三ノ塔尾根-塔ノ岳-小丸尾根
zaoluck
体力度について
- GPS
- 07:52
- 距離
- 19.1km
- 登り
- 1,525m
- 下り
- 1,524m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:39
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 7:46
| 天候 | 晴れ後小雪 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年02月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
◆三ノ塔尾根取りつきの牛首へ向かう林道が通行止めで、尾根通しの登山道を歩かねばならず、15分ほど余計に時間がかかります。 ◆概ね標高1000m以上は週半ばの雪が最大15cmほど残り、軽アイゼン推奨。他人の踏み跡を辿る場合、灰色に凍っていると非常に滑ります。表尾根南斜面はあちこち泥田状態。 ◆前爪のない軽アイゼンで行者ヶ岳の鎖場を下る場合、ステップが雪で見えないので鎖に体重を預ける腕力が必要です。 |
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感想
2月はスキー中心なので、久々に雪歩きでもしようと思い立った。東京は週半ばに雪の予報が外れて雨が降ったから、当然、丹沢は雪が適度に積もっているはず。そんな歩きにくい山に来る物好きは少なかろうと思ったら、朝8時の渋沢駅バス停は中高年中心に長蛇の列だった。翌日曜日が雨の予報なので集中したのかもしれないが、雪遊びが好きな熟年ハイカーは自分だけではないらしい。
駅のトイレに寄ったせいで定時のバスには積み残され、すぐ後の続行便で大倉へ。人々と別れて東の風の吊橋へと向かう。表尾根や大倉尾根は冬、日当たりが泥田と化すので、少しでも避けようという作戦だ。三ノ塔〜塔ノ岳の表尾根核心部は歩くが、前後は人の少ない三ノ塔尾根と小丸尾根を使う。
三ノ塔尾根は3年ぶりで少し忘れかけていたが、吊橋を渡って公園の中の歩道を辿り、一段上の道に出た所で思い出した。ルートの林道に車両通行止めの柵が出ている。気になりつつジグザグの林道を詰めていくと、登山道分岐の指導標に「迂回路」の表示があり、林道伝いのルートにバッテンがしてあった。丹沢名物の崩落だろう。
雪道歩きの体力を温存したいが、仕方なく�猖寨茲痢蛭�根通しの登山道に入る。ダブルストックに冬用登山靴の男性を追い抜き、牛首へ。林道を付け替えるのか、平日は重機で大がかりに工事をしているらしい。
このコースを辿る登山者は思った通り数少なく、抜いたり抜かれたりを勘定すると男性ばかり4、5人が前後を歩いているようだった。標高800m付近で残雪が増え、1000mを超す林床はうっすらとだが雪が斜面を覆っていた。人の足跡を辿って歩くと、時々凍っていて足を取られる。アイゼンを付けている人もいたが、とりあえず三ノ塔頂上までは無しで様子を見ることにした。
樹間から右手に相模湾、左手に表尾根が覗くが、雲がだいぶ増えている。富士山に至っては、裾の方の一部しか見えていない。少々寒くなったが、風が少ないのでいつもの登山シャツ一枚で表尾根合流。ぐちゃぐちゃの道を数十m歩くと、冷たい強風が吹きつける三ノ塔山頂だった。
休憩小屋の陰で軽アイゼンを着け、ビスケットで栄養補給し出発。地蔵菩薩からの急斜面はびっしり雪が張り付き、ストック先のゴムキャップを取って雪に刺しながら慎重に下る。登り返した烏尾山では小屋のドアが開いて営業中の様子。日当たりの良い山頂は、半ば凍り半ば解けたぐちゃぐちゃの泥田状になっていた。
もう一度軽く下って行者ヶ岳に取りつく。登りの南東斜面がドロドロ気味なのに対し、北西側の下りは雪が着いている。男性2人を抜いて短い鎖場を通り、次いで2段の鎖場へ。下の長い方は腕の力に頼って下ることになった。
無事に難所を過ぎて政次郎の頭へザレ場を登る。木道で整備されているが、来るたびに崩壊がひどくなっているように感じる。そろそろ脚が疲れてきた。最近は心肺の方が先にきつくなることが多かったが、脚の鍛え方が不足しているのだろうか。
書策新道分岐で先ほどの男性2人を先に通し、ペースを落として新大日に辿り着いた。半ば風の陰になっているので、何人かが昼食休憩中だった。おなかが減りだしたが、暖かい尊仏山荘目指して当方は息を整えただけで進発。ここまで来れば塔ノ岳直下の標高差90mほど以外に急登はなく、気が楽だ。
雪に覆われた尾根道を辿って営業中の木ノ又小屋の前を過ぎ、木ノ又大日を通過。冷たい風が強くなる。だいぶ前から日は蔭りがちで、右手奥の丹沢山方面には明らかな雪雲がかかっている。降られる前にと、懸命に疲れた脚を運び、塔ノ岳に辿り着いた。頂上直下で風を避けて休憩している人がいたが、寒風の中で昼食を広げている豪傑もいる。こちらはアイゼンを外すのももどかしく、そそくさと山荘の中へ避難した。
人出の多さと寒さを反映して、中は満席状態。缶ビールを注文し、少し詰めてもらってコッヘルを置いた。のんびりしているグループには、小屋番さんから「後の方が来ているので、長く休まれた方は交代を」「山小屋30分と言いますので」と追い出しがかかる。
こちらも30分足らずで腰を上げた。外は小雪で視界が落ち、相変わらず風が強い。本当は晴れのち時々曇りの予報だったのだから、また外れだ。「予報外しておいて、のうのうと良い給料もらっていられる気象台の連中の厚かましさが信じられん」と、口の中で呟いた。
トイレに寄ってから、半ば駆けるように金冷シへの道を下った。軽アイゼンがよく効く雪道で歩きやすい。大丸の登り返しでは、たちまち疲れた脚が文字通り馬脚を現しスピードダウンするも、その後は快調。たまには「自撮り」をと考え、道の脇の枝にカメラを載せて、セルフタイマーで自分の姿を撮ってみた。
小丸分岐から急坂を下りだした時、雪が強くなってヒヤリとしたが、しばらくしてやんだのでホッとした。雪ならまだ良いが、下の方で冷たい雨になられたら往生するところだった。そのジグザグの急坂を下りるうちに、雪道はみるみる泥濘が主体に。やがて普通の土の道も現れてきた。標高はまだ1100mほどあるが、もっと手前でアイゼンを外している女性もいたので、当方も倣うことにした。ただ、外したドロドロのアイゼンは始末に困る。ティッシュで泥をふき取り、リュックにぶら下げて歩きながら自然乾燥を待つことにした。
道は植林帯の中に入り、残雪が一時また多くなったものの、標高900mを切ったころには見えなくなった。この道は2年ほど前に登りで使ったことがあるが、その時目安として役立った「小丸まで××m」という標識が500mおきに立っている。立派な赤松林を経てさらに20分ほど下り、踏ん張る腿の筋肉が痛くなりだしたころ、「小丸まで2000m」の標識を通過。これが最初の標識のはずと思い出した通り、程なく林道合流に着いた。
二俣の渡渉点で靴とストックの泥を落とし、西山林道を辿る。昨年末に通っているから、その長さは覚悟している。途中、路肩を工事していた。週末というのに年度末が近いので急いでいるのだろう。
だんだんリュックを背負う肩が痛み出した。林道歩きは楽だが、ここまで長いと飽きる。ようやく林道ゲートが見えて左折し、鹿柵を抜けて人里に戻った。遥かな表尾根の上には半ば雪雲がかかっている。大倉バス停トイレ前の流しは、靴やスパッツを洗う人でいっぱいだった。
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