石川新情報書府ってサイトに『白山之記』ってのがあった。その説明には、「平安末期に成立したといわれる白山宮最古の縁起で、国の重要文化財に指定されています。」「白山信仰の成立過程や性格を知る基本資料」とある。
白山比�弯声劼離汽ぅ箸任蓮◆崕妬検崘鮖咳鏥�」 別名「白山記」とも称し、白山の開闢から白山加賀馬場形成に至る過程を、漢文体に訓点を付して書きとめた最古の縁起です。」と、「白山縁起」とも言われているようだ。
福井県文書館のサイトの県史のページでは、「長寛三年（一一六五）ごろに成立した。」とある。
で、この白山縁起の全文と現代語訳文が石川新情報書府にアップされている。やったね。ちなみに訳は石川県教育委員会事務局文化財課とある。
で、その訳文の前半部分を、（引用ということで(^^ゞ）ちょっとコピペしてみると、
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加賀国石川郡の味智郷に一つの名山がある。それは「白山」という山である。その山頂を「禅定」（現在の御前峰）という。尊い大明神がお住まいで、正一位白山妙理大菩薩というお名前である。その本来のお姿は十一面観音である。（頂上には）一間一面の宝殿（「ほこら」のこと）を建立して、五尺の金銅像を安置している。宝殿の前には、直径一尺八寸の鰐口が懸けられている〈これは末代聖人の祈請で、禅頂法皇（鳥羽上皇）の御願によるものである〉。また長さ一丈の錫杖を立てられている〈鰐口と願主は同じである〉。
この宝殿の東にお社がある。「児宮」という。如意輪観音が本来のお姿である。西にも一つのお社があり、これは「別山の本宮」である。
これら社殿の北側に高峯がある（現在の大汝峰）。その山頂には大明神がお住まいで、その名を「高祖太男知」（大己貴尊）といい、本来のお姿は阿弥陀如来である。その頂には一間一面の宝殿が建立されており、五尺の金銅像が安置されている。その宝殿の前には一丈の錫杖を立ててある〈「禅定」と同じ願主による寄進〉。そして一尺八寸の鰐口が懸けられており、また香炉一つも安置されている〈願主は越前国の足羽に住む証意という僧侶である〉。
南数十里にまた高山がある。その山頂に大明神がお住まいである。「別山大行事」というお名前であり、白山の地主神である。聖観音が本来のお姿である。ここには一間一面の宝殿があって、五尺の金銅像が安置されており、宝殿の前には錫杖・鰐口・香炉がある〈願主は「太男知」に同じく証意である〉。
これら三山が白山の神様の御在所である。
（御前峰の）後ろにそびえ立つ一つのやや高い山を「剣の御山」（現在の剣ヶ峰）という［この山は神代の御陵である］。この麓に「翠の池」という池があり、もしその水を飲むと、延命長寿を得ることができるという。大山（剣の御山のこと）の傍らに玉殿がある。この翠の池から白山妙理大権現が出現されたとのことである。
また西にも小社があり、これは「別山の本宮」（別山の神様が本来お住まいであった場所）であるが、白山妙理大権現にこの地をお譲りになり、今では南山（別山）にお移りになっている。
さて、この池の西に「千歳谷」という深い谷があり、万年雪に覆われ、昔から消えたことがない。谷の南を「竜尾」といい、その麓にある泰澄大師修行の遺跡は、（大師がお亡くなりになってから）四百有余年を経ているのに草木も生えず、聖跡はあらたかである。あるいはこれは、大師が入滅された後も、今でも修行をお続けになっているのに、凡人の眼には（泰澄大師のお姿が）見えないだけなのであろうか。すなわちこの白山という山は泰澄大師が修行したことにより神様がお姿を現されたのである。
さて池の上には一つの岡があり、「稲倉峯」という。大師の「縛り石」という。また一つの峯があり、「皮籠峯」という。これらを考えるに、山容は震旦（中国）の五台山と異ならない霊地である。五台は大聖なる文殊菩薩がお住まいの地であり、白山は観音菩薩が功徳を授ける場所である。一度この清涼なる五台山を訪れると、必ず文殊菩薩の利益に預かるように、一度白山に登れば、観音様の瞑助があることは疑いない。
この世界が成立した初めの頃から、（白山は）常に仏菩薩の集まる場所なのであるが、人々の善根により、仏菩薩が人々の願いに感応するときがいよいよ到来し、養老三年（七一九）七月三日御託宣が初めてあったのである。そのとき以来（この『白山之記』を書いた）長寛元年（一一六三）まで四百四十五年経過している。
仏菩薩が加賀の国に白山の神の姿となって現れたのだけれども、天長九年（八三二）に加賀・越前・美濃の三つの馬場（道場）が開かれた。この三つの馬場より、たとえようもないくらい大勢の僧侶や一般の人々が、御山に参詣した。また、かつて天子の御位にあった花山法皇も、この地に参詣して白山の神々にひれ伏されたとのことである。おおよそ官位や福寿、知恵・弁才が身につくことを白山の神々に願って、その望みを叶えられないことはない。この三方の馬場から参詣する人々は、それぞれの馬場の別当に御幣を捧げ、祈念したということである。
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文中の＜＞や[]の括弧は原文にある注釈、()は訳者が加えたもの。現代訳文には読み仮名も振ってくれていますが、煩雑なので省略しました。知りたい人は書府のサイトで閲覧ください。
ふ〜ん、白山の山頂は「禅定」といい、それはいまの御前峰のことで、本地は十一面観音で垂迹は白山妙理大菩薩、いまの大汝峰は「高祖太男知」（おおなむちのみこと。大国主命のこと）といい、本地は阿弥陀如来で、いまの別山は「別山大行事」といい、白山の地主神で、聖観音が本地なのね。そしてこの三つで三山なのね。
あ〜ややこしや
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