鳳凰三山恐怖のトラバース 御座石温泉-地蔵岳-赤抜沢ノ頭


- GPS
- 13:56
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,912m
- 下り
- 1,940m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年02月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
御座石温泉までの道路の状況は前の山行記録を参照。 ただ登山ポストは有ったので修正。 <御座石温泉から燕頭山> 全般的に踏み跡有り。 20分程歩いた所から道に雪(朝だと凍結)。ただ直ぐに土に戻るのでアイゼンを着けるか悩ましい。 それ以降も凍った雪と地面が交互に現れる。そのまま急な山道を登ると少し開けた場所に出る。 そこから少し傾斜は緩やかだが直ぐに次の急登になる。この辺りから雪の締める割合が増す。 さらに登るとお地蔵さんが有る見晴らしの良い場所に出る(地図には祠となっている)。燕頭山までは特に危険個所は無い。 <燕頭山から鳳凰小屋> 地図ではなだらかな道となっているが、尾根沿いは少なく巻いている個所が多い。 このトラバースしている個所は、傾斜がスキーの上級コースなみの斜度が有るためか、全て踏み跡が消えている。 雪が降らなくても、風で上から雪が落ちて来るせいではと思われる。 土日以外の曜日に行く場合は出来ればピッケルも持った方が良い。 特に午後の下りは最近の陽気で雪がゆるくなっているので滑り易い。またアイゼンに雪のだまが付着し易い。 トラバースを避けて高巻いた場合、尾根沿いの緩やかな所は雪が深く踏まれていないため、最低でもワカンは必要。 冬道が有るらしいが見つけられなかった。しかしそれでもトラバースが最初に始まる前に、高巻いて尾根沿いを歩く方が安全だろう。 <鳳凰小屋から赤抜沢ノ頭> 踏み跡は全般的にまあまあ有る。最初は樹林帯を進むが、途中から川沿いに出て、そのまま賽の河原に登る。 賽の河原の直下は、急斜面で滑りやすく登りは苦労する。そこから赤抜沢ノ頭までの方が楽。 御座石温泉のお風呂 : 1260円 |
写真
感想
先月、同じく御座石温泉からドンドコ沢経由で鳳凰三山を目指しましたが失敗したのでリベンジです。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-56089.html
ドンドコ沢は踏み跡が無く、登りは非常に大変だったので、御座石温泉から直接鳳凰小屋に登り、下りでドンドコ沢を使う事にしました。御座石温泉から鳳凰小屋へのルートは週末は人が入っているので、踏み跡が有ると思ったからです。
予定より30分以上遅い出発。これが後々響きました。それでも5時だと辺りはまだ真っ暗で星が綺麗に見えました。
登り始めて暫くすると所々で凍った雪が登山道に現れて来ました。まだ雪の無い所が多かったのですが、急登で凍った雪の上は滑ったので早めにアイゼンを着けました。
燕頭山までは急登の連続でしたが、地図のコースタイムより少し早い程度でまずまずでした。ここにはベンチも有り、乾いていたのでゆっくり座って食事が取れました。
これから鳳凰小屋までは、地図ではなだらかな道と書かれていたので、景色をみながらのんびり山行を楽しめると思ったのが間違いでした。
確かに見晴らしが良くなり、景色も八ヶ岳やこれから登る鳳凰三山の山々が見えてきたのですが、トラバースが始まってルンルン気分が吹っ飛びました。
トラバースでは踏み跡が無くなり、スキー場の上級コース並みの急斜面が延々と続きます。滑ったらどこまで落ちるのか考えただけでぞっとします。
この日はだれも登っていなかったので、滑ったら自力ではどうする事も出来ないでしょう。ピッケルを持って来なかった事を悔みながら慎重に進みました。
流石に神経もすり減ってきたので、きっと冬道が尾根沿いに有るに違い無いと思い、高巻く事にして登りました。上は丁度平たくなっていてそこから稜線沿いに降りていけそうでした。しかし雪が急に深くなり進むのが大変になったのでワカンを着けました。
それ以後は順調で何とか鳳凰小屋に着けましたが、予定より大幅な遅れ。時刻からしてとても薬師岳どころか、観音岳にも行けそうに無いので、地蔵岳と赤抜沢ノ頭だけにする事に決めました。
地蔵岳は賽の河原の近くの急斜面で滑り易い所が嫌だったのですが、やっぱり冬でもあそこは登りがきついですね。できればここは下りだけ利用したいところです。
鳳凰小屋を出発して途中までは樹林帯の登りでしたが、下山時はそのまま川沿いに下ってみました。斜度は有りますがまあまあの道です。踏み跡は無いのでワカンは必須です。
途中この日の陽気で雪がとっても柔らかくなり、アイゼンにだまが出来たので落とすのが大変でした。そのままにして置くと5センチ位にすぐだまが膨らみ、アイゼンが役立たなくなります。
赤抜沢ノ頭からの眺めは素晴らしかったので疲れが一挙に吹っ飛びましたが、鳳凰小屋に戻ると、とてもドンドコ沢を降りるのは困難な時間になっていました。
しかたが無いので不本意ながら同じ道を下る事にしました。
途中で下の道に降りてみたら高巻いた所の反対側に出たので、高巻いたトラバースが最後の1つだった事が判りました。そのままトラバースを進めば早いのですが、雪は朝よりゆるくなってより危険そうだったので、また来た道を登り返して行きと同じ高巻いた道を下りました。
それから次のトラバースでこの判断が正しかった事が判りました。自分の踏み跡が有るにも関わらず、いきなりずるずると滑ったのです。かなり暖かいこの陽気で雪が柔らかくなっていました。しかも若干下っている分、より滑ります。
それから行きよりさらに慎重にトラバースを横切ったので、結局下りはコースタイムより随分と遅くなりました。やっと燕頭山に戻って来た時には既に日が沈みかけていました。
それからは時間との勝負でしたが、結局暗くなりヘッドランプを頼りの下山となりました。道を間違うとまずいので、暗くなってからは慎重に下った為に御座石温泉
に着いた時には7時を過ぎていました。途中でアイゼンを外したら、所々の凍った雪に滑って、両手を少し痛めました。
宿のおばさんの話では、この前の土日で何組か1泊2日で御座石温泉から登ったそうです。そのうちの二人は同じ時間に翌日鳳凰小屋を出発し(11時頃)、一人はそのまま同じ道を、もう一人はドンドコ沢経由で降りたそうです。
とこらがそのまま同じ道を降りた人は15時に着き、ドンドコ沢経由の人は、なんと21時にやっとたどり着いたそうです。
やっぱりドンドコ沢経由の方が大変なんですね。でも下りはそちらを通りたかった。前回の山行で上の2つの氷瀑は、見損なったので。。。
連続してこれで3回ともメジャーな山に登っているにも関わらず、誰とも会っていません。
ドンドコ沢や
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-56089.html
金峰山の北ルート
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-53113.html
そこで痛感したのですが、冬山は踏み跡の有無で難易度が全く変わる事です。たとえ冬山初級でも、踏み跡が無いと地図のコースタイムより大幅に時間を使いますし、無雪期は高低差の少ない楽な巻き道も恐怖のトラバースと化します。
時間に余裕を持った山行計画を建てるのが必須ですね。
コメント
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Futaroさん、
長いルートを真冬頑張りました。お疲れ様でした!
詳しく雪状況を書いてくれて、とても良い参考になります。自分の窓から、ルートがだいたい見えますが、雪がない様子です。実は、かなりハードですね。ピケルをもっていきましたか?
もし、写真がありましたら。。。
はじめまして。
積雪期で日帰りとはすごいですね!
私は1泊で同ルートを考えていたことがあり、色々調べたところ、
鳳凰小屋の旧ホームページに、冬ルートの
ガイドがありました。↓
http://houougoya.jp/course/winter.html
それによると危険なトラバースルートを避けるための
冬道への道標・赤ペンキがあるようなのですが、
そういった類のものは今回ありましたか?
hanameizanさん、
これから写真や感想をアップする予定ですのでもう暫くお待ちください。
koodooさん、良いガイドを教えてくれて有難うございます。流石にあまりに危険なトラバースが続くので、きっと冬用の道が有るに違い無いと思い、高巻いてみたのですが見つけられなかったです
もっと探すべきだったのでしょうが。。。
Futaroさん、こんばんは。
前回のリベンジお疲れ様でした。
冬、こちらからは登ったことはありませんが、
燕頭山から先のトラバースになっている箇所
なんとなくわかります。
ピッケルがないと怖いですね。
このルート積雪直後でトレースなどがないと
完全に日帰り圏外になってしまいますね。
今回のFutaroさんもギリギリ日帰りですね
毎度、凄いルートで行くなぁと感心しております。
次回も気を付けて行って下さい
kankotoさん、今晩は。
今回の最低限の目標は、地蔵岳と帰りはドンドコ沢ルートだったのでまた失敗ですね、前回よりはましですが
土曜か日曜なら人が入っているのでもう少し楽ですが、天気予報はあまり良くなかったので。。。
でも景色が良かったで多少は満足です。温泉代は高かったけど、お茶とお惣菜をいただいたし
また再挑戦したいけど、あの悪路は我が家のラフェスタ君がかわいそうなので、今年は無しですね。
kankotoさん位に速ければ、もう少し楽なのですが。。。やっぱり早出しか無いですね。4時位には出発して朝日を見たいものです。
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