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前回は確定していたはずの県境が裁判によって「移動した」という話でしたが、今回はまだ決まってない「県境未定地」の話です。場所は蔵王の主峰、熊野岳山頂近くにある熊野岳避難小屋から、南側の馬の背分岐に至る200mほどの短い区間。刈田岳方面から馬の背を経て熊野岳に登ったことがある方であれば間違いなく一度は通ったことがあるメジャーな場所ですね。えー、あんなところが県境未定地なのー!という感じかも。
地図を見ると、北蔵王縦走ルートからピピピピピッと南下してきた県境が、避難小屋近くで突然一旦途切れ、その先の分岐からまた復活してる。これだけ見るとプロポーズ大作戦の電光掲示のようにピピピピピッとそのまま綺麗に繋がりそうなんですが、そう簡単に繋げないのはそれなりの大人の事情がありそう。これは怪しさ満載、野村萬斎ですねー。
ここからは自分の個人的推測ですが、恐らく県境を決める際に「登山道 (登拝道) に沿って」ということだけが決められてたのではないかと。しかし地図を見る限り、この2点間を繋ぐ登山道は複数ある。このどれを通るかによって、実は意味合いが大きく変わるんですねー。もし最短ルートでつなげば、熊野岳山頂は完全に山形県の中になる。しかし、もし県境がここからグイッと曲がって熊野岳山頂を経て馬の背に至るとしたら、、、これは大きな意味を持ちます。まず宮城県最高峰が変わる。国土地理院が公式発表している現在の宮城県最高峰は同じ蔵王連峰の屏風岳 1825m だけど、それが熊野岳 1841m になる。さらに現在は日本百名山が一つもない宮城県に一座追加される。これは確かに大きい。
というわけで、もし蔵王を歩かれる機会があれば、そんな県境ロマンも少し感じてみては如何でしょうか。
#ちなみにハザードマップだと、噴火が起きた時の降灰は基本的に宮城県側に流れることになってるんですね。ごめんなさい、宮城県、、。
そう考えると、無理に熊野岳を宮城県にしようと考える人も少ないのかもしれないし、これだけ立派な屏風岳を県最高峰から引きずり下ろすのに抵抗がある人もいるかもしれない。もしかしたら県境未定なくらいが丁度いいのかもしれませんね。(もし勝手なことを言ってたらごめんなさい>>宮城県の方々)
御釜は宮城県ですねー。東北電気保安協会のCMで山形県なのに御釜が出てくるのはいつも違和感アリアリです。(笑)
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