ヘッドランプとは頭に装着する電灯の事で、テン場で幕営したり夜明け前に歩いたりする時の必需品である。
私が山岳部だった2004年(平成十六年)当時、先達は、ヘッドランプの事を「ヘッデン」と呼んでいた。ヘッデンという語源は正直よく分からないが、頭につける電灯という意で「ヘッド(Head)×電灯」という造語なのだろうと推察する。とにもかくにもヘッドランプの事を皆、先達はヘッデンと呼んでいた。
一枚目の写真を見てもらいたい。
とある山小屋のテン場で急なスコールに襲われ、外に出していたコッヘル(炊くのに失敗した米入り)を大急ぎでテント内にしまい込む絵面である。この人物の頭に装着しているのがヘッデンである。
このヘッデンは、ナショナル(BF-186C)という商品である。
現・パナソニックの商品紹介HPによると、W108×D53×H71というサイズ感で、電池含めて220gという重さである。
2023年では考えられないゴツい代物である。この当時、まだLED製のヘッドランプは無く、豆電球のヘッドランプであった。
参考までに、秋田県高校山岳部のバイブル『登山教程(改訂版)』を開いてみたが、この当時の一般的なヘッドランプの重さは250gという記載がみつかった。ちなみに高校山岳部の大会では、色々な審査項目があるが、ヘッドランプの替えの豆電球を持参していない事で減点になった記憶がある。豆電球は消耗品なので、替えの電球が必要な代物なのであった。
このナショナルBF-186Cであるが、当時結構な人がこのヘッデンを装着していたような記憶がある。
電灯・電器といえばナショナル。まさに明るいナショナルの最後の時代である。
私も高校の三年間このヘッデンにお世話になったが、2008年頃からLED製のヘッドランプが登場し、メーカーもブラックダイヤモンドやペツル等、海外製のものが溢れ、ナショナルBF-186Cは気が付いたら手元から無くなってしまっていた。
扨、令和になった昨今、ヘッデンという言葉を使っている人を見かけることは少なくなった。
理由は色々あるが、海外製のヘッドランプの台頭も少なからずこの件に影響があるように思う。
ヘッデンという言葉が似あうのは、ゴツい「ナショナルBF-186C」のようなThe電灯に対してであろう。そう考えると、近い将来「ヘッデン」という言葉は死語になるのかもしれない…
豆電球のヘッデン懐かしいですね〜
私が高校山岳部だったのは1997年〜ですが、同じタイプのを使っていた部員が多かったです。
古参の先生方は単1電池4本で稼働するタイプの使ってましたね、レンズ外すと予備の豆電球が入ってるんですよね。
ちなみに土木作業系の仕事をしていた時、現場での呼び名もやはり『ヘッデン』だったので、もしかすると鉱山や土木建築系に起源があるのかもしれませんね。
コメントありがとうございます!
さすがに、単一電池で動くのはみたことがありませんが、豆電球の格納場所はそこですね。
土木系でもヘッデンっていうのですねー
かなり古くからある言葉なのでしょうか。興味深いです。
はじめまして、おはようございます。
うへー、懐かしいですね。
1992年頃の山岳部ですが、本体真っ黄色のを使ってました。旧モデル?かもしれませんがバンド(ベルト)は色味含めて全く同じような気がします。
コメントありがとうございます。本体真っ黄色のも部室内で見たことあります!懐かしいです。
LEDランプの台頭で、この形状のものは淘汰されてしまった感じですね。
手持ちのカタログによると本体黄色は「BF-179C」と記載されています。
「BF-186B」は上部スイッチ(?)が黄色いモデルです。
私は重さに負けて「BF-192B」に逃げてしまいました😅
コメントありがとうございます。
BF-192B拝見しましたが、使ってる人もいましたね。BF-186に比べて、少し高かったような気がします。
ドイツ語ラテルネ(=ランタン)に由来と聞きました。
コメントありがとうございます。ラテというのは初めて聞きました。知らなかったです。
20日を越す山行では20〜24本の単三電池でかなりの重量になります。マンガン電池でもかなりの出費でした。
LEDヘッドライトは小型軽量省電力で革命です。中村先生さまさまですね。
コメントありがとうございます。電池別タイプというのも存じ上げないです。
そう考えると確かに、LEDは革命ですね。
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