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赤松の池には松江藩士の娘の悲しい物語伝説がある。
また、鵜の池と地深くつながっていて大蛇がいったり来たりとか。
火野葦平が短編小説を書いている「蛇體新助」から
廃藩置県の直後、湊山と久米城が売りに出て、坂口氏が旧城主荒尾男爵から三百円で買い取ったとき「城だけを二十円で私に・・・」と言い出したのが新助で・・・城門の扉の真鍮金具だけで十五円、古材は風呂屋へ売りつけこの仕事でも一儲けをした。
やがての頃、あろうことか赤松池を干そうとして浪費の奇行に及んだ。六十五台のポンプの放列も自然を征服することができず大失敗に終わっている。「この池に底がないというが、果たして底なしの池かどうか、大蛇が棲むというが・・・数か月の作業にも拘わらず、池の水は五分の一も減らなかった・・・
底なしといわれる赤松池に飛び込んで潜水した勇士にY氏（松江）がいる。昭和4年7月下旬の某日、彼氏は二、三の学友（松江商業五年生）らと禁断のこの池で潜水競争をやった。
「なんぼもぐっても底に着かず、浮き上がる時間が足りなくて、死ぬ思いをしたばかりか、四、五尺もある鯉かと 度々からだに突き当り、ぞっとした。舟にのって、二十米ほどの綱に石をくくり、水深をはかってみたがそれも底に達しなかった・・・
伯耆坊大山から引用
米子市街から見るアンテナ山の大平山・孝霊山・鍋山が大山の左側に並んでいる。
この池から鍋山につづく杣道がある。いつか歩いてみたい。
