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昔 高原の一角に清らかな水を湛える小さな池があり、ここで休む旅人や農夫達は、まことに「真清水」と言って喉を潤した。降っても照っても年中水量がかわらず、枡で計ったように水が湧くという意味であろうか「ますみず」とも呼ばれてきた。
元禄九年（1696）の春、ここに水の枯れているのを見た人々は、凶作の知らせではないかと心を痛めていた。その不安は的中し、その夏は旱魃が続き大凶作となり、翌春は三メートル余りの積雪で二年続きの凶作であったという。金屋谷長昌寺（黄檗宗の名刹）の古文書にこの時の檀徒で餓死した者は七三人と記録されている。
享保十七年（1732）作州の法印「宗真」はこの清水の池を石で囲んで桝形を整え、地蔵菩薩を石彫し隔夜四八日間の供養を行い、衆生への慈悲を祈願した。
【清浄泉】
清浄泉左の石垣の上にある三体の地蔵と一つの供養塔は、平成５年厚さ10センチの腐葉土の下から発見されたもので、元禄十五年（1702）宝永元年（1704）と刻まれていて大山で年号のある地蔵では最古である。その石仏には白毫が彫られ、左手の宝珠には朱色を塗ったあとがあり、首には三道が、また手足の指まで彫られた丁寧なもので、人々から深く信仰されていたと思われる。
※白毫〔びゃくごう〕：眉間のところに、白い毛が一本あり、それも右回りであって、いつも光を放っている。如来の慈悲の光。その位置に水晶があると燈明を灯たとき、きらっと光る。）
※石仏の朱色：昔の石仏の多くは彩色を施し、それが剥離すると塗り替えるのが一つの信仰としてあった。朱色は魔除けの色ともいわれていた。西明院谷墓地内の石仏の一部に着色したあとが残っている。
横手道あたりの地蔵は全て破損している。
明治初期の神仏分離・廃仏毀釈の頃のことと推察。
【利生水】
石柱に「行基菩薩の御霊験文珠利生水」と刻まれていた。
「行基菩薩」という高僧が大山にあがって、七日間参篭し文珠の法を修めようとしたが閼伽（あか）水がなく仏前に供えることができず、水輪の法を修せられ持っていた金剛杵で岩を砕いたところ、たちまち浄水が湧き出た。爾来この霊水は尽きることがなかった。
後世の人がこの水を文珠利生になぞらえて「利生水」と号された。
※閼伽（あか）：仏教において仏前などに供養される水のことで六種供養のひとつ
功徳水（くどくすい）
【弥山禅定】【もひとり神事】
大山寺における三会式のひとつ
１ 春季例祭（神輿行幸） ５月24日（旧暦４月２4日）
天慶2年（939）平将門の乱のとき大山は朝廷の祈願所であったので、将門平定を
南光河原で神輿を持ち出して祈祷したのが神輿行幸の始まりとされる。
数年前から神輿の担ぎ手（厄年）が少なくなり三年毎となった。
2 弥山禅定 7月14日（旧暦6月14日）
3 引声勤行（常行三昧） 8月10日から17日
貞観7年（865）慈覚大師円仁（比叡山四代座主）が大山寺独特の読経法といわれる
引声の阿弥陀経を伝えてから大山寺は天台宗となった。
弥山禅定は大山寺における重要な修験の行事であった。本来の禅定は七日の「回峰行」であった。大悲観音を祀る馬頭の巌窟に入り、菜をとり、水をくみ、木の実を拾い薪をとり更に稜線を縦走し、金剛蔵王を祀る三鈷の絶頂巨岩の上にたって観想した。
「夫れ、神州の大嶽、富士を以ってその最大となす。吾が嶽に到りて即ちその第四に居る。随いて、その第一 二 三の嶽は吾よりも霊高にして神秀たりと知るべきなれど、あまねく絶巖に攀ることを許す。風俗たるといえども、禁ぜざるなり。唯 吾嶽の如きは曾てこれを許さず。但し禅定の浄侶の歳に一攀を許すのみ」
「大山雑記」に記されている。
大山寺住職大舘禅雄氏の前々代大舘禅空氏が最後の禅定者とも伝えられる。
江戸時代中期の木版画に「六月十四日夜衆徒五人弥山禅定小此外僧俗共登ル事不許」
詳細については随時加筆
明治の廃仏毀釈、神仏分離、寺号廃絶により大山寺は衰退し弥山禅定の会式はなくなった。登山禁止の寺法も緩み、地蔵ヶ池・梵字ヶ池に安置してあった経筒はいつしか登山者に持ち去られた。
その後、大神山神社により神式で「もひとり神事」古式祭として毎年７月14日に行われている。
弥山：聖なる山の頂き
禅定：修験者が美しい自然に身をおいて、心を清めて修行すること。
【日野川源流】
鳥取・岡山・島根県の三国山（１００４ｍ）を源流部とする一級河川。上流では江戸時代にタタラ製鉄が盛んに行われた。カンナ流しによる流砂は、日野川によって運搬され、河口からのびる弓ヶ浜半島の砂州が成長する大きな要因になったとされる。
源流の碑
往復3時間くらい 時間があれば三国山まで（薄い踏跡あり）
近くの土屋（人家なし）には原風景がある。
映画のロケーションに使える。
地理院地図でこの付近
http://maps.gsi.go.jp/#15/35.075053/133.146014/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
【天神川源流】
津黒山を源流とする総延長32キロの一級河川。
源流の碑 大谷峠付近にあったと思います。
地理院地図
http://maps.gsi.go.jp/#15/35.250193/133.825879/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
この道はほとんど通る人がありませんが景観は素晴らしいです。
若杉山や岡山県森林公園・人形仙が近い
【大山を源流とする川】
木谷・蛇谷⇒船谷川
三ノ沢 ⇒小江尾川
ニノ沢 ⇒白水川
一ノ沢 ⇒大江川
新ズリ ⇒別所川
元谷・南光河原⇒佐陀川
剣谷・川床⇒阿弥陀川
川床道の大谷・庄司ヶ滝⇒甲川
勝田ヶ山 ⇒勝田川
矢筈ヶ山 ⇒矢筈川
天狗ヶ峰 ⇒加勢蛇川（かせち） 一向（いっこん：大山滝入口）
烏ヶ山付近⇒西鴨谷川
烏ヶ山北東1230⇒西鴨谷川 1230から東大山大橋のさきまで歩いた方がいる。
この付近はおもしろいかもしれません。
参考：川の名前を調べる地図
http://river.longseller.org/ws/870703.html
写真 一 清浄泉
二 日野川源流の碑
三 『大山みち』 淀江中央公民館刊 この本の表紙に木版画「女人参詣堅きん
せい也」
ん
のどがかわいたが偽ビールにしようか
