基山〜翁草を訪ね、日本最古の山城跡を歩く
- GPS
- 04:03
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 363m
- 下り
- 360m
コースタイム
- 山行
- 3:47
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 4:03
天候 | 曇り、時々小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※地元の方のお話しでは、駐車は、道路進行方向に対し横向きに停めるのがマナーだそうです。(駐車可能台数を稼ぐため)水汲みに多くの方が来るそうです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所なし。 史跡巡りコースで、山頂まで行ったのですが、案内板が随所にあります。 東北門跡のところで、うっかり、門外の道へ誤って行きました。 山全体が、自然を活かした山城なので、各所に見られる門の跡は、外からの道が通る番所の様なものなので、山頂へ行くのであれば、門外へは、行かない様にしましょう! 山頂には、避難小屋を兼ねた展望台があります! |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
レジャーシート
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
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感想
【福岡県の山の本No.15】【佐賀県の山の本No.5】に記載されている基山(きざん)に行って来ました。
あまり土地勘がなく、行くまでは、基山が福岡県だと思っていたのですが、実際は佐賀県だと初めて知りました。また、読み方も「きやま」ではなく「きざん」が正しいと知りました。町の名前は「基山(きやま)」なのに、山の名前は「基山(きざん)」なんですね。面白いです。
基山は、歴史もある山らしく日本最古の山城跡だそうでその記載は、日本書紀にも登場するそうです。私は、てっきり元寇の頃の山城なんだろうと信じていたのですが、更に古く、大化の改新直後の大和朝廷の頃らしく、日本史上、おそらく初めての海外での戦争であろう「白村江での戦い」で破れ、その報復を恐れた当時の大和朝廷が、唐や新羅の来襲に備えて、築城された山城が「基山」の基肄城(きいじょう)だそうです。
そんな歴史ある基山に、今回、訪れたのは、もうひとつ理由がありまして、山頂に、「翁草」が自生しているらしいと、みなさんのレコを拝見して知ったからです。
せっかく訪れるならば、この時期がベストかも知れない!と思いました。
山頂へは、様々なコースがあるみたいですが、せっかくなので、遠回りになるようですが、南側の水門跡から、歴史巡りコースを辿りながら登る事にしました。
出発地点の、水門跡は、想像以上に立派な、石積みの門と、谷を流れる沢の水を通す為の流水トンネルが作られていました。
水門脇には、小さな神社の社が祀られてました。そこで、お参りをして登山開始です。沢に沿って真っすぐ舗装路が伸びていますが、ふと右側に、木段で急斜面を登る様に作られています。なので、そこから登る事にしました。木段の傍には、キレイな案内図と、ハイキングマップが置かれたポストがありました。
のっけから、結構な急登の木段で、しんどかったですが、ゆっくり登ると、尾根に上がります。そこからは、北に向かって、稜線歩きといった感じの自然歩道です。整備されていてとても心地よく歩けます。
雰囲気が、足立山〜戸の上山の企救自然歩道に似ているなって思いました。
しばらく歩くと「米倉礎石群」に出ました。大きな礎石がいくつも残っている平らな場所です。更に進むと「鐘楼堂」があります。
もう少し進むと「つつみ」という窪地に出ます。
この「つつみ」を過ぎたら、稜線は、左側(やや西方面)に曲がって行きます。
つまりこの辺りが東の端みたいです。
そしてこんもりと、土がもられている「土塁跡」を経て、「東北門跡」に出ます。
東北門には、北側から道が来ているようで、ここも番所の様な役割をしていたのが伺えます。
この東北門辺りが、出発地点の水門から、北に伸びている谷の終焉の上部にあたる様です。それを裏付ける様に、少し先には、水場もありました。
この辺りまで歩いて来て、なんとなくですが、ここを山城として築いた事が、なるほど…と理解出来ました!
この一帯の尾根は、アルファベットのUの字が、北を上にしたら、逆さにひっくり返したような形状なんですね。
谷をキレイに包み込む様になってていて、Uの開いた部分に、水門を作って、天然の要塞を完成させているんですね。
尾根の随所に、見られる礎石跡に、見張り場所の様な建物を設置して、遠くを監視していたのかもしれないですね。また、「つつみ」という場所は、窪地ですから、当時は、水場として機能させていた池(人工かも?)だったのかもです。Uの稜線状に巡らせた道を行き交う人々のオアシス的役割も担っていたのではないでしょうか?
等と、勝手な憶測を巡らせて、歩くと、とても楽しい山でした。
今までも、山城跡を訪れた事はありましたが、この基山は、それらよりも、あきらかに、良く出来てるな。と思わせてくれる山城跡でした!
実は、ここの形状に気づいたのは、道を誤って「東北門跡」の外側に出て、しばらく行ってみて、間違いに気づいたからです。そこで、上記の様な考えが浮かんで来て、東北門跡まで戻ってきました。
本当は、出発前に地形図等で丁寧に調べて、その事を理解していれば、良かったのですが…。
そこから、「丸尾礎石群」を経て、上り詰めると、防火帯の開けた尾根の麓に出ます。そこから、こんもりとした尾根まで上がって歩いても良かったのですが、案内標識の「史跡巡りコース」に従って、尾根の麓と樹林帯の境を歩きます。
やがて「大礎石」に出ます。ここの礎石の跡を見ると、この山城上で、おそらく一番大きな建造物があったのでは?と思われました!
どんな建造物があったのでしょうね!
さて、ここまで、歴史に想いを馳せながら、歩いてきましたが、ここから、尾根の上までひと登りをして山頂を目指します!
もう実際、山頂直下まで来ている様です!
開けた尾根に上がってみると、展望が一気に開けます!
後ろを見ると、筑紫野市や小郡市、基山町のある筑後平野がドーン!と広がります!素晴らしい眺めでした!!
登ったところには、避難小屋を兼ねた展望台も設置されていました!
と、そこに、手にロープを持った一人の方がいらして、ご挨拶をしました。その方は、地元の方の様で、基山の翁草の保護に尽力されている方の様で、それから、山頂をご案内してくださいました。私達が、翁草を目当てに来た事を告げると、たいそう喜んで下さって、いろんなお話しを伺う事もできました。
その中でも、印象に残ったのは、花の盗掘の事でした。ジブンの足で歩いてきて、出会うからこそ、感動も倍層するのに、安直に持ち帰ろうとするのは、いかがなものか?と、つくづく思いました。
その方は、写真も撮って下さいました。本当にありがとうございました!!御陰でとても有意義な時間となりました!
初めて見る翁草は、気品を備えているようにも見えました!
可愛いというよりは、優雅に咲いている様に感じました。
母も初めて見た!と感動しきりでした!
他にも、スミレやいろんな花を見る事が出来ました!
めずらしいのは、梨の花が咲いていた事です!初めて見ました!
一瞬、桜?って思いましたが、案内してくれた方の話しでは、梨だそうです!白くてきれいでした!
展望も素晴らしかったです!
ぐるりと360度
三郡山地、福智山、大根地山、英彦山、嘉穂アルプス、耳納連山、雲仙、九千部山、背振山系、など、晴れていたら、見渡せるそうです。今回は、雲がかかって、展望はいまいちでしたが、普段見る事の出来ないアングルを望めて、ワクワクしました!
その方と別れ、教えて頂いた、尾根伝いに北に向かって防火帯を歩きます!
北の帝と呼ばれるピークで、休憩して、おにぎりを食べて、そこから、一気に急坂を下ります。なんか、水晶山の山頂直下の防火帯の下り坂を思い出しました!
しばらく、樹林帯の尾根(土塁上の感じ)を進むと、北帝城址を過ぎしばらく進むと、行きに迷った『東北門』に出ました!(それも、土塁上の尾根からおりて来たカタチでした)
そこから、谷に向かって、木段を下りて、あとは、舗装路を水門跡に向かって、なだらかに、下って行きます!途中、咲いているスミレなどの花に目を向けながら、楽しくおりました!
とても有意義な一日となりました!
待望の翁草にも会えたし、はるばる行った甲斐がありました!!
コメント
この記録に関連する登山ルート
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基山の翁草、ニュースにもなった様で人気ですね!
保護してくださる方々のおかげで楽しませていただけますね。
ありがたいです。
基山、良い山でしょう。
天拝山と絡めて縦走される方が多いです。
ぜひぜひ!
kururinさん
コメント下さりありがとうございます!
そうなんですね。ニュースで紹介されたんですか。知りませんでした。
今回、山頂で、ご案内くださった方も、毎日のように、いらして、保護に努めておられるようでした。本当に、ありがたいと思いました。
ちゃんとロープを張られているおかげで、うっかり、踏んでしまわないで済むので助かりました。
基山は、想像以上に素晴らしい山でした!
歴史もあるし、歩いていて、楽しくて、食事するのも忘れてしまうくらいでしたよ!
また登りたいと思うので、今度は、お勧めの天拝山から縦走してみますね!
ありがとうございます!
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