合いだ。滝と言えそうなものは3個程度、どれも乾いたところを巻いて進む。水際は当たり前のようにヌルがひどい。3個目の滝を左岸から巻くと、傾斜が緩くなって庭園チックになってきた。そのまま正面の灌木帯に踏み跡をたどって入り、灌木帯が切れた先は黒部五郎カールとは言わないが、素敵なカール空間となった。水は岩の下からガンガン湧き出して本谷の始まりとなっていた。草原状になったところに踏み跡を見つけたどってゆくと、いくつかの整地箇所が見つかる。本日貸し切りのため水場に一番近い平坦地に陣取る。紅葉もいい感じなのだが15時過ぎでは完全に陽が傾き、陽に照らされた紅葉ではないのが残念だった。朝、ゆっくりしすぎたことが裏目に出てしまった。今山行の紅葉ベルトは2000m〜2300mくらい、ちょうどはまっていたのにもったいなかった。再履修だ。
それでも静寂の貸し切り南岳直下カールは素晴らしく、涸沢とは山容が異なっているので向こうの方が画になるのかもしれないが、自分には十分だ。また、焚火の跡や先人の集めた薪が豊富に残されていたため、当然の事のようにそれにあやかることにした。夕暮れ後、焚火脇の草地に横になって星空を眺めた。横になって眺める星空なんて何年ぶりだろう。唯一の失敗はビールを持ってこなかったことだった。明日の天気が悪くなるのが信じられないくらいの星空の元、眠りについた。
/7 朝起きると雲が低く垂れこめ、南岳の稜線は見えなかったものの、東の空は晴れていたので朝焼けカールを見ることはできた。撤収後、すぐ上部の灌木帯の踏み跡をたどる。ど真ん中を行くものと右寄りに進むものがあったが、右寄りは藪がなさそうだったのでこれをたどった。灌木帯を抜けるとモレーン上に出る。結構巻き気味に踏み跡がついていたのでカール恥をトラバースするようなルート取りになってしまったが、中央を進めばモレーンど真ん中に出られたようで、景色重視ならこちらの方がよかったかなと思った。ただ中央はハイ松帯なので、紅葉重視なら自分のたどった踏み跡の方がナナカマドなどが間近でいいんだろう。
詰めるガレは一番低い所を狙って登る。後半は登りやすい所を詰めていく感じで登る。到達点は一般ルートよりも横尾の刃側、とりあえず天狗池で休もうと先を急ぐ。天狗池では残念ながら槍は見えず、よく見る例の景色に出合い事はできなかった。先客のおじさんは1時間待ってほんの少しだけしか見えなかったと言っていた。それでも紅葉はなかなかのものだった。
粘ってもダメそうだったので早々に下山することに。槍沢に合流すると再び人が多くなった。標高が低い所は雲が切れているエリアになっていたので、槍沢U字谷内は黄色に染まっていい眺めを提供してくれていた。長い槍沢コース、嫌いなルートTOP10に選べるくらいだったんだけれど、山を登り始めて『槍沢いいなぁ』って初めて思った。北アの山はアプローチがいい所が多く、これだけ時間をかけてフィヨルド的な地形の中をすすむコースはないわけで、色づく槍沢に見とれてしまった。槍沢ヒュッテより下部の谷筋も、上流を振り返ってみればヨーロッパ的で良かった。
横尾に到着した頃、かなり雲は取れていたが前穂がようやっと見えたくらい、風も強かった。徳沢でソフトクリームを食べもせず、下山後の風呂と買い物に集中し上高地着。竜島温泉→きろろ→十字路→富士アイスの方程式で下道帰宅となった。
足慣らしと思ってきたけれど、次はうまく宿泊地をつないで3泊くらいで楽しみたい。
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