御嶽山の10日間を分刻みで追った記録、被災者の証言7件、科学的考察3件、救助現場からの報告5件プラス「サバイバーズ・ギルト」の紹介がまとめられている一冊。ヤマケイらしい客観的かつ中立的な編集姿勢に感謝しながら一気に読みました。山のことは山を知ってる人から聞くのが一番です。
今回、ショッキングなタイトルに不安を感じましたが、執筆者一覧をチェックしたところ羽根田治さんの名前があったので安心して購入しました。私は羽根田さんの文章に好感を持っていて、その報告内容にとても信頼を置いているんです。第一章は羽根田さんがお一人で担当しており、関係者の証言を挟みながら分かりやすく丁寧にこざっぱりとした文章で状況を伝えてくれます。そのあとは現場から生還した人の詳言、信州大学のセンセイのお話、自衛隊や消防など救助活動に携わった人の報告、「サバイバーズ・ギルト」の紹介と続きます。
「サバイバーズ・ギルト」って災害とかで生き残った人が持つ罪悪感のことです。周りの人間がやってはいけないこととやるべきことが書かれていて、私はやるべきことに挙げられていた「いま体験していることは、このような場合には起こって当然の反応であることを伝えましょう」って言葉にすごく救われました。なんか赦された気持ちになるんですよね。
御嶽山の噴火のこと。事態が大きくなりすぎて感傷的に捉えてしまい、考えることを諦めていましたが、この本を通じて少し知ることができました。
今回の噴火で亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、あの日御嶽山にいらっしゃった皆さまの心と体が一日も早く回復しますように。
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