裏妙義 鶴峯山→風穴尾根
- GPS
- 04:16
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,924m
- 下り
- 1,915m
コースタイム
藪中心のルートを歩いているため、位置情報の捕捉が不正確で、
ところどころ飛んでいます。実際の歩行距離は6km程度です。
表妙義:相馬沢→相馬岳北稜からの続き
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-379827.html
累計歩行時間 区間歩行時間 時刻 場所
0:00 0:00 1108 国民宿舎裏妙義前
0:10 0:10 1118 植林地作業道入口(入山)
0:32 0:14 1132 植林地最上部
1:06 0:34 1206 鶴峯山南壁基部
1:14 0:08 1214 鶴峯山〜前衛峰間の沢源頭部
1:20 0:06 1220 鶴峯山〜前衛峰間のコル
1:32 0:12 1232 鶴峯山
2:05 0:33 1305 風穴(〜1314)
2:53 0:48 1402 風穴尾根ノ頭(〜1406)
3:02 0:09 1415 三方境
4:06 1:04 1519 国民宿舎裏妙義前(下山)
天候 | 晴 雲量2〜3 雪、凍結なし ただし風が非常に強かった |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
松井田妙義IC ↓出口右折 R18 ↓ 入ってすぐ左斜め前へ ↓ T字路ぶつかったら左折 ↓ 国民宿舎裏妙義 ルート http://goo.gl/maps/wm0GF ※松井田妙義ICから約15分 コンビニは脇道に入らずに500mほど進むと左にファミマがある 【駐車スペース】 ・国民宿舎の300mほど手前に15台程度のP ・国民宿舎内P(無料だが必ずフロントに許可を得て駐車位置の指定を受けること) ・国民宿舎入口前の路肩(2〜3台) 【入浴】 国民宿舎でできる(ただし、温泉ではない) 400円、10時〜18時 温泉の場合は、近くにもみじの湯、峠の湯があるが、 いずれも現在休業中。 峠の湯:http://www.usuitouge.com/tougenoyu/ 2013/7/31に火災が発生し、現在も休業中 もみじの湯:http://www.city.tomioka.lg.jp/tourism/008/002/ 改装工事中の為、2014/3/31まで休業中 今回は仕方がないので、ちょっと離れた安中市の磯部温泉 「めぐみの湯」まで足を伸ばした。 ぬるめで柔らかい、好みの泉質だったのでよかった。 3時間500円 http://www.city.annaka.gunma.jp/kanko_spot/meguminoyu.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
※このルートはバリエーションです。 【総評】 全体的に極端に藪が多いので、登高適期は晩秋〜初冬か春先に限られます。 岩峰を巻くルートを探すのが難しいですが、 逆に巻くルートを見つけることさえできれば、急斜面ではありますが明瞭で、 道具を使うような場面はありませんでした。 (※詰まった時のために、登攀具は必携です) ただし、砂地中心な上、急斜面では枯葉が大量に堆積しているので 非常に滑りやすく、注意が必要です。 風が強かったため、常に砂塵が舞うような状態でした。 なお、風穴尾根の主稜線を通して歩く場合は、完全なアルパインであり、 登攀具がないと通過は不可能です。 1.国民宿舎裏妙義前〜入山点 国民宿舎の左脇から舗装された林道を歩くと、丁須ノ頭への登山口がある。 多くの記録でここから入り、少し行くと黄色ペンキで「←巡視道」 と書かれたところで左へ登山道を外れ、当たった涸れ沢の右側を詰めていく、とあるが、 登山口を入らずに通過してそのまま2分ほど林道を歩くと、 植林地上部への作業道があるので、ここから入山すると植林地の上まで一気に詰められる。 2.入山点〜植林地最上部 杉の植林地の間の作業道を上がっていく。危険個所は皆無。 目の前に鶴峯山と前衛峰が見え、気分が盛り上がるいい眺望ポイント。 3.植林地最上部〜鶴峯山南壁基部 最上部のすぐ左手にある藪尾根に乗る。 記録によっては目の前の沢をひたすら詰める、という記載もあるし、 沢沿いにも赤テープがあるが、尾根のほうが安全で確実。 とにかくひたすら急な藪尾根を詰めると、鶴峯山南壁基部にあたる。 ものすごく藪が多いので、頭上注意。急斜面だが灌木が多く、 スタンスが取りやすいのが救い。 4.鶴峯山南壁基部〜鶴峯山 基部から左手と右手両方に踏み跡がある。 左手に少し巻くと、鶴峯山へ直接突き上げるルンゼがあるが、 地面が落葉と砂で滑りやすく、灌木はあるが頼りなく、急峻。 右手にはテープがあり、基部を巻いて進む明瞭な踏み跡がある。 前衛峰との間に下から突き上げている沢の源頭部があり、 その上に向かっているルンゼを詰めると、 鶴峯山と前衛峰のコルに乗ることができる。 直接突き上げる方が早いが危険度が高く、 沢の源頭からコルに乗るほうが安全。 コルからは左に伸びる藪だらけの稜線をひたすら漕ぎ、登り切ったところが鶴峯山。 5.鶴峯山(風穴尾根P1)〜P3・P4のコル 風穴尾根ノ頭に向かい、鶴峯山をP1として9つのピークが連続するが、 最初のピーク(P2)はザイルとビレイなしでは登高不可能。 そこで左手(南側)から深く下巻きするが、 P2基部に沿って下巻きすると、すぐに別の岩壁にあたって詰まる。 30mほど深く下巻きすると通過し、P3も同じように巻く。 やがて右手にP3とP4のコルに突き上げるルンゼが見えるので、 そこから稜線に突き上げる。小さな穴を通過し、北側に乗り越える。 6.P3とP4のコル〜風穴 主稜線の北側をトラバースする。ルートは比較的明瞭だが、藪が多い。 P6の手前から稜線沿いを歩き、P7の手前で再び北側に下りてトラバースすると、 左手下に巨大な穴、風穴が見える。 7.風穴〜P9 風穴を北から南側にくぐり、南側を15mほど深く下巻く。 しばらく進むと右手から左手に横切る小尾根に突き当たるので、 小尾根を稜線に向かって突き上げる。 最後は小ルンゼを詰めて稜線に乗る。 稜線を少し歩くと、カニの手先のような岩(P8)が見えるので、 そこから北側の尾根に下りる。 しばらくすると西側の1本先の尾根が近づいてくるので、 適当なところで谷に下り、1本先の尾根に乗って、ふたたび稜線に突き上げる。 ここまでが危険地帯。P9までは藪は多いが普通の登り。 8.P9〜風穴尾根ノ頭 藪は多めだが特に危険個所はなく、ヘルメットを外しても問題がない。 ただし、登りが長い。 9.風穴尾根ノ頭〜三方境〜国民宿舎裏妙義 ごく普通の一般ルート。 危険個所や特記すべき個所はないが、落ち葉が多いのでスリップに注意。 |
写真
感想
今回の山行にあたりましては、
同日の相馬沢→相馬岳北陵ルート同様に、
ozesaiさんの以下のレコを参考にさせていただきました。
たびたびありがとうございます。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-174929.html
-----
陰陽藪岩歩き(陽)
藪だらけのこの岩尾根の上では、
太陽がこれでもかとばかりに燦々と盛り立ち、
砂まじりの風が、そこを歩くぼくに洗礼を浴びせかけるように、
轟々と吹き荒れている。
-----
そこらじゅうに屹立する岩を巻き、なだめ、切り口を探しては、
ルンゼを這い上がり、ゴルジュを攀じ登り、藪を掴んで身体を引き上げる。
真正面から攻めるには、それ相応の準備がいるけれども、
その岩に立ち向かうには、ぼくひとりでは無力だった。
国民宿舎裏妙義の裏に屹立している2つの岩峰。
鶴峯山とその前衛峰。
目と鼻の距離にあるというのに、いやに巨大だ。
その巨大な岩山の向こうには無精髭のようにわさわさと藪が乱生した尾根があり、
途中で風の通り道たる穴がぽっかりと佇んでいる。
ぼくはその穴に会いに来たのだけれど、
歩けど歩けど、まるで生の気配がない。
あまりにも明るすぎて虚ろに揺れている陽光が、
何もかもを吸い取ってしまったかとさえ感じる。
朝、深くて薄暗い谷を歩きながら、
ぼくはそこに蠢く生の気配をひしひしと感じていた。
相馬岳まで辿り着き、陽光に照らされた向こうの岩峰を見た時、
谷で感じた翳りを忘れてしまうだろうと思った。
だけれど、明るければ明るいほど、
ぽっかりとした空虚な翳りを感じる。
全てがそこに留まることなく、
穴の向こう側に通り抜けてしまうかのようだ。
やがて、異様な音が聞こえてくる。
岩と風とが共鳴しているような音だ。
ぼくはそれで、風の通り道たる穴、風穴が近づいていることが分かった。
音が耳をつんざくほどになったころ、
目の前に巨大な穴が現れた。象でも難なく素通りできそうなくらいの、
大きな大きな穴だ。
これが、尾根のどてっ腹にぽっかりとあいている。
陽の光は、そこに留まることなく、南から北へ通り抜けている。
何がどう貫いてこのような穴があいたのか、想像もつかない。
もちろん、陽光があけたわけもない。
そんな、不思議な穴だった。
-----
そこからもうしばらく歩くと、
聞き分けの悪い岩はいなくなってしまった。
陽の光を遮るものはなく、藪の間から差し込んでは、
ぼくの肌を焼こうとする。
それとともに、次第に生の気配を感じられるようになった。
地図に記載されている登山ルートが近づいているのだろう。
飛び出すように登山ルートに立つと、
そのまま国民宿舎裏妙義へと歩みを進める。
下りの途中、ひとりの中年男性が休んでいたので、挨拶をする。
話をしてみると、朝方にぼくの車のすぐ後ろに駐車したひとだった。
谷をひとつ挟んだ目の前に、やはり風穴がぽっかりと穴をあけて佇んでいる。
けれど、谷のこちら側に来ると、
先ほどの虚ろな光の中を歩いていたのが、まるで嘘のように生の気配が溢れている。
嘘と虚ろ。字面も語感も似ている。
-----
翳で光を感じ、光で翳を感じた妙義での1日。
-----
鶴峯山山頂
※本動画内で「かくほうざん」と言っていますが、
ヤマレコの地点登録の読みでは「つるみねやま」と記載されています。
結局、国民宿舎のひとに訊きそびれてしまいました。
風穴
motchさん こんばんは!
表と裏の妙義バリエーション!
珠玉の短編のようなレコを楽しませていただきました
バリエーションの山行をこなす姿はもちろんですが、それをエレガントな言葉で綴るmotchさんは本当にカッコいいです。
せめてどちらか一方でもmotchさんに近づきたいなぁ
こんばんは。
いつも拙レコにコメントをくださり、ありがとうございます。
今回の山行は、大好きな妙義の中でも、
特にやってみたい組み合わせだったのですが、
スケジュールが合わなかったり、
自信がなかったりで伸び伸びとなってしまいました。
もともと、回りくどい文字を綴るのが好きな方なんですが、
ヤマレコは「山行記録の場所」と捉えていたので、
なるべく控えていました。
けど、まあたまにはいいかな、と思いまして(笑)。
ご笑覧くださいますれば幸いです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する