はずれ紅葉、三方岩岳〜北縦走路〜白山御前峰〜平瀬道
- GPS
- 56:00
- 距離
- 29.5km
- 登り
- 3,027m
- 下り
- 2,530m
コースタイム
- 山行
- 9:31
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 10:55
- 山行
- 8:15
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 10:09
天候 | 10/14、/15ド快晴 /16曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
ホワイトロード馬狩料金所に駐車し、ここから登山開始。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
コース整備しっかり行き届いてました。中宮温泉のご主人が全コースの刈り払いを年3回やっていただいているとか…すごいですね。 持って行ったのは’96年の地図、前回白山山行時に使ったもの。四半世紀前…恐ろし… |
その他周辺情報 | しらみずの湯¥700&大白川露天風呂¥350 次いつここに来るかわからなかったので露天してきました。 |
写真
感想
自分なりの今年の紅葉予想は『良くない』というものだった。夏の天候、初秋の高気温等々…先週に穂高に行ったことでそこまで悪くないと期待値が上昇。元々、今秋は以前からの課題、猿ヶ京温泉から谷川主稜線を経て巻機山までのいわゆる『国境稜線』を一度につなげる山行をやるつもりだった。(いつから馬蹄形なんて言い方してんだろ?私は賛同できない。)各駅停車での公共交通機関が不便なことから、山麓で温泉泊を込みにした6日間の休みを取り、準備は万端だった。
ふたを開ければ、取った休みの真ん中2日しか晴れないというオチ。藪ルートでの雨を嫌がったので、急遽昨年行きたいと思って企画温存していた『白山』に転戦することにした。もし本当に国境稜線をやりたいと思っていたなら、雨をもいとわないはず…そこが自分の弱いところ。秋山の雨は注意しなくてはならないから仕方なしと割り切って、3日間なら車使っていいという許可も出たので、下山後に車回収するための自転車を積んで白川郷に向かった。
15時に家を出て、松本から高山を越え、白川郷に入り、大白川にチャリデポ後、ガスガスの馬狩料金所の駐車場に着いたのは23時だった。何気に遠い…明日からは晴れが確定しているらしいので期待を込めて就寝した。
/14 予定より1時間遅れて出発、ものすごい天気が良い。朝日に照らされた三方岩岳の斜面がいい感じに紅葉しているように見えた。道路をまたいで登山開始、しっかり刈り払いされたいい道だ。途中、登山道にあった倒木にナメコを発見!ただ今回はナメコを生かせるメニューはない。立派な個体だったので自宅用に採取する。
そのすぐ上部でホワイトロードの休憩所があるところに合流するのだが、なにやら工事中で重機なんかも置いてある。休憩がてら車道方向に歩くと立派なウッドデッキがあった。デッキから見える方向には素晴らしい雲海が広がっていた。ドライブで来ていた女性2人と写真大会になっていると、道路管理者の方が来て『ホワイトロードインスタに載せるから、3人でモデルになってください』と言われた。調子に乗らせてもらい、雲海バックに自衛隊隊員募集のように劔岳を指さしポーズで撮っていただいた。ねじり鉢巻き50オヤジはモデルとしてはいかがなものか…
このデッキから上部は急に傾斜がきつくなる。木の丈が低くなると三角点のプレートが出現し傾斜が落ちる。ちょっとした暗部にあると記載された水場はわからなかった。頂上岩壁下を右へトラバースすると、こんな岩々のようなところだったにもかかわらず草原が出現した。草原を進むとホワイトロードからの登山道に合流、Pの反対側は低灌木帯、平坦な山頂に出た。ド快晴、とても眺めがよく、足元に白川郷が見えている。いつも白山側がバックに見えるような山にしか行かないので、普段と違う方角に北アルプスが見えることにとても違和感があった。ただ、これだけある広葉樹の色づきが今一つ。想像とは違っていることにさらに違和感。
きっとまだ標高が低いのかな?そう思い直し野谷荘司に向かう。ここからは平坦なところ多く、稜遊漫歩といった感じ。昔から気になっていた野谷荘司は平日なのにかかわらずすごい混雑ぶり、広場があるでもなく皆さん道の脇に一列になって昼飯タイムをしていた。この山名の由来が知りたい。ここも南から東側の眺めがよい。
ガレぶちのような登山道を進み、地元ハイカーに紅葉の状況を聞けば『今年は秋の気温が高く、紅葉が始まってない感じ。発色も今一つかな?』とのこと。例年、鶴平新道は足元が赤茶色に染まって綺麗らしい。ちょっと選択ミスだったかな?という思いを抱えつつアップダウンが増えた道を進むともうせん平着。ここの池塘は煮沸して飲用可能らしいが、そんな気も起らない。
そういえば樹林の雰囲気が陽の加減なのか、黒い所が多く感じる。笹が多い中にダケカンバが多めに生えているからか?針葉樹が多いからか?今日一やられた感あった妙法山にはなんとかかんとかたどり着いた。
西日がまぶしい念仏尾根はシンノ谷の下りまでは平坦、谷を挟んで向かいの斜面に乗り上げなくてはならない。小屋は確認できなかった。ただこの谷周辺が色が淡いものの今日一紅葉がまとまっていた感じだ。
シンノ谷を渡る鉄ハシゴを越えて少し先を確認したが、本流は源頭部稜線で登山道が通っているものの、水場がはっきりしないので谷を水場と見込んで休憩。地図ではこのすぐ下流は滝となって急激に落ち込んでいるようだ。持参の地図は1996年製、ゴマ平避難小屋付近に2か所の水場が存在していたので、ここでの給水はやめて小屋に向かった。地図とは異なり、しばらく沢沿いに登山道がついており、小沢を何本かまたぐのだけれど、この沢が水場ということなんだろうか?
急傾斜の笹斜面はしっかり刈り払いされてはいるが、雨後でなくてよかったという感じだ。妙法山の比ではない疲労度で登りきると小屋かと思いきや、登り切らずに北面をトラバースしてゆく。本当に水場があるんだろうか?すると看板などはないがこれは水場だろうという流れに出くわした。その先すぐに小屋のシルエットが表れてほっとした。小屋には愛知から来たという先約1名がいらっしゃり、山談議に花が咲いた。小屋の外では樹林帯にもかかわらず、金沢の夜景も眺められた。ちなみに小屋の西側にあった水マークは今はないらしい。
/15 同泊の方は鶴平新道へ戻るらしい。自分は正面の急登へ向かい、間名古の頭へ続く稜線は頚城的な雰囲気があった。東側の笹原斜面の向こうには御嶽が鎮座していた。
三俣峠はシンノ沢の源流、間名古の頭は巻くようにルートがつけられていた。巻き終えるとルートは平坦になり、池塘などもある鴬平に出た。これをひと登りで地獄覗きに到着。対面の地獄と思われるガレ壁群は、雪の多い地域独特のスラブ壁ではなく、火山灰土がもたらしたものなんだろう。もう結構御前峰に近づいてきている。
緩傾斜のの稜線を進むと北弥陀ヶ原の草原に出た。とても眺めがよい。初めて白山を縦走した時に地元の方が『ここは隔年でバイケイソウとニッコウキスゲが交互に咲くんだよ』と教えてくれた。いつか満開のニッコウキスゲを見てみたいと思いつつ、四半世紀がたってしまった。今年はどの山もバイケイソウが当たり年、ここもすごい数の立ち枯れバイケイソウが残っていた。きっとシーズンは白と緑の海になりかなり見ごたえがあったんだろう。
庭園風の登りを進むとお花松原が見え、そこに向けて下ってゆく。火口カールのお花松原は紅葉適期を過ぎていたものの、今山行の中ではましな感じの色づきだった。誰もいないこの空間で長めの休憩をとっているときに気づいたのだけれど、背の低いユリ系の種がたくさん残っていた。後で調べるとどうやらクロユリの跡の様で、このカールはクロユリの大群落で有名らしい。来年以降、花の白山を狙っても面白そうだ。
この急登のすぐ上に翠ヶ池があるけれど、なんで水が抜けていかないんだろうと疑問が湧いてくるような地形だ。カール底からの急登にやられながら登りきると、いわゆる火山のような殺伐とした風景に変わった。頂稜部はだだっ広く、山スキーで人気なのがわかる。ひとの声も随分聞こえ、もう貸し切りの雰囲気はない。翠ヶ池に着くと、先にいた人に聞けば今日はとてもきれいに見えるとのことだった。まさにその通り、ものすごい綺麗なコバルトブルーに引き込まれた。この美しさなのに前回来たときの記憶はまるでない。
その他の池をめぐって御前峰に到着、さすがに人だらけだ。素晴らしい天気で眺めも素晴らしい。いわゆる奥宮で携帯電話のスピーカーで祝詞を挙げてもらっている人がいた。時代ってすごいなぁ…
眼下に見える室堂までものすごく整った道を下る。もう夕方な感じの陽の傾きだ。今年は南龍ケ馬場で幕営ができず、泊り場で水がないのが嫌だったので甚之助小屋で泊まるつもりだったが、室堂で水が汲めたので大倉山避難小屋に向かうことにした。山頂部は室堂から見て、雪がなくても白い山なんだなぁ。
平瀬道に進むとハイマツの海。そしてなだらかで大きな斜面が南に向かってずっと広がている。大倉尾根も整備された道、所々木のベンチなども置かれている。眺めも良く、大白水谷、轉法輪の両谷のスケール感が半端でない。スキーの時期が待ち遠しい。途中一部、土砂崩れ脇を通るようになるが、木止めの階段がしばらく続く。ダケカンバが芸術的な感じで映えるとてもいい尾根、紅葉も今山行で一番いいエリアだ。夕方の遮光がまた一段といい雰囲気を醸し出している。いいポイントが多く、写真ばかり撮っているのでなかなか進まない。
小屋は1階建てトイレ・サンダルなし。入口外扉の立て付けが悪かったが、貸し切り小屋でのびのび宿泊させてもらった。
/16 天気が崩れる予想だったものの、まだ晴れ間が多く、別山方面は滝雲チックになっている。このまま天気がいいうちに下ってしまおう。引き続きダケカンバ配置のバランスがとても美しく、ルート整備も良好だ。土曜日ということもあり結構登ってくる。ダムを見下ろしながら下ってゆき、1700を切ってくるとブナ林、これもまたいい林だ。ただ紅葉が今一つなところは変わらない。
駐車場に到着し、どうしようか迷っていたがせっかく来たので露天風呂に入浴する。眺めも良くいい風呂だった。そしてご機嫌な自転車で13キロのダウンヒルを快調に進み、平瀬温泉の道の駅に荷物をデポ。国道を快適に進んだものの、馬狩料金所ラストの登りを大汗かいて戻った。ここが核心だったか…その後、しらみずの湯へ戻り、合掌造りを見ることもなく、上三之町を見ることもなく下道で帰宅した。
次回は紅葉のいい年に訪れよう。そしてまた全山歩きたいな。
コメント
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こんにちは
ゴマ平小屋ではありがとうございました
無事 周回されてよかったです
紅葉はいまいちだつたけど 8月上旬のお花松原のクロユリは見事です
またお寄り下さい
室堂で水が取れたので大倉尾根の避難小屋に泊まることにしました。
翌日の帰りが長かったので、どっぷり山につかる感じはなくなってしまったのですが…
次回は金沢方面から縦走したいですね。
クロユリは8月上旬なんですね。確実にものにします。
今後も安全山行で!
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