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頂上に到着すると、まずはひと息ついて軽く食事…とはいえ、それも束の間。真っ先に三角点を探し始めるのは、きっと私だけではないはずだ。
三角点って何?という方は以下参照。
参考:三角点とは?(国土地理院WEBサイトより)
https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/sankaku-toha.html
もっとも、事前に国土地理院の「2万5千分の1地形図」をざっと確認し、ルート上の三角点の位置を把握しておくのが常なので、地形図に記載されている三角点が現地で見つからないと、思わずショックを受けることになる。
そんな時は下山後、反省も兼ねてWEB上で国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」を開き、おさらいするのが私の習慣だ。
いつの頃からか、「ピークをねらえ」のゴールは三角点の確認になっていた。
頂上の山名標柱の写真よりも、三角点の写真のほうがずっと多い。
しかしながら、この三角点について詳しくまとめられた書籍というものには、これまで出会ったことがなかった。
そんな中、先日訪れた国土地理院「地図と測量の科学館」で、以下の一冊を見つけた。
一等三角點研究會 編著『登山案内 一等三角点全国ガイド 改訂版』(ナカニシヤ出版、2015年)。
「一等三角點研究會」なる存在も、この本で初めて知ったが、中を開くと日本全国の三角点の写真と案内がずらりと掲載されており、その制作には膨大な労力と時間が注がれたことが容易に想像できる。
本書の前書きは、元日本山岳会会長・齋藤惇生氏が執筆しており、
「三角点に特に愛着を持ち、日本の山々を登り続けたのは今西錦司氏であり、(中略)今西氏は三角点を、競技のゴールに張られたテープと同じだと考え、これに触れてはじめて達成感を得られると書いている」
と記されている。
この一等三角點研究會は、今西氏を顧問として発足された会なのだという。
あのマナスルの今西錦司先生が、三角点をこよなく愛していたことは、今回初めて知った。
(余談だが、今西錦司先生といえば、富山のスーパーなどで見かける謎のミネラルウォーター「秘境黒部」のラベルに書かれている文章を思い出す、という山ヤはきっと少なくないはず)
ともあれ、自分もまた、今西錦司と同じようなことをしていたということに、妙な親近感を覚えた次第である。
このガイド本を手に、三角点の深く豊かな世界を探求していきたいと思う。
(1枚目)甲斐駒ヶ岳頂上 一等三角点「甲駒ケ嶽」(2965.50米)
(2枚目)地図と測量の科学館の三角点の展示
(3枚目)『登山案内 一等三角点全国ガイド 改訂版』
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