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歴史の道百選 「川床の石畳道」「横手道」
【大休口付近の石碑】
寛延三（1750） 天大山道難所作
湘之南潭北中
銘去
有黄金？弌国
午
七月三日
【地獄谷】 伝説
昔髪太（勝田）の浦（外浜の漁村）に貧しい漁師がおったそうな。
毎晩のように夜釣りにでかけては獲物を米や野菜に換えて暮らしていたので、少しの風や波にも休んではおれなかった。
ある晩、まことによく釣れて時雨の前にはよく釣れるということをすっかり忘れて漁に熱中してしまった。ふと気がついて空を仰ぐと、さっきまで見えていた星はひとつ残らず姿を消し強い風が吹き始めた。あわてて舟を漕ぎ出すものの大波が襲い掛かり、木の葉のようにもてあそばれ、そのうち西も東もわからなくなった。運を天にまかせ櫓をあげ舟底に座り込み一心に智明権現を唱えながら祈った。
不思議なことに、突風が去り嵐が次第におさまってきた。星が二つ三つと輝き始め、はるか彼方にかすかに大山の姿が見えるでないか。「ありがたや。ありがたや」
そして彼方に青い光が海を照らし、その光に導かれて浜辺に着くことができた。
漁師は大山の智明権現の加護によるものと堅く信じ、毎月欠かさず大山にお礼参りにあがるようになった。しばらくしたころ、「二日も三日も漁を休んで大山参りすると暮らしに困る」母親が小言を言いはじめ、さらに智明権現にまで悪態をつきはじめた。
ほどなく神罰があたったのか母親は病を患い、看病のかいもなくなくなってしまった。
漁師は悲しみのうちに野辺送りし、中陰あけまでは参ることはできないと考えていた。とある夜、大山参りで顔見知りになった僧侶が訪ねてきたきた。母の忌をいうと僧は「そんな穢れはいわない。穢れはないので参るように」
漁師は久しぶりに智明権現に参った。一心に祈念していたところ「堂の横手から黒衣の老僧が現れ「孝心に免じて、母上のところに案内しよう」おそるおそるついて行くと、そこは、地獄の中、赤く燃え盛る業火の中から母親の顔が浮き沈みしていた。「母を救い給え地蔵菩薩」歩み寄ると老僧が制し「私がたずねてしんぜよう」とそばから離れたとたん漁師は眼が覚めた。「ここはどこだろう」そこは大山の山中で「地獄谷」といわれている峡谷で、大木の下でとどめない汗のわが身をみつけた。
やがて漁師は僧になった。
【石畳】
大休峠は昔 オオヤスメといわれていたようだ。
大休は大山寺の東方六キロの地にあり、海抜高度では博労座より高い峠集落で、因幡、船上山方面からの参道の峠にあたり祭りの時には二、三軒の茶屋が開かれていたが、のち博労宿をもかねるようになった。宿とはいえ草ぶきの掘立て小屋にすぐなかった。・・・
石畳道は麓の関金のどなたかが整備したとか
佐摩近くの別所の方が整備しとか
【木地師】
文徳天皇の皇子惟喬親王が、周辺の杣人に木工技術を伝授したところから始まり、日本各地に伝わったと言う伝説がある。
東から西へ流れていったと推察
佐治⇒三徳⇒山守⇒船上山⇒大山北側（明間・川床）⇒米澤
参考：因伯の木地屋 荻原直正著
【Ｔ氏の生還】
「回想の山旅」氏のHPに詳しく述べられている。
T氏が供えてあった凍ったミカンを食べた堂は野井倉の橋のたもとに移転されている。堂を建立された国立公園指導員で一向ヶ平の管理人のM氏も先日 逝ってしまわれた。
写真 一 大山滝の滝口 展望台から10分ほど藪を進めば滝口に至る
二 大休峠避難小屋付近の水場 カスミサンショウウオのたまご
三 献花 遭難者知人と参る 大山自然歴史館長にお世話になる
