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大山縁起のはなし
１ 神話の山、火神岳あるいは大神岳 『出雲国風土記』
出雲国風土記 一意宇郡（二）郡総記の条にある
「・・・国来々々と引き来縫へる国は、三穂の埼なり。持ち引ける綱は、夜見の島なり。固堅め立つる加志は、伯耆の国有なる火神岳、是也。・・・」
火神岳の火の字が大の字でないかという人もいるかもしれない。
加藤義成・荻原千鶴両先生とも火神岳としている。
出雲国風土記で初めて火神岳として「大山」がでてくるのではなかろうか
大昔 大山が噴火した言い伝えを引き継いできたものとおもふ。
２ 原始、大山は「おおやま」と呼ばれていた やまとことばの時代
（参考資料）
日本の漢字
音読みは、中国語起源の読み方であり、呉音・漢音・唐音・慣用音がある。
呉音は、5-6世紀頃に伝わった漢字音である。通説では、中国の六朝時代南部の呉地方から直接あるいは朝鮮半島を経由して日本に伝わったとされるが、これを実証できる証拠はなく、実際には、仏典などに基づく漢音以前の伝統的な読み方が、時代・地域などを考慮せずに纏めて呉音とされてきた経緯がある。
やまとことば
大和言葉（やまとことば）とは、古くは[いつから?]和歌や雅語のことを意味したが、現在ではもっぱら日本語の語種（単語の出自）の一つであり漢語や外来語に対する日本の固有語を指す。飛鳥時代頃まで大和国や大和飛鳥を中心に話されていたと思われる。
上代日本語
奈良時代およびそれ以前に使用されていた日本語である。
上代日本語がどういうものであったかを知るには、当時の金石文、木簡、正倉院に残された文書（正倉院文書）のほか、当時成立した文献の写本を調べる以外の手段は今のところない。そして文献として適当であるとされているものは『古事記』、『日本書紀』、『万葉集』、各国の風土記のうち書写年代が古く後世の改変の少ないものがよく用いられる。また戸籍・計帳や消息などの文書などもあるが僅かな量しかない。しかし本居宣長に端を発する研究の成果によってその姿はかなり明らかになっている。(参考資料：全てウィキペディア引用）
「大山寺の名僧」の本に住職がいつ頃から「だいせん」といわれたか解説されていた。
本を寿庵に預けているので後日調査
３ 天に聳える美しい山 大山は霊山
４ カンナビ（神体山）の大山 金門は禁門
「金門の夕日」の日記に記載しました。
5 「大山さん」とは大山権現（大智明権現） 神仏習合（神と仏、社と寺）
６ 兜率天から落ちてきた大山 釈迦と弥勒と地蔵の関係
イザナキ・イザナミの御世に天地が始まったがこれも昔のこと、天空はるか彼方にある兜率天の第三院たつみの角が欠けて、大きな盤石が地上に落ちてきた。
盤石は落ちてくる途中で三つに割れ、その一つは熊野山になり、一つは金峯山になり、一つはこの大山になった。
こうしたことからこの山を角盤山と名付けた。
（参考資料）
兜率天（とそつてん）は、欲界における六欲天の第4の天部である。兜卒天、都率天などとも書き、覩史多天（としたてん）、兜率陀天（とそつだてん）などともいう。
須弥山の頂上、12由旬の処にある天部にして、七宝の宮殿があり、無量の諸天が住している。これに内外の二院がある。外院は天衆の欲楽処にして、内院を弥勒菩薩の浄土兜率浄土とする。弥勒はここに在して説法し閻浮提に下生成仏する時の来るのを待っている。『観弥勒菩薩上生兜率天経』には、兜率天上では四方それぞれに24人の天女が侍り、楽器を手に執って歓待するとしている。
この天は下部の四天王、忉利天、夜摩天の3つの天が欲情に沈み、また反対に上部の化楽天・他化自在天の2天に浮逸の心が多いのに対して、沈に非ず、浮に非ず、色・声・香・味・触の五欲の楽において喜足の心を生ずるから弥勒だけでなく、「補処の菩薩」の止住する処となるという。弥勒は56億7千万年止住したのち、未来仏として下生するとされる。
しかして、天人の身長は2里、衣重は一銖半、寿命は4000歳であるという。但し、人間の400年をこの天の1日1夜とする。
弥勒は現在仏である釈迦牟尼仏の次にブッダとなることが約束された菩薩（修行者）で、釈迦の入滅後56億7千万年後の未来にこの世界に現われ悟りを開き、多くの人々を救済するとされる。それまでは兜率天で修行（あるいは説法）しているといわれ、中国・朝鮮半島・日本では、弥勒菩薩の兜率天に往生しようと願う信仰（上生信仰）が流行した。
前述のように弥勒の下生は56億7千万年後とされているが、この気の遠くなる年数は、弥勒の兜率天での寿命が4000年であり、兜率天の1日は地上の400年に匹敵するという説から、下生までに4000×400×12×30＝5億7600万年かかるという計算に由来する。そして、後代になって5億7600万年が56億7000万年に入れ替わったと考えられている。
菩薩の居所は空居天である兜率天とされるが、地蔵菩薩は地居天である忉利天に在って釈迦仏の付属を受け、釈迦の入滅後、5億7600万年後か56億7000万年後に弥勒菩薩が出現するまでの間、現世に仏が不在となってしまう為、その間、六道すべての世界（地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道）に現れて衆生を救う菩薩であるとされる 。（参考資料：全てウィキペディア引用）
７ 観世音・文殊・地蔵、山頂の池から出現 多宝塔の中に釈迦と多宝如来
兜率天の聖である金剛手と金剛光の二菩薩が、天上から地上に降りてきて、蜜勝仙人と仏覚仙人という行者になって現れ、3700年も修行された。
すると角盤山の山頂に五つの池ができた。その真ん中の池の中から多宝塔が現れ出て、中に、釈迦と多宝如来が明々と光り輝いて・・・つかの間、塔とともに池の中に隠れになった。仙人が池の底に入って塔を拝見すると、八葉の蓮台が現れ種字（梵字）が文殊菩薩となり、観世音菩薩に変わり、地蔵菩薩に変わられた。すると文殊は西に去られ、続いて観音は東に去られて、真ん中には地蔵菩薩が残り座っておられた。
この三菩薩の垂迹を称して三所権現という。
（垂迹：仏・菩薩が民衆を救うため、仮の姿をとって現れること。）
８ 仙人が護持する法華経 神祇集まって擁護
９ 大山は悟りを得る真理の浄土 名付けて大神山
10 山頂の池に法華経理教 白赤の大日如来二体・不動明王と中門院
11 海に浮かぶ島を弓でかき寄せる 大山、弓ヶ浜から出雲一帯は霊地
12 大山の神領、山陰山陽の七か国 反仏教の子孫ー物部行業の帰依
13 ご金門が開かれた時から、「だいせん」 八大竜王、金剛鳥の偈
14 役行者、大山登頂の行 三鈷の岩屋、馬頭の巌窟、行者絶えず
人皇四十代の天武天皇十二年に役の優婆塞が大山にやってきた。
険しい嶺によじ登ったり、山中深く分け入ったりして、仏教の深淵をきわめる修行に励み、長い年月を費やした。東の嶺に行っては、三鈷の岩屋で金剛蔵王を心に観じて拝み、西に帰っては、馬頭の巌窟で大悲観音を心に観じて伏し拝んだ。
修行はおおよそ、大峰山や葛城山で行われている修験道の様子と少しも異ならない。
芽を摘み、水を汲み、ひたすら釈迦や菩薩が行った修行をなぞっている。また木の実を拾い、薪を取るなど、修行に励んだ。他にも山林修行者たちが、大山に絶えずやってきた。
（役優婆塞〔えんのうばそく〕：役の行者 飛鳥時代から奈良時代の修験道の開祖『役行者本記』によると伯州大山に来たのは六七八年）
（役行者：えんのぎょうじゃ 役小角 修験道の開祖で実在の人物とされる）
（三鈷の岩屋：三鈷峰のあたりと察する）
（馬頭〔めず〕の巌窟：不明 北壁大屏風岩あたりか）
参考：三徳山三佛寺 投入堂〔国宝〕
三佛寺の由緒は明確ではないが、寺伝によると、慶雲三年（706）役小角（えんのおづぬ） が三弁の蓮花を散らしたところ、その一弁がここに落ちたので（ほかは伊予石槌山と吉野） 堂宇を建てて修験の行場にしたといわれている。 三徳山奥の院「投入堂」は役の行者が法力で投入れたとされ、 建立方法については、今もなお謎のままである。
15 僧行基、文殊を尋ねて来山 閼伽水出る
16 出雲の猟師依道 狼を追って大山山中で地蔵に帰依
17 金蓮、南光院と西明院をつくる 釈迦を、阿弥陀を感得
18 小野篁、書写した法華経奉納 経を納める神殿の扉、開く
19 大山権現と朝廷の崇敬 鎮護国家祈願の詔勅
20 村上天皇の宣旨、大智明権現の名号 摂政・関白藤原道長の祈願
21 僧明蓮、法華経暗唱できず 牛であった前世、大山に来る
22 漁師、大山権現の加護と月参り 海上を照らす光、地獄の母
23 智緑上人の新古今和歌集所蔵の和歌 伯耆の大山に詣でて
大山の「神仏習合」と「分離」
大山の神仏
１ 大昔 大山はどう呼ばれていたか
〇神話の山 火神岳あるいは大神岳
〇原始 大山は「おおやま」と呼ばれていた 和語・漢語
原始信仰（アニミズム）とは
山の神・大山神
正史
『続日本後紀』
2 神々を分離してみると
参考までに
大山と出雲国風土記の関連については
「出雲建国の国引き神話とかんなび山」（吉田薫氏） を検索してください
火のライン・水のラインの視点が興味深いです。
