表妙義 相馬沢→相馬岳北稜
- GPS
- 04:47
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 1,487m
- 下り
- 1,474m
コースタイム
深い沢を歩いているため、位置情報の捕捉が不正確で、
ところどころ飛んでいます。実際の歩行距離は5〜6km程度です。
累計歩行時間 区間歩行時間 時刻 場所
0:00 0:00 0605 国民宿舎裏妙義前(車デポ)
0:09 0:09 0614 相馬沢入渓点(入山)
0:52 0:43 0657 沢分岐点
2:17 1:25 0822 相馬岳北稜取付(P11〜P12コル)
2:45 0:28 0850 仙人窟
3:37 0:52 0942 相馬岳(〜0951)
4:11 0:34 1025 のぞき穴
4:37 0:26 1051 国民宿舎裏妙義前(下山)
(裏妙義:鶴峯山→風穴尾根に続く)
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-380029.html
天候 | 晴 雲量2〜3 雪、凍結なし |
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過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
松井田妙義IC ↓出口右折 R18に当たったら左折 ↓ 入ってすぐ左斜め前へ ↓ T字路ぶつかったら左折 ↓ 国民宿舎裏妙義 ルート http://goo.gl/maps/wm0GF ※松井田妙義ICから約15分 コンビニは脇道に入らずに500mほど進むと左にファミマがある 【駐車スペース】 ・国民宿舎の300mほど手前に15台程度のP ・国民宿舎内P(無料だが必ずフロントに許可を得て駐車位置の指定を受けること) ・国民宿舎入口前の路肩(2〜3台) 【入浴】 国民宿舎でできる(ただし、温泉ではない) 400円、10時〜18時 温泉の場合は、近くにもみじの湯、峠の湯があるが、 いずれも現在休業中。 峠の湯:http://www.usuitouge.com/tougenoyu/ 2013/7/31に火災が発生し、現在も休業中 もみじの湯:http://www.city.tomioka.lg.jp/tourism/008/002/ 改装工事中の為、2014/3/31まで休業中 今回は仕方がないので、ちょっと離れた安中市の磯部温泉 「めぐみの湯」まで足を伸ばした。 ぬるめで柔らかい、好みの泉質だったのでよかった。 3時間500円 http://www.city.annaka.gunma.jp/kanko_spot/meguminoyu.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
※このルートはバリエーションです。登攀具は必携です。 【総評】 深い沢沿いで分岐が多いのでルートファインディングが難しく、 詰まった場合は懸垂下降する場面があります。 テープも踏み跡もところどころにはありますが、 全面的にあてにはせず、慎重にルートファインディングするのが吉です。 1.国民宿舎裏妙義〜相馬沢入渓 国民宿舎裏妙義から松井田妙義IC方面へ戻り、 5〜6分ほどで15台ほどのPを通過し、そのすぐ先で中木川をまたぐ橋がある。 この橋の手前にある工事現場から南側に伸びている沢に入る。 2.入渓点〜沢の分岐点 入渓点から2〜3分歩くと、沢が南から東に折れる。 あとは右岸(下流から見たら左側)沿いの薄い踏み跡をひたすら遡上する。 このあたりは特に難しいところはないが、 落葉が大変多い上、水面にも大量の落葉が堆積していて、 地面と水面の区別がつかない。 濡れた岩の上に堆積した落葉を踏むと滑るので注意が必要。 右手に大きな沢があり、左手にやや小さい沢が分岐、 左手の沢の入り口にある大きな岩が目印。 3.沢の分岐点〜相馬岳北稜 沢の分岐すぐの大岩を登ってからは左岸沿いを歩く。 踏み跡はあったりなかったり。 ここから沢の分岐が続き、ルートファインディングが難しくなる。 しばらくすると左手に太い沢が見えるが、 右手の細い沢を上がり、更に左右に分岐している沢を右手側から上がると、 仙人窟に取り付く。ここでは左手の沢につられやすく、 そこから上がるとP11〜P12のコルに取り付く。 相馬沢の遡上は仙人窟に突き上げるのがスタンダード。 4.相馬岳北稜P11〜P12のコル〜仙人窟 このルート最大の核心部。 距離は短いがアルパインクライミングを強いられる。 コルからP12に向かって15mほど登ると、ボロボロのテープシュリンゲがついた 錆びて頼りないハーケンと、そのすぐ下に何もついていない 少しばかり新しいハーケンが残置されている。 地面から下の残置ハーケンまで1.5mほどあり、 オーバハングで手がかりらしい手がかりがなく、登り出しに極めて難儀する。 なお、P12はコル右手から40mほど深く下巻きして トラバースすることで巻くことも可能なので、 状況に応じて登攀を避けることも検討すべき。その場合もロープ使用必須。 藪が多いので、下降点の選択は慎重に。 P12に登った後は稜線東側(左手)の急斜面を深く下巻きしながら進むが、 砂の急斜面で痩せている箇所が大半なので、 灌木を手掛かりにしながらの微妙な歩行を強いられる。 はさみ岩を巻き切ったところの右手の巨大な穴が仙人窟。ここまでが危険地帯。 穴の向こうにも下から登ってくる踏み跡があり、前述の通りこちらがスタンダード。 P12を下巻きした場合もここに到達できる。 5.仙人窟〜相馬岳 踏み跡ははっきりしており、細いとは言えルートがしっかりしていて、 特に難しいところはない。 1か所、仙人窟から急登を登り切り、平らなところに乗ったあと、 そのまま真っ直ぐの踏み跡につられて詰まるところがある(写真参照)。 乗った後、右手にある踏み跡を辿るのが正解。あとは道なり。 6.相馬岳〜相馬岳コース〜国民宿舎裏妙義 「山と高原地図」の破線ルート。 上には多くの鎖があるが、やや古めのものもあるので、慎重に。 落ち葉が多く、滑りやすい。 |
写真
感想
今回の山行にあたりましては、
ozesaiさんの以下のレコを参考にさせていただきました。
ありがとうございます。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-171609.html
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「陰陽藪岩歩き(陰の編)」
こうして、深くて薄暗い谷の中を歩いていると、
人間としてのぼくが異物のように思えてくる。
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積み重なった落葉の上を、登山靴で踏みしめると、
くしゃっ、くしゃっ、という柔らかいけれど涸れた音がする。
大きな岩が詰まった隙間を乗り越えると、
ごっ、ごっ、という低くて重い、擦れた音がする。
枯れ木の間を縫うようにして進んでいると、
ばきっ、ばきっ、という乾いた、脆い音がする。
これはすべてぼくが発している音であって、
ここに元々いる者たちの音ではない。
そう思うと、ぼくは人間であることが後ろめたくさえ思えるのだ。
時折立ち止まり、そのような思索に耽っていると、
鳥獣とも聞き分けがつかぬ泣き声が、
ぐあっ、ぐあっ、と断続的に聞こえてくる。
どこにいるかもわからないし、何の声かもわからない。
「オマエ、ナゼココニイルノダ!」と怒っているかもしれないし、
「クマガデルカラキヲツケロ!」と警鐘を鳴らしているかもしれない。
あるいは、こんな場所を歩いているぼくをせせら笑っているのかもしれない。
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朝6時過ぎ、表妙義の北東斜面にある相馬沢という谷筋に入ったぼくは、
その歩みを稜線に向かって東へ、東へと進めていた。
最初は1本だった筋はやがて分岐し、進路を惑わせる。
地図を見、コンパスを合わせ、事前にかき集めた情報を思い浮かべながら、
筋のひとつを選んで進む。
どれだけ多くの筋があろうと、ぼくの歩みはひとつしか選べないからだ。
東へ進めば進むほど傾斜は厳しくなる。
裏妙義の山々との間に阻まれて一向に現れない陽の光が、
樹々の生命力を弱めているようで、多くが立ち枯れているか、
或いは細く、か弱い。掴めば、たちどころに割れてしまいそうだ。
岩は苔に覆われ、人間の脚が踏みしめることを拒否しているかのように蒼く光っている。
このような場所は、本来人間が歩くべきではないのだ。
それをわざわざ歩いているのは何故か?
そのことを事細かに考え出すと際限がなくなる。
だから、「歩きたいから」というシンプルな答えだけを用意し、
そのプロセスはすべて封印する。
そうしないと、この歩みを進める意志が重くなってしまう。
時に、断崖に阻まれて止む無くロープを使って下降する。
普段、道具を使っての登下降を好まないぼくだけれど、
道具に助けられないと進めないのもまた事実。
この微妙なバランスによって、ぼくの山行は支えられている。
同時に、葛藤する。
ここに棲む猿や熊が懸垂下降などするのか?と。
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稜線に這い上がると、目の前に尖った壁が立ちはだかっていた。
これを登らないと先に進めないようだった。
壁は脆くて、何時、誰が残したかもわからないハーケンが2本、
クラックに無理矢理ねじ込んである。
片方のハーケンには、ボロボロのシュリンゲ。
これを手掛かりに、足掛かりにするのはあまりにも無謀だった。
幾つか用意してきた道具を駆使し、自身の身体の確保と、
攀じ登るするためのスタンスを作る。
1回目、左脚の爪先が少しだけ届かない。
力尽きる前に一度着地する。
2回目、右脚のスタンスの角度を変えてもう一度挑むと、
今度は左足の爪先が望んだ位置のスタンスにかかる。
右手で確保点を外し、左手を伸ばしてその上のスタンスを掴み、
一気に身体を引き上げる。
核心部はこうして超えた。
尖った壁の上に立ち、稜線の先を見渡す。
見慣れた妙義の山々。いつ見ても、厳しく、孤高で、凛々しい。
これは本当に山なのか?とさえ思えるほど、非現実的な造形。
神々の創造物。
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相馬岳の北側に走るこの北稜線を歩く。
最初の尖った壁を超えてその下に降りさえすれば、
あとは特に緊張を強いられることもない。
だいぶ上がってきた陽光が、ぼくを照らす。
葉が落ち切った広葉樹から差し込む木漏れ日が眩しく、
サングラスを通しても目が痛くなる。
深い谷を歩いていたほんのわずか前の重苦しい思索を、
優しい温もりが凍てついた心を溶かすかのように、
じわじわと解していく。
やがて、藪を掻き分けた先に相馬岳の山頂道標が目に入った。
人間が作った道標を見て初めて、
ぼくはここでも結局人間なんだ、そう思った。
これから山を降りて、谷を挟んだ向こうに見える
陽光に覆われた明るい藪岩尾根を歩くことになっている。
明るい道を歩いていると、絶対的なシンメトリィであるはずの
翳りを忘れてしまうのだろう。
だから、この深くて薄暗い谷を先に歩きたかったのだ。
すぐ後に別ルートから登頂してきた中年男性と2・3ことばを交わし、
ぼくは相馬岳を後にした。
(陽の編に続く)
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相馬岳コース、のぞき穴からの相馬岳北稜
お立ち寄りいただき拍手有難うございました。
去年の3月に同様のルートで相馬岳北陵は経験者に案内してもらい行くことができました。その日は雨天で展望がゼロでしたので掲載されている展望の写真に感謝です。
はじめまして。こんにちは。
こちらこそ、コメントをくださいましてありがとうございます。
あのルートを雨天の中歩かれたというのは、
凄いことだと思います。
ただでさえルートが難しい上に、濡れていたのであれば、
相当歩きにくかったのではないでしょうか。
ちなみに、ヤマレコにおける妙義のエリアですが、
「赤城・榛名・荒船」で正しいと思われます。
谷川や奥利根では明らかに北過ぎですし、
奥秩父では埼玉になってしまいますので。
個人的には「妙義・荒船」と「赤城・榛名」という
エリア分けをしていただきたいところですけれども・・・。
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