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地蔵ヶ池・梵字ヶ池・烏ヶ池・含滿ヶ池・王能ヶ池・赤松ヶ池・釜ヶ池・硯ヶ池である。
八池だが・・・・・？
大山七池の伝承の発端は江戸時代の頃ではなかろうか。
釜ヶ池が新田開発により築かれた記録が岸本町誌に記載してあったと記憶している。
開山1300年記念として催事があろうが、七池伝承については蚊帳の外だろう。
数年前にこの七池の探索をもくろんだ。釜ヶ池と硯ヶ池の手がかりがなく大山自然歴史館（館長は先年の植樹祭行幸で館の展示説明したほどの達人である 天皇陛下の質問に？？）に相談にいったところ七池の展示調査中であったようで説明してもらった。（現在 展示あり）
【地蔵ヶ池】
山頂の下方の石室の前に二つの池があった。南側にあたる上方のが「地蔵ヶ池」（約10平方米）で、北側の下方が「梵字ヶ池」（約50平方米）で、大山七池では二つの池を一緒にして「地蔵ヶ池」と呼び、大山の三会式の一つ「弥山禅定」や、その後の「もひ取り神事」の霊水として利用されていた。
昔はその池にダイセンシジミ（チョウの一種ゼフィルス）が生息しまた野鳥の水飲み場ともなっていたが、昭和50年代からの急激な山頂の崩壊により枯渇した。
【梵字ヶ池】
「地蔵ヶ池」と位置に混乱がみうけられるようだ。
石室の前が地蔵ヶ池と思われるが。未確認
【烏ヶ池】
金門の下流から大山寺にあがる大岩の窪みに水がたまり池になり、七池の中では一番小さな池で、大山寺の仏用水として利用されていたという。そこに一体の地蔵が祀られている。付近には、僧兵達が修行したと伝えられる千石岩、天狗岩がある。対岸の岩の
上に聳えるのが二代目の大納言杉である。
【含滿ヶ池】
豪円山に登ると世代墓がありその下に一本松がある。近年まで、その松の根元に大きな岩があり一体の地蔵が祀られていた。そこは昔の池であったが、昭和11年大山が国立公園に指定されて将来の観光のために、現在の豪円山道路が建設されたり、昭和14年には豪円山東側に初めてジャンプ台が造られた。その後大雨が降ると大量の土砂が流れでたために池が埋もれた。昭和40年頃までは僅かに水溜まりとして残っていたが、その後のスキー場の整備ですっかり乾燥して今ではまったく姿をけした。そしてそこにあった地蔵もいつしか見えなくなった。
金門の摩崖仏と同じで修験者や高僧は未だにこの池がみえるという。（by 変な骨）
世代墓の横に平成10年大山保勝会により「みはり地蔵」が建立された。
昔、通信手段として狼煙をあげ遠方へ合図していた。大山では豪円山の南斜面の高台に見張り台があったことから「みはり地蔵」の名がついた。今は「のろし台」として北壁の絶好な展望地となっている。
（参考）
出雲国風土記に記載のある烽火山
馬見烽（まみのとぶひ）・・・大社町の壷背山
土椋烽（とくらのとぶひ）・・・稗原町の大袋山
多夫志烽（たぶしのとぶひ）・・・国富町の旅伏山
布自枳美烽（ふじきみのとぶひ）・・・松江市東川津町の嵩山（だけさん）
暑垣烽（あつがきのとぶひ）・・・安来市田頼町の車山
以前、熊本で烽火リレーの実験をしていた。
孝霊山も烽火山だったかもしれない。
【王能ヶ池】（大野池）五輪風伝説
深い谷間から流れでた清らかな水を湛えたこの池は、いくつかの伝説の池であって毎年6月15日に行われる地蔵祭りは、池の主神への手向けとして行われてきたものである。
この池に石を投げ入れると、五輪の風が吹くという。大山おろしである。
それは鎮まることなく・・・・・
散策道が整備され周回できる。昔は貸しボートがあり娘を乗せたことがある。
（大山おろしの思ひ出）
中学生になると町の運動会で集落の応援をしなければならない。
高校生の古株による何夜も続く厳しい稽古であった。
「明日は都合が悪いです・・・
「そげなことは許さん・・・
青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」が流行した頃のことである。
応援歌
《大山おろしを身に受けて 鍛え 鍛えしこの躰
見よや 熱血快男児 よしさだ選手ここにあり》
フレー フレー よしさだ
パンツ一丁 シュロのかつらで女装しながら踊る
《わたしの〜 ラバさん〜 色は黒いが〜 酋長の娘〜 〜 〜 〜
当日は開会から閉会まで三三七拍子や応援歌を繰り返す 疲労困憊であった
【赤松ヶ池】
大山七池の中で一番大きく周囲4キロもあり、しかも水量が豊富でいまだかつて完全に干上がったことはないと言われている。最深部は30メートル以上もあると言われ昔から蛇が住む神の池として信仰され、かつ恐れられていて数多くの伝説が残っている。昔は日照りが続き水不足になると、数ヶ村の代表が酒樽に酒を入れそれを担いで大山に上がり、大山寺で雨乞いの祈祷をしてもらい、その後赤松の池で樽の酒を池に注ぎ、かわりに池の水を一杯になるまで入れる、（樽を赤松の池に投げ込む、すると大蛇が樽を水中に引き込み、酒を飲んで水の入った樽が浮き上がってくると信じられていた。）そしてその樽を前後二人で担いで帰る。この樽を途中で地上におろすとそこに雨が降ってしまうので、人の肩から肩へと引き継いで帰ったという。
地元の村々では総出で出迎えて、各自のバケツや樽に少しずつ水をもらい、それぞれ各自の田の水口で笹の葉を水に浸して田にまき、雨の降ることを祈った。
関連「赤松の池 異伝」の項に記述
【釜ヶ池】（地形図に表示あり 名称なし）
観光道路の槇原樹園地駐車場（昭和天皇の頃 植樹祭で整備？）の上の入口付近から佐陀川に入る。古くは丸山集落の用水として大事にされていたという。昔 大山の人達はここで「田にし」を採って食用にしていた。
鬱蒼とした山の中の池で訪ねる人もほとんどなく、冬の渡り鳥である「オシドリ」が今でも観察されるという。
今日（5月8日）は久々に釜ヶ池を訪ねてみた。
途中 野うさぎに出会い 池には鴨でしょうか 三羽
往復一時間あまり。だが
迷ったら数時間は要するかもしれません。
（観光道路）
今ではほとんど使われていない言い方
有料道路 この言い方も化石化したのかも
貧乏人は迂回路を通過したもんだ
【硯ヶ池】（地形図・大山概念図に表示なし）
日野郡日光村地内に硯ヶ池と称する池がある。
この池は、大山から美作方面と日野郡江尾方面とに通ずる道路の分岐路から西方約一丁半位の所にあって、周囲五・六町、水深三・四尺の小池である。その水は一見黒味を帯びて、恰も墨水を混じた様に見える。これは昔 後醍醐天皇が隠岐國遷幸の折、御硯を御洗ひになった為であると傳へられてゐる。又 御駐輦（ちゅうれん 行幸先に滞在すること ＠広辞苑）の地を現に大内と言ひ、御用度机を奉った村を御机村（現日野郡米澤村）と言ってゐる。
歩き道は一ノ沢の項を参照してください。
写真 一 釜ヶ池
二 硯ヶ池
三 含滿ヶ池付近から
参考資料
大山 毎日新聞社
大山・日野川・中海学 テキストブック 大山・日野川・中海学協会刊
大山今昔 立花書院
随時加筆します。
