4年くらい前からテニス友が少し足を引きづりながら走っているのは気がついていた。
しかし、本人がそのことについて何も語らない為、僕の方も触れずに接した。
それから1年くらい経つと、テニス友は今まで片手で打っていたフォアハンドストロークを両手で打つようになった。
右手に力が入り難いという理由だった。
またそれから1年くらい経つと、突然テニス友がテニスを辞めると言い出した。
理由を聞くと外科から、これ以上運動をすると数年後に歩けなくなると言われた為だと言う。
本人は、足の事について余り話したくない様子だった為、あえて僕から質問することなく、残念ながらそれを受け入れた。
その後は2年間、音沙汰のない日々を過ごす。
先週、そのテニス友からまた一緒にテニスをやらせて頂けないかとメールが届いた。
足は回復したものと思い、大歓迎という言葉を用いて返信メールを返した。
そして昨日、2年ぶりにテニス友はコートに現れた。
驚いたことに前より歩くことに難儀しているのは明らかだった。
そして、テニス友は今までの経緯を語ってくれた。
複数の外科・整骨院で診断や治療をしてもらったが原因が特定できず、ただの神経痛だろうと言われた。
しかし、症状が一向に良くならないことに疑問を抱いた奥さんが家庭医療百科事典でご主人の症状からある病気ではないかと疑った。
外科で紹介状を書いてもらい大学病院を訪ね、10数万円を掛けて複数回に渡り検査をしてもらった。
その結果、奥さんの悪い予感はあたりパーキンソン病という診断を受けた。
脳内のドパーミン(医学用語:ドパミン)が減少する病気だという。
先生からは大好きな事を沢山やって脳内に少しづつでもドパーミンを増やす事が重要だと言われたらしい。
その方にとって大好きな事とはテニスをする事。
ラケットを振る、ボールを追って走る、身体を動かすこと全てが難しい動作になってしまったが、今後も共にテニスを楽しんで行きたい。
好きなことをするというのは生きていく中でとても重要な事なんだと改めて思い知りました。
私事ですが、カミさんに山へ行くことを承認頂く事に毎回難儀している。
今後は堂々と脳内にドパーミンを増やす為に山へ行くんだとカミさんに言ってみよう。