栗ノ木洞-鍋割山-塔ノ岳
zaoluck
体力度について
- GPS
- 07:42
- 距離
- 16.8km
- 登り
- 1,451m
- 下り
- 1,453m
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- 山行
- 6:09
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 7:38
| 天候 | 曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
大倉バス停：渋沢駅まで神奈中バス約15分。土休日は臨時便も |
| コース状況／ 危険箇所等 |
■寄から栗ノ木洞まで林道、作業道、県民の森遊歩道が交錯し、漫然と歩くと間違えるので注意を ■栗ノ木洞の北側は標高差約100mを一気に下る急斜面。途中ロープ場も。尾根に見えなくて焦るが、間違いではない。下りたら後沢乗越まではほぼ平坦。 ■大倉尾根金冷ヤシは、桟道のアプローチが板敷の通路で強化されていた。 |
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感想
天気予報が徐々に変わって土曜から雨マークが消えた。専門天気図で確認して関東は南岸寄りの方が雷雨の確率が低いと判断(独断？)、またも丹沢を目指す。東丹沢は蛭、沢筋はそれに加えて増水の恐れがあるので、しばらくご無沙汰の栗ノ木洞の尾根から鍋割山に登り、塔ノ岳を回って大倉へ下りるルートにした。
梅雨時とあってか、寄行きのバスは20人足らずの乗車。起きた時には雲一つなかった空には雲が増え、尾根筋はすでに隠れている。
寄バス停から少し戻り、住宅地を左へ曲がる。もう一度左、50mほど先を右。すると再度右へ曲がることを指示する指導標が見つかる。要はS字状に迂回して茶畑に至り、狭い急坂の生活道路を辿った。その先、2度目の右カーブを終えて標高400mに達すると、古びた「自然遊歩道土佐原路線案内図」の看板と鍋割山方面との指導標が見えた。生活道路を離れると、間もなく傾斜地の茶畑。畑の右端を登り切ると、林の入り口に次の指導標が見えた。
記憶がおぼろだったが、ロスなく登山口に達することができてほっとした。わずか歩いて再び土佐原集落からの林道終点にある東屋の脇を通り、尾根を目指す。厳重な鹿柵の扉を通り、ジグザグの急登を経て再び鹿柵が見えれば送電鉄塔の尾根だ。鉄塔まで伸びている林道を逆方向に辿る。地図ではほどなく尾根を横断する林道と交差するのだが、最初に現れる土の道ではなく、すぐ先で交差するアスファルトの立派な林道がそれだった。
道標に従って林道を横断し、急坂に取りつく。3分ほど登ると、山腹を巻くようにまっすぐ伸びる道から、右へ直登する道が分かれるところに出た。足跡はどちらにもあったが、まっすぐの道には木の枝が何本か置いてある。作業道の多いハイキング路でよく見る目印だ。指示通り右に登ると急な尾根を詰める道に出た。
しばらく行くと、再びジグザグのきつい登りとなってきた。チラリと見えた下界は日が差しているが、ここは曇り空。尾根の上の方は黒雲に隠れている。おかげで暑い夏の直射日光は避けられたが、それでも汗が止まらない。森が少し疎らになったと思うと空が見え、檪山に着いた。東を見下ろすと黒雲の下に江ノ島が見えている。
草地の道が植林帯に入る所にガスが漂ってきて、なんだか幽玄な雰囲気を感じる。この先は雲の中を出たり入ったりというハイキングとなった。植林帯で薄暗い栗ノ木洞山頂を過ぎると、強烈なつるべ落としが待っている。以前歩いた時、若い人が道を間違えたのかと不安がっていた所だ。濡れて滑りやすい雑木の急斜面を注意して100mほど下る。逆コースで下山に使うと、少々厳しい登り返しと感じるだろう。
標高800mほどの尾根を少し辿れば、今日初めてハイカーの声が聞こえて後沢乗越に着いた。さすが人気の鍋割山にはそこそこの登山者がいるようだ。とはいえ、ここから山頂までは厳しい一本調子の急坂が続く難所。小学生の子供連れや若者たちに伍して、最初の最もきつい勾配を喘ぎ登った。ヤマボウシやウツギの白い花を楽しみながら、もとい、楽しむふりをして息を整えながら足を運ぶ。
林の外は真っ白で何も見えない。木道があり、また土の道になり、木段、そして再び木道。心なしか空が明るくなって、両脇にアセビとヤマボウシが並ぶ木段の道に至れば頂上は近い。やがて太陽電池の設備があり、右に曲がると鍋割山荘が見えた。奇跡的に上空の雲が割れて青空が覗き、わずかの間だが山頂が夏の日に照らされた。
相変わらずにぎやかな山頂だが人は少なめで、恒例の鍋焼き行列はないようだ。「今日の人出は少なめですね」と話す山荘の人に鍋焼きうどんと缶ビールを注文し、持参のおにぎりと一緒に賞味した。山頂という希少性抜きでも十分勝負できるお味だと思う。ごちそうさまでした。
再びガスに包まれた尾根を東に向かうが、2分ほど歩いて水筒を山荘に忘れたことに気づき、出直す。引き返した場所に戻ると、右手にピンクめいた花のヤマボウシが咲いていた。自生のベニヤマボウシというのは珍しいのではないだろうか。
ジワジワと標高を稼ぎながら快適な鍋割尾根を行く。時おり響くウグイスなどの野鳥の声が心地よい。そう言えば、この季節はミョーキン、ケケケのエゾハルゼミがうるさいはずなのに、今日は一度もその声を聞かない。先月末の尊仏ノ土平付近でもすでにいくつか鳴いていたが、ガスを嫌うのだろうか。
主稜も下界も白い霧のかなたに隠れたまま金冷ヤシ着。一段と人影が増えてすれ違うのに難儀しながら、塔ノ岳に着いた。大勢でにぎわっているが、ここも不透明な白の世界だ。今日は尊仏山荘には寄らず、20分余り休んでから山頂を辞した。
金冷ヤシの先の桟道は板敷の部分が延長されて強化されていた。徐々に崩壊が進んでいて心配だ。その桟道に伴うわずかな登りで息が切れ、後ろの集団が気になった。こんな天気でも人が多く、追い抜かれ追い越しに注意しないといけない。ランナーが増えてスピード差が大きくなり、気を遣う場面が増えているが、振り返りもせずヨタヨタと我が道をいく初級者が多いのもまた人気登山道の常。人間渋滞に悩みながら花立山荘下の階段を下りて行くと、一瞬、雲が割れて青空と行く手の尾根が見えた。先はまだ長い。
階段の下の岩交じりの急坂を過ぎると標高1170m付近で幅広の木段が現れ、続くわずかな平らな区間とともに気兼ねなく追い抜きや退避、すれ違いができる。天神平分岐の急坂を下って堀山の家前のベンチで一休みし、後はノンストップで見晴茶屋まで下った。いつの間にか雲の下に出ていて、左に表尾根が見えるが上部はすっぽり雲の中だ。気のせいか駒止茶屋下などの木段が歩きやすい。砂を入れてステップを整地したのだろうか。
脚と時間にまだ余裕があるので雑事場ノ平を直進し、大倉高原山の家を経由してみた。テントサイトには2張のテントが見える。日差しも戻り、山の家前の展望台からは下がよく見えた。
ちょうど午後4時に大倉バス停到着。売店前のベンチでスパッツを取り、靴をすすぎ、バスの座席に座ってふと見ると、ズボンの右足ふくらはぎ部分にピンクっぽい染みがあった。スパッツの染色でも移ったかと思って、さて、鶴巻温泉弘法の湯でズボンを脱いでみると出血の跡がある。直径5ミリほどの赤い内出血があるが、痛くもかゆくもない。
もしかすると、スパッツを外した際に蛭に食いつかれたのかもしれない。何かの加減ですぐに振り落したので、ヒルジンがさほど入らずに血が止まったのか…。以前もスパッツを外す際に指に食いつかれ、すぐ気づいて振り落した時の経験を思い出した。自分が連れてきたのか、それとも誰かが連れてきた奴がベンチで待ち伏せしていたのか。いずれにせよ、この時期の丹沢は�猊藩竸粥匹魴腓�さないに越したことはない。
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