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Yamareco

記録ID: 476421
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
ヨーロッパ

リラ七湖〜マリョヴィッツァ(2729m)〜リラの僧院

2014年07月03日(木) 〜 2014年07月04日(金)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
22.3km
登り
1,516m
下り
1,799m

コースタイム

7/3(木) バーダ小屋15:35〜17:25リラ7湖小屋
7/4(金) リラ7湖小屋7:50〜リラ7湖めぐり〜13:10マリョヴィッツァ山頂〜16:30リラの僧院
天候 7/3 くもり
7/4 ガス時々晴れ
過去天気図(気象庁) 2014年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス タクシー
 ボロヴェツからバスで15分ほどのサモコフの街から林道終点のバーダ小屋までタクシーを使う(40分 26Leva)。バス路線はない。途中は舗装が所々崩壊しており非常な悪路。バーダ小屋からリラ7湖小屋までは徒歩2時間ほど。途中は林道が入り交じっており、分岐を間違わないように十分注意。なお、7湖小屋のそばにリフト終点があるが、今回は運行していなかった。夏期の運行があるかどうか不明。なお、バーダ小屋から1時間ほどの所にロヴナ小屋があり、こちらに泊まるのも有りだと思う。バーダ小屋は改修工事中で泊まれるかどうか不明。
コース状況/
危険箇所等
 リラ7湖小屋は、ほとんどホテルと言って良いような立派な建物。ドミトリー23Levaで朝食付き。個室もあるよう。レストラン有り(7:30〜22:00)。従業員はおばちゃんばかりで誰も英語が話せず、チェックインも食事の注文も非常な苦労を要した。
マリョヴィッツァからリラの僧院までの下りは整備が良くなく上級者向きである。途中ルートがヤブに埋もれていてはっきりしない上、ヤブのトゲで傷だらけになる(半ズボン厳禁)。また足場も不安定で危ない箇所もあるので十分注意が必要である。ほとんど廃道と思った方がよい。僧院に下るルートはイヴァン・ヴァゾフ小屋を経由する遠回りのコースもあり、こちらの方は整備がよいそうだ。ただしその場合マリョヴィッツァとリラ7湖を一日で踏破するのは難しいだろう。
 このコースも水は豊富だが、馬の荷揚げ経路や放牧地が重なっていて馬糞が至るところにある。水は小屋で準備し、沢水は飲まない方が良いと思う。

[今回の記録リンク]
オリンポス http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-475897.html
ヴィフレン http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-475913.html
ムサラ http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-476401.html
リラ七湖ーリラ僧院 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-476421.html
登山口のバーダ小屋は改装中でした。
2014年07月03日 21:43撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/3 21:43
登山口のバーダ小屋は改装中でした。
いきなり渡渉から始まる。
2014年07月03日 21:45撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/3 21:45
いきなり渡渉から始まる。
キリル文字もだいぶ慣れてきた。
2014年07月03日 22:23撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/3 22:23
キリル文字もだいぶ慣れてきた。
ロヴナ小屋。
2014年07月03日 22:33撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/3 22:33
ロヴナ小屋。
魅力的なハット。泊まりたくなった。食堂もあるみたいです。
2014年07月03日 22:34撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/3 22:34
魅力的なハット。泊まりたくなった。食堂もあるみたいです。
ニワトリもウロウロしてます。
2014年07月03日 22:40撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/3 22:40
ニワトリもウロウロしてます。
天気がいまいちでこの後の写真はなし。
ところ変わってこちらは今夜の宿のリラ七湖小屋。ドミトリーです。きれいでした。
2014年07月04日 00:07撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 0:07
天気がいまいちでこの後の写真はなし。
ところ変わってこちらは今夜の宿のリラ七湖小屋。ドミトリーです。きれいでした。
食事もおいしかった。言葉が通じないのが大変でしたが。
2014年07月04日 01:21撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 1:21
食事もおいしかった。言葉が通じないのが大変でしたが。
外観はこんな感じ。ほとんどホテルです。
2014年07月04日 13:50撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/4 13:50
外観はこんな感じ。ほとんどホテルです。
翌日、出発直後に高山帯になってきました。
2014年07月04日 14:07撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/4 14:07
翌日、出発直後に高山帯になってきました。
天気もまあまあかな。
2014年07月04日 14:17撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/4 14:17
天気もまあまあかな。
まずは1湖目。
2014年07月04日 14:25撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/4 14:25
まずは1湖目。
真っ白なオダマキがありました。日本の山では見かけないですね。
2014年07月04日 14:31撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 14:31
真っ白なオダマキがありました。日本の山では見かけないですね。
2湖目。ここも小屋があり快適そうでした。
2014年07月04日 14:46撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 14:46
2湖目。ここも小屋があり快適そうでした。
3湖目。
2014年07月04日 15:10撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 15:10
3湖目。
気持ちいです。
2014年07月04日 15:11撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 15:11
気持ちいです。
4湖目はかなり大きくて、かなづちのような形をしています。
2014年07月04日 15:21撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 15:21
4湖目はかなり大きくて、かなづちのような形をしています。
分岐で間違わないように。。。
2014年07月04日 15:42撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/4 15:42
分岐で間違わないように。。。
5湖目。ここが一番綺麗でした。
2014年07月04日 15:43撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 15:43
5湖目。ここが一番綺麗でした。
水も澄んでます。
2014年07月04日 15:44撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 15:44
水も澄んでます。
少し登ると三日月のような形をしてるのがわかります。
2014年07月04日 15:54撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 15:54
少し登ると三日月のような形をしてるのがわかります。
今まで通ってきた湖を振り返ります。
2014年07月04日 16:09撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 16:09
今まで通ってきた湖を振り返ります。
6湖目。この辺から氷河地形が顕著になってくる。
2014年07月04日 16:11撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 16:11
6湖目。この辺から氷河地形が顕著になってくる。
7湖目。稜線のすぐ近くにある小さな湖です。
2014年07月04日 16:26撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 16:26
7湖目。稜線のすぐ近くにある小さな湖です。
リラ七湖。とても見ごたえのあるいいコースでした。
2014年07月04日 16:37撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 16:37
リラ七湖。とても見ごたえのあるいいコースでした。
稜線は一面の草原でした。
2014年07月04日 16:37撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 16:37
稜線は一面の草原でした。
目指すマリョヴィッツァです。結構とおい。
2014年07月04日 17:07撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 17:07
目指すマリョヴィッツァです。結構とおい。
北側のカールをずうっと巻いて行きますが、南側は草原がj広がっています。面白い地形です。
2014年07月04日 17:43撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 17:43
北側のカールをずうっと巻いて行きますが、南側は草原がj広がっています。面白い地形です。
リラの僧院分岐まで来ました。左側の尾根を下ります。かなり急なので驚きました。
2014年07月04日 18:27撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 18:27
リラの僧院分岐まで来ました。左側の尾根を下ります。かなり急なので驚きました。
なんとゴールのリラの僧院が見えるではありませんか!意外と近いですがだまされてはいけない。
2014年07月04日 18:27撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 18:27
なんとゴールのリラの僧院が見えるではありませんか!意外と近いですがだまされてはいけない。
マリョヴィッツァの山頂にも到達できました。今日は天気がいまいちで、寒くて死にそうでした。
2014年07月04日 19:18撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 19:18
マリョヴィッツァの山頂にも到達できました。今日は天気がいまいちで、寒くて死にそうでした。
遠足なのか、子供と先生らしき団体も登ってきました。
2014年07月04日 19:27撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 19:27
遠足なのか、子供と先生らしき団体も登ってきました。
マリョヴィッツァも花豊富。
2014年07月04日 20:21撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 20:21
マリョヴィッツァも花豊富。
さて、この恐ろしい急坂を僧院へ下ってゆきます。
2014年07月04日 20:40撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 20:40
さて、この恐ろしい急坂を僧院へ下ってゆきます。
相変わらず花が綺麗。
2014年07月04日 20:51撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/4 20:51
相変わらず花が綺麗。
水も豊富ですが、この一帯は馬糞が多く、飲む気にはなれません。
2014年07月04日 20:52撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/4 20:52
水も豊富ですが、この一帯は馬糞が多く、飲む気にはなれません。
スミレ
2014年07月04日 21:09撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 21:09
スミレ
いやー、とんでもない難路でした。ヤブはひどいわ。道はわからないわ。急すぎて滑りまくるわ。。。危ないのでカメラも出せず、ようやく安全な尾根筋に出ました。ここから下も結構大変でした。
2014年07月04日 22:06撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/4 22:06
いやー、とんでもない難路でした。ヤブはひどいわ。道はわからないわ。急すぎて滑りまくるわ。。。危ないのでカメラも出せず、ようやく安全な尾根筋に出ました。ここから下も結構大変でした。
シイタケみたいなキノコ。
2014年07月04日 22:10撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 22:10
シイタケみたいなキノコ。
ついに僧院のそばに下山!!
2014年07月04日 22:32撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 22:32
ついに僧院のそばに下山!!
うわー!
2014年07月04日 22:35撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 22:35
うわー!
なんと格調の高い僧院なのだ。
2014年07月04日 23:13撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 23:13
なんと格調の高い僧院なのだ。
正教の僧院ですが、ムスリム風な感じも受けますね。オスマントルコの支配が長かったせいなのか。
2014年07月04日 23:17撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 23:17
正教の僧院ですが、ムスリム風な感じも受けますね。オスマントルコの支配が長かったせいなのか。
左後の山から下りてきました。
2014年07月04日 23:24撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 23:24
左後の山から下りてきました。
フレスコ画も見事で思わず見入ってしまいます。
2014年07月04日 23:26撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 23:26
フレスコ画も見事で思わず見入ってしまいます。
教会内部は撮影禁止でした。ちょうど夕方の礼拝中で中は荘厳な歌声に包まれていました。
2014年07月04日 23:27撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 23:27
教会内部は撮影禁止でした。ちょうど夕方の礼拝中で中は荘厳な歌声に包まれていました。
周りを囲む宿泊棟のアーチも綺麗です。
2014年07月04日 23:38撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 23:38
周りを囲む宿泊棟のアーチも綺麗です。
僧院の外にはお土産屋やレストランもあります。
2014年07月04日 23:40撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/4 23:40
僧院の外にはお土産屋やレストランもあります。
早速…
2014年07月04日 23:46撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 23:46
早速…
ローストパプリカのサラダはこの旅行中で最も気に入ったものの一つです。
2014年07月04日 23:51撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 23:51
ローストパプリカのサラダはこの旅行中で最も気に入ったものの一つです。
ここはマス料理がお勧めとのことで頼んでみました。結構量がありましたが、うまくてペロリでした。
2014年07月04日 23:54撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/4 23:54
ここはマス料理がお勧めとのことで頼んでみました。結構量がありましたが、うまくてペロリでした。
僧院となりのホテルに泊まりました。それほど高くなく、綺麗で雰囲気も良いです。受付のおばちゃん、英語片言ですが、愛想よく頑張ってくれました。Good job!
2014年07月05日 00:32撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/5 0:32
僧院となりのホテルに泊まりました。それほど高くなく、綺麗で雰囲気も良いです。受付のおばちゃん、英語片言ですが、愛想よく頑張ってくれました。Good job!
翌朝、もう一度僧院を回りました。ここはブルガリア最大の見所です。登山と関係なくとも、是非見学することをお勧めします。
2014年07月05日 14:42撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
7/5 14:42
翌朝、もう一度僧院を回りました。ここはブルガリア最大の見所です。登山と関係なくとも、是非見学することをお勧めします。
オマケ: ソフィアのアレクサンドル・ネフスキー寺院。大きくて荘厳ですが、個人的にはリラの僧院のほうが気に入りました。
2014年07月05日 21:54撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/5 21:54
オマケ: ソフィアのアレクサンドル・ネフスキー寺院。大きくて荘厳ですが、個人的にはリラの僧院のほうが気に入りました。
ソフィアの町並み。ホコテンの両端にカフェが並び、みんな思い思いにくつろいでいる。楽しい街です。
2014年07月05日 23:41撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/5 23:41
ソフィアの町並み。ホコテンの両端にカフェが並び、みんな思い思いにくつろいでいる。楽しい街です。
ブルガリア人はヨーグルトも好きですが、アイスクリームも大好き。私も真似して食べてみました。
2014年07月05日 23:47撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/5 23:47
ブルガリア人はヨーグルトも好きですが、アイスクリームも大好き。私も真似して食べてみました。
おもしろい撮影現場に出くわしました。車の宣伝かな?
2014年07月06日 00:11撮影 by  RICOH GX200 , RICOH
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7/6 0:11
おもしろい撮影現場に出くわしました。車の宣伝かな?
撮影機器:

感想

 リラ7湖とマリョヴィッツァ山はリラ山群でも人気のエリアである。更にリラの僧院に下れば世界遺産の僧院の建物も拝め、一石三鳥になる。これを一日でやってしまおうという欲深な計画を目論んでいた。事前調査によれば、7湖小屋に前泊すれば何とかなりそうなことは判っており、また、サモコフのバーダ小屋からアプローチするのが時間的には早そうだった。現地で地図を購入してルートを確認しこの計画で行けそうなことを確認した。

7/3(木) 曇り バーダ小屋15:35〜17:25リラ7湖小屋
 サモコフのバスターミナルで声をかけたタクシー運転手さんは幸運にも英語が話せた上、登山が趣味の人だった。今回のルートの情報を色々教えてくれた。バーダ小屋からリラ7湖小屋まではあまり歩く人はいないが3時間で十分行けるだろうと言っていた。
 小屋でタクシーを降り、車道を外れて川を渡渉して登山道に入る。このルートは合計3回ほど渡渉があったが平水時なら靴を濡らすことはないと思う。途中のロヴナ小屋までは針葉樹の森の中の、林道のような広い道を行くが、複数の道が交差し混乱しやすい。一応分岐には必ず看板があるので、Lovna(キリル文字表記Ловна)の文字を見落とさないようにする。
 ロヴナ小屋はシェルターのようなものだろうと勝手に推測していたが、ちゃんとした営業小屋だった。ニワトリが放し飼いされており生活感がある。昔の南アルプスのような雰囲気の古風な山小屋で、思わずここに泊まりたくなった。外にメニュー表も出ていたので、食事も出すのではないかと思う。良い水も得られるのでここで水筒を満タンにした。
 小屋から上もルートは針葉樹の中を行くが、やはり錯綜が見られる。ここも常にRilski ezera(キリル文字表記Рилски езера)の看板に従う。森林限界が近くなるとリフトが見えてくる。高山植物が一気に豊富になり、高山帯になったことを知る。ここから少しリフト沿いを登るとその終点付近に立派なリラ7湖小屋があった。タクシーの運転手さんが言っていたように、ここまで誰にも人に会わなかった。
 小屋は立派でレストランもあり良かったのだが、ブルガリア語しか通じなくて参った。チェックインすらままならない。見かねてお客さんの女の子が通訳に入って助けてくれた。今はニューヨークに住んでいるが里帰り中で偶然山に登っていたそう。とても助かった。お客さんは全員ブルガリア人のようでこの日は完全アウェイ状態だった。ニューヨークっ子のグループに一緒に飲まないかと誘われたが、明日の朝が早いので丁重にお断りした。

7/4(金) ガス時々晴れ リラ7湖小屋7:50〜リラ7湖めぐり〜13:10マリョヴィッツァ山頂〜16:30リラの僧院
 朝起きると一面の濃いガス。ただ時折晴れ間も見えており回復傾向のようだ。朝食を食べてすぐに出発する。少し登るとリラ7湖のうちの1湖が見え始め、すごい景色になってくる。前に登ったムサラも湖はあったが、規模が全然違う。登るにつれ2湖、3湖、4湖と次々現れて楽しませてくれる。氷河で削られた地形に水が貯まって湖になったようである。別世界のような景色であった。天気も回復しており日差しも出るようになってきた。
 最後の7湖を超えるとちょっとしたピークに出る。ここから先は標高2500mを超えるが一面の草原になっている。このあたりの地形は北が絶壁で南がたおやかである。マリョヴィッツァ山頂まで草原がつながっているのが確認できた。馬糞も落ちておりおそらく放牧地なのかもしれない。こんな高地に原っぱが広がっているのは驚きだった。
 気温が猛烈に低く寒くて仕方がない。手袋も持ってきて大正解だった。今日は北風が強く寒気が入っているようで、そのせいで雲が湧いてしまっているのだろう。何とか耐えて進み、ようやくリラの僧院との分岐に到着した。凄い傾斜の下り坂で不安になるが、とりあえず荷物をデポしてマリョヴィッツァを目指す。残念ながら山頂は濃いガスだったが、ブルガリア人に大人気のピーク登頂に満足した。マリョヴィッツァは反対の東側からの方が人気のようで、軽装の若者や遠足の子供達&先生も登ってきていた。この山は北から眺めるとガキンガキンの岩山らしいのだが、今日は緩やかな南西からアプローチしたことやガスガスだったこともあり、その片鱗はつかめなかった。
 僧院分岐まで戻った。ここから目指す僧院が真下に見え、なんだすぐそばではないかと思ってしまうが、それは大きな誤解である。急坂を慎重に下ってゆく。南側は天気が良くてポカポカしてきたのは幸いだった。地図では尾根道になっていたが実際は尾根から外れた斜面を巻きながら下っていくルート取りだった。そのルートも所々ヤブが掛かり、足場も怪しく、滑ってコケながら下るような場所もあった。また下部はヤブ漕ぎも酷く、アザミや野バラのトゲで傷だらけになった。さすがはバラの国だが、登山道に生息するのは勘弁して欲しい。標高1600mくらいでようやく尾根にルートが取られたが、まだヤブには悩まされた。傷にまみれ、膝も笑いかけ、先ほどまで寒くて死にそうだったのに今度は暑くて死にそうになり、さすがに精神的にもキレそうになりながらようやく僧院にたどり着いた。最後の最後でまさかこんなに苦労するとは思わなかったが、無事に下山できて良かった。
 予約していたすぐ近くのホテルにチェックインしてからリラの僧院を見学に行った。世界遺産リラの僧院はブルガリア最大の見所、ちょうど夕方の礼拝時で、寺院内は荘厳な雰囲気だった。オスマントルコに400年も支配されながら、強い信念で守り続けられたブルガリア正教の聖地。壁全体を覆う美しいフレスコ画、キリスト教でありながらムスリム風にも見える独特の建物群、修道士たちの熱心な姿など、印象に残ることばかりだった。

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