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その重要な差異は、丹沢の大動脈的なコースの一つになる主稜線ルートの山名表記の位置で、先週通った矢駄尾根が、『山と高原地図』では熊笹ノ峰を越えて、大笄の山頂との中間に分岐して描かれていましたが、『西丹沢登山詳細図』では熊笹ノ峰ではなくて東沢ノ峰と表記されていて、その先の『山と高原地図』で大笄となっていたところに熊笹ノ峰と記されていました。ご存知の通り『山と高原地図』は縮小倍率が1:50000と高く、細かいところは曖昧ですが、見ると前後の山の中間の鞍部のような位置に矢駄尾根が始まっていましたが、1:16500の『西丹沢登山詳細図』では熊笹ノ峰の山頂に近いところから線が延びていました。線だけを見るともちろん『西丹沢登山詳細図』の方がはるかに正確ですが、果たして山名はどうなのだろうと思って、色々チェックしてみました。
まず、問題の熊笹ノ峰ですが、1523mの山だとすると国土地理院の地図に1523m表記のピークがあり、それが熊笹ノ峰になって『山と高原地図』が正しくなります。しかし、大笄の標高が1510mとされていますが、国土地理院の地図にはその標高を示すものが表記されていません。また、熊笹ノ峰がはっきりしないまま1523mピークのところに表記されたため、単純にそれが通ってきた可能性があります。この主稜線ルートには山名表記がないピークが複数有り、実際に歩いてみると分かりますが、細かいコブは除き、大きいピークの下り初めで3枚目の写真を撮った画像からして、先にある山の方が高いことになります。その写真を撮っているピークが熊笹ノ峰とすると、前に見えるのが大笄になり、高さが逆転しているように思えます。ただし、結構人の目と言うのはいい加減なもので、実はあちらより高いところから撮っている可能性もあります。
では、その他の要素で考えてみますが、まずは分岐にある立派な古道標の「神の川 熊笹の峰線」となった矢駄尾根の道の名です。この分岐は一旦鞍部に下りて、そこから山頂まで登りかけた途中にあり、あとわずかで山頂と言う位置になります。その山頂が大笄なら、この分岐の道標は「神の川 大笄線」になるのではないでしょうか。それが前述の通り表記されているのだから、やはりこちらのピークこそ熊笹ノ峰で、手前のピークが東沢ノ丸とする『西丹沢登山詳細図』の方が正しいように思えます。次に、この東沢ノ丸は『山と高原地図』には無表記ですが、ヤマレコの地図情報には小笄よりも先のピークを東沢ノ丸と定義していました。しかし、名前の元になった「東沢」の先を真っ直ぐ伸ばすと、そこにはやはり『山と高原地図』で言うところの熊笹ノ峰があり、ここを東沢ノ丸とした『西丹沢登山詳細図』の方が正しいように思えます。ちなみに「笄(こうがい)」とは女性の髪結いの際に束ねた髪を固定するのに使うかんざしの一種で、左右が少し太くなった短い棒のようなものです。その形から山名が付けられたとするなら、1288mのピークと隣りの同じ位のピークをまとめて小笄として捉えていたのかも知れません。そうなると、大笄も、『西丹沢登山詳細図』の大笄と熊笹ノ峰を合わせてそう名付けられた可能性はありますね。もちろん由来は全然異なる場合もありますが、何より、山頂近くにある分岐が「神の川熊笹の峰線」としっかり記されているのだから、そのピークが熊笹ノ峰とするのが妥当ではないかなと自分なりに結論付けてみました。管轄する営林署に聞けばすぐ分かりそうなものなのに、余計なことを色々考えてみましたが、いかがなものでしょうね(^∇^)b
Topgabachoさん、はじめまして。
熊笹ノ峰および大笄、小笄は昔から「山と高原地図」のように認識しています。
西丹沢の所轄である松田警察署のホームページにある「西丹沢頂稜河川土地名称図」も同じ表記になっており、
(https://www.police.pref.kanagawa.jp/ps/71ps/71mes/71mes930.htm)
歴史的経緯からは、「山と高原地図」の方が正しいような気がします。
「西丹沢登山詳細図」は犬越路までを丹沢主稜線としているけど、こちらも昔から、主稜は蛭ヶ岳から檜洞までの名称だったと思います。
この事から作者である守屋さんの意図や思惑、あるいは誤認があるように思えるのですが・・・
それとも、何か資料でも発見されたのでしょうかね。
気になるところではあります。
guchi999さん、初めまして&コメント有り難うございます!
山の名って、意外とはっきりしないものが多く、地元の人達の呼び名と、後から決められた名が異なるようなことは結構あるみたいですよね。
特に、名無しの小ピーク的なところは曖昧なままの場合が多く残り、どうも表記が他で異なることがあるみたいですね。
自分が体験した中では、大月の白谷ノ丸は、山頂表示があるピークは、実は地元の人は昔から茶臼山と呼んでいて、すぐ隣りの並んだコブの白いザレた方が白谷ノ丸だと地元の登山者さんに教えてもらいました。
文字は同じでも、読み方が違う例として、百名山の金峰山も、山梨では「きんぷさん」長野では「きんぽうさん」と読むように、地域で読み方が異なることもありますよね。
山の名がはっきりしない例としても、大月の小金沢山もその一つだったようで、元は今のピークは小金沢山とは言わなかったそうですね。
後から便宜的にその名を定着させたらしいですが、何か熊笹ノ峰の周辺もそういったいきさつがあったのかも知れませんね。
警察署の地図はどこまで昔からの呼び名に対応しているのかは分かりませんが、例えば、あの辺りで遭難しかけて助けを呼んで、熊笹ノ峰のピーク付近ですと伝えたら、それが向こうでは大笄のピークと捉えられたりするのは困ったものですから、曖昧回避のために一度古くからの名前をしっかり調べて、全てで統一できれば良いのになと思いますね。
ただ、やはり「山と高原地図」の名前の通りなら、なぜ矢駄尾根分岐の道標に「神の川 熊笹の峰線」と彫られているのかはナゾですね。
あの分岐はもうすぐにピークに至るところから分かれていますが、あのピークが大笄なら、その名を使いますものね。
東沢ノ丸も、沢との位置を考えるとヤマレコの位置情報(小笄よりも西にあります)より「詳細図」に記された方がしっくりいく気がします。
やはりここは管轄する営林署に問い合わせてみるのが一番なんでしょうね。
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