落石で損害賠償？

登山をしていて落石を起こして怪我をさせてしまった場合のための賠償保険についての相談を受けることがあります。

実は、登山の最中に落石で怪我をさせてしまっても法的な損害賠償責任は生じないケースが多いようです。つまり責任がないので保険金も支払われません。

登山をするうえで落石があることは予見できる（想定しなければいけない）リスクと考えられ、被害者もそういう場所に覚悟の上で登山に来ているという解釈のためです。（野球でのデッドボール、サッカーでのタックルなどで怪我をさせても賠償責任が生じないのと同じ理屈）

もちろん故意や想定外の行動によって落石を落とし怪我をさせた場合等は法的な責任は生じると思いますが、故意や重過失は保険会社の規定上支払い対象外となるため、いずれにしても保険金は支払われませんので、「落石」の為に加入しても適用されないと思った方が良さそうです。
かといって当然落石を起こしていいわけではなく、細心の注意を払って被害者にも加害者にもならないように気を付けて歩きましょう。ヘルメットで助かるケースもあると思いますのでぜひ着用を。

落石では適用されなくても「自転車で怪我をさせた」「マンションで階下に水が漏れて汚した」など日常生活上の賠償事故は幅広く補償してくれますし、山でも「バーナーを倒して他人のテントを焦がしたり、火傷させた」なんてケースは補償対象となりえますので、山に行かなくても加入すべき保険商品だと思います。


※補足　個人賠償責任保険（日常生活賠償保険）の内容は全社ほぼ同一内容であり、当会のもののみが対象外となるという訳ではございません。
落石事故でも法律上の賠償義務が生じれば当会を含めたどの保険会社でも対象になりますし、賠償義務なしとなれば対象になりません。