北アルプスの後立山連峰あたりから富士山を眺めたり、稀に石鎚山から瀬戸内を越えて伯耆大山を見たこともあるが、案外遠くの山まで見えるものだ。
扨て、今日の主題は、「東北の鳥海山から北陸の白山が見える。」という都市伝説みたいな話である。
この2つの山の共通点は、霊山である事と、裏日本(もはや死語になってしまいましたが…笑)にある事くらいだが、両者は600km程の距離が離れている。
15年以上前、よく鳥海山には登っていたが、残念ながら私は山頂から白山を見たことは無い。見えたとしても月山、その奥にうっすら朝日連峰っぽい山が見えるくらいだ。
この話の根拠はあまり覚えていないが、実際、鳥海山から白山を見た事があるといった人からその話を聞いた事がある。
「ほんまかいな」とその時は思ったが、先輩たちが作った山岳部で作成する登山計画書の鳥海山頂からの遠望図には一番端に「白山」の表記があったので、私は鳥海山からなんとなく白山が見えるものというのは割と普通なのかと思っていた節がある。
後年ふとその事を思い出し、気になってインターネットで調べてみたが、鳥海山から白山を見たという情報はヒットしなかった。
ちなみにカシミール3Dの見通し判定でも見えないという結果になった。これは怪しくなってきた。
「鳥海山から白山が見える」という話は、私製の資料や口承によるものであった為、確実性はなく一般的な資料では確認できなかった。
困り果てた私は、秋田県高校山岳部のバイブル『登山教程(改訂版)』を開いてみた。そこの遠望図をここに添付しているが、西側の遠望に「能登半島」という文言が見える。
鳥海山から能登半島が見えるらしい。
これも驚きであるが、もしかしたら能登半島が見えた事を白山が見えたと勘違いし広まったものなのか。
真相は闇の中であり、何も解決していないが、もし鳥海山から白山、能登半島を見られた方がおられたらコメント・ご一報くださいませ。
参考
・杉本智彦『カシミール3D GPS応用編』(実業之日本社、2011年)
・秋田県高等学校体育連盟登山専門部『登山教程(改訂版)』(2003年)
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