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後編は会話に出てくる僕の名前をA、弟をBと呼ばせていただく。
片道切符のみで行くことを決断するまでには、実はけっこう時間を要した。その間に電車を何本もやり過ごした。
鍵っ子だったこともあり一度は改札を出て家に帰ることも考えたが、もともと楽天的な性格もあり不安はあったものの「何とかなるだろ」との思いを胸に中央線に乗り込んだ。
母と弟はと言うと無事に祖母と合流、その上で母が弟に「Aが乗ってるか探してきて」と指示。弟から「いなかった」の報告。祖母は「戻ってやらなくて大丈夫かい?」と母に尋ねるも「あの子は平気よ、鍵もあるしなんか帰りに食べるもの買ってけば。」乗り遅れたのだから来ることはないだろうと判断されたようだ。
中央線に揺られてる間、とにかく中野駅で乗り換えてふたつめが大久保駅だと呪文のように唱えて三鷹駅を過ぎる頃から心がざわめきだした。
そして中野駅、中央線を降り階段を下りて隣のホームへ、停車していた電車に乗り込む。電車が動き出すとほどなく地下に潜り込んだ。
不安がよぎる。次の駅は東中野で地上のはず間違えたか、、、、、、。
電車がホームに滑り込む、そこは上落合駅、地下鉄東西線の駅であった。
違う!慌てて飛び降りて東西線中野駅方面の電車に乗り込んだ。
そして再び中野駅、見覚えのある黄色い電車に乗って何とか大久保駅に降り立った。
階段を下りて改札口を抜けると4歳の頃見た記憶、高架線沿いの道から斜めに走る路地がそこにあった。
ただ4歳の頃の記憶はその風景のみで目指す時計屋がどこにあるのか、そして店の屋号すら知らなかった。
とりあえず斜めに走る路地を歩く、そして大通り(新宿通りだと思う)へと出た。
店がたくさん並んでる、こっちの通りなのか向こうの通りなのか、右に行けば良いのかはたまた左か。とりあえず時計屋を見つけようと右に進んだ。
ほどなく時計屋が、、、、、、ここだったら良いなあ、、、、、、店の前からしげしげと眺めていると、店の扉が開いて男の人が出てきた。
「A君?」と聞かれ一気に緊張がほぐれて笑顔に変わる。
相当運にも恵まれ目的地に着いたのだ。
「さ、入って入って、よく独りで来れたねえ」
遠い親戚だったこともあり叔父さんの顔は憶えてなかったが促されるまま店内を抜けて祖母や母がいる二階へ。
階段を上がる時、下から叔父さんが「A君来たよー!」上から「やだわ間違えてBよ」と母の声。まさか現れるとはつゆほども思っていなかったようだ。
階段を上がり顔を出すと、見捨てた罪悪感を微塵も見せない母が「あらやだ、どうやって来たのよ」と、どこまでも悪びれることのない母の姿がそこにあった。
僕自身は見捨てられた思いは全くなく、独りで来られたことがただただ誇らしく、ちょっぴり大人の仲間入りを果たせたような気分だった。
こうして人生初の冒険は幕を閉じた。
現代の感覚に照らせば、母は炎上間違いなしですけどね〜😅
その後も独りで電車に乗ってプロ野球のナイターを見に行けるようになったこともあり、母はその立役者でもあります。
でも書いてて思ったのは初めて登る山への感覚ととても似ていて、初めての緊張感と五感を研ぎ澄ませてルートを辿る感覚は全く同じ。
その後も学内のオリエンテーリングで優勝するなど方向感覚や勘はこういう単独行動で身についたのかもしれませんね😉
長文お付き合いいただきありがとうございました!🙇
些か長かった、書いた自分が読み飽きる😅
上の2枚の写真を見て、どの山か答えられる人はそう多くないだろう。
どちらも難易度の高いバリエーションルートからの眺め。
一枚目 白馬岳主稜から見た杓子岳、カッコいいのよ!
二枚目 涸沢岳西尾根からの北穂高岳滝谷の岩壁、トンガリは滝谷ドーム
さすらいの男、ハスラー氏はこうして生まれたんだね!
きっかけを作ったお母さん、素晴らしい😆
(迷子にならずに良かった💦)
今どきの親は子供に対して過保護すぎるところもあるから(ドキッ)、あの子なら大丈夫!と思えるお母さん、その思いと反対の結果でその「大丈夫」を証明したA君に拍手👏
そうですね〜登山者ハスラーの土台が築かれた一歩だったかもしれませんね。
今はスマホあれば子供でも電車乗り継いで目的地まで辿り着くのは容易になりましたけどね。
ただ、物騒な時代になりましたからね、電車内で火をつけるとか刃物振りまわすとか人さらいとか。目を離した隙に忽然と姿を消してしまう事案もありますし。おいそれとは子供に一人旅させられる時代ではないですね😉
過保護と言う見方よりも守ることが優先されますから。
ただ登山にこじつけて言えば、母のように同伴者を置き去りにする人は、登山パーティのリーダーの資質はないですね😁
こんにちは。
初めてコメントさせて頂きます。遅くなって申し訳ありません。
日記とても面白かったです。小学生低学年の頃、親の目を盗んで京阪電車で淀屋橋まで行って、梅田から阪急電車でしれっと戻ってきたり、いつも乗るバスの終点までどんなところか知りたくて行ってみたりしてました。
オリエンテーリングされてたんですね。私は学生時代オリエンテーリングやってたのが、自分の登山のきっかけ、ベースになっています。レコ再開楽しみにしていますね。
初めまして!いつも拍手のやり取り、お世話になっております😀
返事遅くなって申し訳ありません。
幼少の頃の記憶を辿っての冒険、楽しんでいただけたようで嬉しいです🤣
zasanさんも同じように好奇心旺盛な少年時代だったのですね😉
きっとお互いこういう好奇心旺盛なところが今の登山好きに繋がってるんでしょうね😆
ありがとうございます!社会復帰への出口は見えてきました😉
お互い安全登山を楽しみましょう!😆
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