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花粉症が治まれば、
山は素敵なご褒美を沢山用意してくれる。
少々の具合の悪さも、
登山口の結界を越えると、癒してくれる。
朝の木漏れ日が一歩目を引き出し、
セキレイが低く道案内をする。
鳥の囀りを聞き、腐葉土のにおいを嗅ぐ。
獣の臭い、木々の匂い、花の香り、
雨の降り始めの匂い、日溜りの匂い。
深呼吸をしたら、眩暈さえ引き起こしそうだ。
そんな山の中、
あのピークまで登ったら、水を飲ませてあげる。
この先の広場に出たら、甘味を食べさせてあげる。
と、騙し騙し、登る私。
下調べと準備に費やした一週間を無駄にすまいと、
がんばる私。
強制的に四駆で登らされるときの快感は、
後頭部が熱くなるほどだ。
はっきり言って、一人になれれば何処でもいい。
苔生した谷底でも、水飛沫舞い上がる滝壷でも、
ビルの屋上でもいいのかもしれない。。。。
それでも、
誰も居ない山の中で、
異次元を覗けそうな突き出た展望岩を、
ひょこり見つけたときは、
最高にご機嫌だ。
山肌に開いた窓のような展望岩の上で、
珈琲を沸かし、
下から吹き上がる風に身体を冷ましながら、
『バグダッド・カフェ(1987)』 の 「Calling You」に耳を傾ける。
私の身の丈にあった、今一番の至福の瞬間だ。
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